現代社会が抱えるさまざまな問題を題材に、かなり骨太な物語を描くTRASHMASTERS。
作・演出を務める中津留章仁は綿密な取材とそこから生まれる問題意識、そして持ち前の世の中を読む力で、フィクションの一言では片づけられないようなリアリティーのある物語を紡ぎ出す。そればかりではなく、彼なりの未来へ向けた問題提起を見る者に投げかける。
テーマに真摯に向き合うゆえに、上演時間が長くなってしまったり、笑いの要素が排除されてしまったりと昨今の演劇のトレンドから離れていってしまうこともあり、高く評価することに積極的ではない者も多かった。しかし最近は読売演劇大賞の優秀演出家賞をはじめ各賞を受賞。岸田國士戯曲賞に最終ノミネートされるなど、こういう状態を「時代が追いついてきた」というんだな、という感じになっている。
今回、中津留が取り上げるのは昨年から日本の政治における中心的な話題となっている安保法制や「イスラム国」といったあたり。どんな視点でこのセンシティブな問題に切り込んでいくのか注目したい。
TRASHMASTERS『猥り現(みだりうつつ)』
【日時】2月18日(木)〜28日(日)(開演は平日19時。※23日(火)は14時開演。26日(金)は14時の回あり。土日は20・21日は14時、27・28日は13時開演。27日(土)は18時の回あり。開場は開演30分前。当日券は開演45分前)
【会場】赤坂レッドシアター(赤坂)
【料金】全席指定 前売4200円、当日4500円/特定日割引(18・19日)3000円/U25(25歳以下)2500円/学生(大学・短大・専門学校・高校・中学)1000円 ※U25券、学生券は劇団前売り取り扱いのみ。当日受付にて身分証提示。
【問い合わせ】SUI(TEL:03-5902-8020=平日11〜17時 [劇団HP] http://www.lcp.jp/trash/ )
【作・演出】中津留章仁
【出演】吹上タツヒロ、星野卓誠、倉貫匡弘、髙橋洋介、森下庸之、森田匠、長谷川景、龍坐、川﨑初夏、岡本有紀(青年劇場)、保亜美(俳優座)