全国順次公開中で2月11日からは大阪で上映
『破壊の日』(2020)や『全員切腹』(2021)など、現在のコロナ禍で意欲的に制作を続けている豊田利晃監督が手掛けた『戦慄せしめよ』の関東地区での上映が2月10日までと迫っている。同作は1月28日から2月10日までの2週間限定で、東京・シネマート新宿で公開されており、期間中はスクリーンの前に4台サブウーハーを足して重低音を出力する「ブーストサウンド上映」で迫力のある映像で見ることができる。
同作は、佐渡島が拠点の太鼓芸能集団 鼓童の初主演映画であり、音楽家の日野浩志郎(goat /bonanzas/YPY)とともに1カ月ほど鼓童村(佐渡島)で創りあげた楽曲群を演奏する様子を豊田監督が映像化したもので、2021年2月に期間限定で配信された。厳しくも美しい佐渡の自然、それと共鳴するように演奏される太鼓の音に、上映時間約90分にわたりひたすら魅了される魂の音楽映画。
公開初日の1月28日には鼓童の中込健太&住吉佑太、音楽の日野浩志郎、豊田利晃監督による舞台挨拶が、翌29日には、日野を除く3名でのトークイベントが開催され、2日に渡って映画の撮影秘話が語られた。
本作のひとつの大きな売りで、映画の鑑賞体験をより強固なものとするのが「ブーストサウンド上映」。これについては初日の舞台挨拶で監督が開口一番「ブーストサウンド、大丈夫でしたか? 僕は朝7時半からのチェックで、体調が悪くなりました(笑)」と呼びかけると、公開初日の上映を見ていた鼓童・住吉も「音がでかいだけで感動。耳だけではなく振動を肌身で感じられたのが楽しかった」と喜びつつ「低音が凄くて僕もお客さんが心配になった。クラブのようだった」と観客の体調を案じるほど。一方、同じく上映を見たばかりの鼓童・中込は「自分は太鼓の目の前で叩いているので、一番大きな音を常に浴びている状態。それと同じように見ていて感じた」と、演奏者の感覚を味わえる臨場感に感動しきりだった。