新型コロナウイルスの影響が続く中で、ライブエンタテイメントは大きな変化を求められている。音楽ライブを筆頭に無観客や有観客での配信型の興行はすでに広く浸透、多くの演劇公演でも行われ、少しずつ進化も遂げている。
現在配信中のVR演劇『僕はまだ死んでない』(原案・演出:ウォーリー木下)もそのひとつ。生死の境をさ迷い病院のベッドに寝たきりとなっている男が主人公で、彼を介在として、友人、父、妻、医師が会話を展開していく。終末医療についても盛り込まれたメッセージ性のある作品だ。
「VRで演劇を楽しむ」ことを目的に作られた作品。鑑賞者はステージの真ん中にいて、そのポイントから舞台上360度ぐるりと見渡すことができる。ウォーリー木下によれば、ステージの真ん中にたった一人でいる、見たり聞いたりはできるけれど見ている方からアクションは起こせないという状況にハマるテーマと作品を、脚本家、役者たちと創り上げたという。
なんとなく想像はつくものの、実際どんな演劇体験ができるのかと、記者も自前のiPhoneと借り物のVRゴーグルで視聴してみることにした。