2007年の開館以来「さまざまな美術表現を紹介し、新たな視点を提起する美術館」を活動方針に掲げ、デザインや建築の展覧会を定期的に開催してきた国立新美術館が、その理念を体現する企画として、日本を代表するクリエイティブディレクター佐藤可士和の展覧会を開催。
1990年代、株式会社博報堂でアートディレクターとして斬新な広告プロジェクトを次々と手がけた佐藤は、2000年の独立以降、さまざまな分野のクライアントを対象に、革新的なVI・CI計画やブランド戦略を手がけ、国内外から注目を集めてきた。
過去最大規模の個展となる本展では、佐藤自身がキュレーションする会場構成のなかで、約30年にわたる活動の軌跡を多角的に紹介。展示室を巡る来場者は、佐藤の数々の仕事を「作品」として鑑賞する刺激的な体験を通して、そのクリエイティビティーを体感することができる。会場では、幼少期のコラージュ作品や博報堂入社当時にデザインした作品といった佐藤の原点から、クリエイティブディレクターとしての仕事の数々、さらにはアートワークのシリーズ「LINES」と「FLOW」の対比的なインスタレーションも展開する。