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国を超え時代を超え人を圧倒し続ける“画狂”北斎に迫る!『HOKUSAI』

2021.06.02 Vol.741

 誰もが知る“あの波”を生み出し、日本人はもちろん世界においても稀代の天才絵師として知られ愛される葛飾北斎。ゴッホ、モネなど同時代の名だたる印象派画家を刺激し、今なお工芸、彫刻、音楽、建築、ファッション、デザインなどあらゆるジャンルで世界に影響を与え続けている。90年の生涯で描いた作品は3万点以上。しかし若き日の北斎に関する資料はほとんど残されておらず、その人生は今なお多くの謎に包まれている。

 そんな謎多き北斎の人生に迫る、かつてない“北斎映画”がいよいよ公開。本作は、歴史的資料を徹底的に調べ、残された事実を繋ぎ合わせて生まれたオリジナル・ストーリーとなっており、今までほとんど語られる事のなかった青年時代の北斎をも描く。青年時代の北斎を演じるのは『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭の男優賞を史上最年少で受賞した柳楽優弥。老年期の北斎役には、国際的なダンサーとしても知られる田中泯。W主演でそれぞれ若き日と老年期の北斎を体現する。北斎を見出す版元の蔦屋重三郎に阿部寛。晩年の北斎に最も影響を与える戯作者の柳亭種彦を永山瑛太。そして、北斎の一つ先を行く美人画の大家・喜多川歌麿を玉木宏が熱演する。

 幼き日から90歳で命燃え尽きるまで絵を描き続けた、彼を突き動かしていたものとは。“画狂”人生に秘められた情熱が今再び解き放たれる!

江戸と東京。それぞれを見つめた表現者たち「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」

2019.02.19 Vol.715

“Great Wave”と称されて世界的に名高い「神奈川沖浪裏」を含む「冨嶽三十六景」シリーズや、19世紀のヨーロッパにおけるジャポニスムの流行の契機となった『北斎漫画』といった、幅広く知られている代表的作品にとどまらず、国内外の名品や近年発見された作品、初公開作品も併せて紹介。約70年に及ぶ北斎の画業をたどる北斎展。

 本展では、その絵師人生を作風の変遷と主に用いた画号によって6期に分けて紹介。勝川派の絵師として活動した「春朗」期(20〜35歳ごろ)、勝川派を離れて肉筆画や狂歌絵本の挿絵といった新たな分野に意欲的に取り組んだ「宗理」期(36〜46歳ごろ)、読本の挿絵に傾注した「葛飾北斎」期(46〜50歳ごろ)、多彩な絵手本を手掛けた「戴斗」期(51〜60歳ごろ)、錦絵の揃物を多く制作した「為一」期(61〜75歳ごろ)、自由な発想と表現による肉筆画に専念した「画狂老人卍」期(75〜90歳ごろ)と、その壮大な画業を通覧していく。

 20歳のデビュー作から90歳の絶筆まで、本展に出品される作品数は約480件(会期中展示替えあり)。初公開作品も多数出品されている。アメリカ・シンシナティ美術館が所蔵する、北斎が88歳の時に描いた《向日葵図》(肉筆画)や、近年発見された「かな手本忠臣蔵」(小判、10枚)など、長らく秘蔵されていたため、衝撃的なほどに美しい色彩をとどめている《津和野藩伝来摺物》というレアな作品も必見。

北斎に呼ばれたのかな【友香の素 vol.205】

2019.01.16 Vol.714

2019年、今年もよろしくお願いします!

 10日から舞台『画狂人 北斎』が始まっていて、今年の初詣は、キャストの皆さんと、北斎ゆかりの牛島神社に、成功祈願に行きました。牛島神社には、狛犬ではなくて狛牛がいたり、撫で牛といって、自分の身体の悪い部分を撫でてから、牛の同じ部分を撫でると病気や怪我が治るとされる体長1メートルぐらいの石でできた牛がいます。皆さんに撫で撫でされるので撫で牛はツルツル。私もご利益にあやかろうと、ばっちり撫で撫でしてきました〜(笑)。そして、全国でも珍しい三輪鳥居があります。三輪鳥居は大きな鳥居の両脇に小さな鳥居がくっついています。

 北斎は牛島神社に「須佐之男命厄神退治之図」を奉納しました。1845年、北斎が86歳の時に描いた肉筆画です。1923年の関東大震災で残念ながら焼失したそうですが、社殿の中に入るとその絵が、モノクロ写真でありました。サイズも大きいので、もし、これが実物であったら、凄い迫力なんだろうなぁっと、思わず見入ってしまいました。

 そして、無事に祈祷を終え、稽古場に移動しようとした時に、ふと見ると間近に大きくそびえ立つスカイツリーが! 調べてみると、牛島神社はスカイツリーの氏神様なんですね! だから、スカイツリーがデザインされていた御守りがあったんですね〜。葛飾北斎から東京スカイツリーまでとは、凄い神社です!

 この公演は、北斎ゆかりの地、長野県小布施町で大千秋楽を迎えます。私が演じるお栄さんも何度も通った場所。そんなゆかりの地で公演できる事は幸せです。北斎に関わるようになったからなのか、久しぶりに会った友人の携帯ケースを何気なく見たら、神奈川沖浪裏が描かれたケースで、「え、なんで!?」っと驚いて聞くと、前から好きで、あまり売ってないからわざわざあるお店まで買いに行ったそう。凄い偶然、北斎に呼ばれたのかな!?

“日本にハマった”西洋絵画の巨匠たち「北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」

2017.10.19 Vol.699

 江戸時代後期の代表的浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)を切り口に、19世紀後半に日本美術が西洋に巻き起こした“ジャポニスム”という現象を読み解く、世界で初めての展覧会。

 狂歌本や読本挿絵、『北斎漫画』に代表される絵手本などの版本、錦絵版画、肉筆画など多くの作品を残し、特に「冨嶽三十六景」は浮世絵における風景画のジャンルを確立させた代表傑作として知られる。

 今なお日本のみならず海外にも愛好家を持ち、世界中のアーティストにインスピレーションを与えている北斎。本展では、北斎をはじめとする日本美術の影響を見て取れる、西洋芸術の優れた作品を一挙紹介。国内外の美術館や個人コレクターが所蔵するモネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガンをはじめ西洋芸術の名作約220点と、北斎の錦絵約40点、版本約70冊の計約110点(出品点数は予定、会期中展示替えあり)が集結。

 異文化との出会いで花開いた西洋美術の傑作と、そのひらめきを生んだ原点の魅力を見比べながら楽しむこともできる、またとない機会だ。

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