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香港の民主活動家・周庭氏らに禁錮刑。上訴も却下

2020.12.12 Vol.736

 香港の西九竜裁判所は11月23日、デモ扇動罪に問われた民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏(23)、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(24)、林朗彦氏(26)ら3人の公判で、保釈の継続を認めず、3人を即日収監した。12月2日には黄氏に13カ月半、周氏に10カ月の禁錮刑が言い渡された。

 黄氏と周氏は情状酌量を訴えるための苦渋の決断として、当初否認していた起訴内容を最終的に認めたのだが、実刑判決を免れることはできなかった。

 執行猶予が付かない実刑判決は、両氏と国際社会の結びつきを断ちたい中国・香港政府の思惑通りの結果。今後、香港国家安全維持法(国安法)違反でも起訴されれば、収監が長期化する可能性が高く、香港の民主化運動にとって大きな打撃となる。

 周氏は香港高等法院(高裁)に上訴を申請したが、9日に却下された。3日に獄中で24歳の誕生日を迎えた周氏には、多くの激励の手紙などが寄せられているという。

 高裁の決定に先立ち、周氏は関係者を通じて、保釈が認められれば「自分で皆さんに直接ありがとうと伝えたいです」との日本語のメッセージを出していた。

 昨年6月に本格化した香港の反政府デモではこれまでに1万人以上が逮捕され、違法集結や暴動罪などで2000人以上が起訴されている。

香港では日本メディアにも弾圧の兆し

2020.09.11 Vol.733

 香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕され、保釈中の民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏(23)が9月1日、警察に出頭し取り調べを受けた。終了後、保釈を継続された周氏は記者会見を行い、警察のこれまでの捜査で「日本経済新聞に昨年掲載した香港民主化運動に関する広告を証拠として示された」と明かし「どうしてあの広告が国安法違反の犯罪証拠なのか警察の説明はまだない」と話した。

 周氏は、香港の日経新聞も捜査を受けたことに言及し、これからも「香港メディアだけでなく、日本のメディアや国際メディアにも弾圧や捜査があるかもしれない。国際メディアにとっても報道の自由への脅威だと思う」と指摘。国安法施行後、「香港政府はまるで鎖国のように、香港の情報を外に出さないようにしている」と述べ、外国メディアに香港への関心を持ち続けてほしいと語った。

 周氏は8月10日に逮捕され、11日深夜に保釈された。周氏は保釈後、報道陣に「どうして逮捕されたのか全く理解できない。政治的な弾圧だ」と語っていた。同じく10日に逮捕された香港紙「蘋果日報」の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏(71)も12日未明に保釈。国安法は通常よりも厳しい保釈要件を定めているが、逮捕に対する世界的な反響の大きさから異例の早期釈放を決めたと思われる。

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