ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』が7日、中央区の明治座で開幕する。初日を控えた5日にプレスコールが同所で行われ、主演の中川晃教を筆頭に、橘ケンチ(EXILE)、別所哲也ら主要キャストが出席し取材会が行われた。
もともとは2020年に上演予定だったが、感染症の影響で、開幕直前で上演が無期延期となっていたミュージカル。それゆえに主人公のチェーザレ・ボルジアを演じる中川は想いもひとしお。
「2年以上が経ち、不思議なことに私たち共演者スタッフの皆さんが同じことを感じているんですけども、作品の中で描かれてる内容が、この2023年この年にとても重なる部分が多いな、と。例えば、ペストが出て来ます。どんなに苦しい時も夢や希望があって、そういうものを味わいながらも現実を生きていく私たちを率いていく理想的なリーダーってどんな人なのか、と。そんななかで青春期の葛藤や迷いがチェーザレの中に確実に増していく……」と熱がこもった挨拶で圧倒し、「……想いは熱いです」と、まとめた。
チェーザレの父親、ロドリーゴ・ボルジア役を演じる別所も、2020年時にともに稽古を重ねていたメンバー。中川の熱い語りに「もうね、この後、1時間ぐらい講義ができる。中川さんは、チェーザレ、あるいはこの時代をもう勉強し尽くしている。父親としては誉れ高き息子です」とユーモアたっぷりにサポート。そのうえで今回上演されるまでに作品がより磨き上げられたとし、「息子がお伝えした通り、本当に人間って愚かだなっていう。権力であったり、時代を重ねてもいろんなことをやり続けてるんだなあ、今も戦争の最中にいる人たちがいる、疑心暗鬼になって人を疑ってしまったり……。この若者たちが試行錯誤していくところを瑞々しく、私自身は古きトラディショナルな世界と権力闘争をやる。今、生み出されようとしてる作品にまっすぐと向き合いたいと思います」と、話した。