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国枝慎吾が引退会見。『スラダン』に憧れた少年が“生涯ゴールデンスラム”のテニスプレーヤーになるまで

2023.02.07 Vol.Web original

 レジェンドが笑顔でアスリート生活に別れを告げた。車いすテニスプレーヤーの国枝慎吾が7日、都内で引退会見を開き、競技への思いや今後の決意を語った。

 国枝は今年1月に自身のSNSで現役引退を表明。車いすテニス界の第一人者として知られ、パラリンピックにはアテネ大会から東京大会まで5大会連続で出場。昨年7月には4大大会のひとつ、ウィンブルドンで悲願のシングルス初優勝を果たし、選手生活の間に4大大会とパラリンピックを全てを制覇する“生涯ゴールデンスラム”を達成。男子車いすテニスで史上初の偉業を成し遂げた。

 会見で「最高のテニス人生だった」と振り返る国枝。引退をはっきり意識したのはウィンブルドンでの優勝の瞬間。「チームのみんなで抱き合ったとき、芝生のコートの上で最初に出た言葉が“これで引退だな”だった。それから僕自身も“もう十分やりきったな”っていうのがふとした瞬間に口癖のように出てしまい、“これはそういうタイミングなのかな”と思った」と、決断に至った思いを口にした。

 もともと漫画『スラムダンク』に憧れてバスケットボールをやりたかったという国枝。近くにクラブチームがなく、母親に連れられてなんとなく車いすテニスを始めた11歳。そこから27年、想像もしない世界が広がったという。

「アテネのときは僕が金メダルを獲っても(新聞の)スポーツ欄に載らないことも多かった。“車いすテニスやっていて偉いね”と言われることも多かった。何も特別なことではないのに、スポーツとして扱われていないのかなって。だから、現役時代は、自分との闘い、相手との闘い、スポーツとして見られたいという闘いを抱えていたと思う」と、第一人者としての苦労を口にした。

 それが大きく変わったのが2021年、自国開催の東京パラリンピック。「多くの人がスポーツとして楽しんでくれているという手応えがあった。ようやくスポーツの舞台に上がってきたなと思う。僕がまだ25歳くらいだったら、これからさらに(競技が)楽しくなっただろうな」と、少しばかりの心残りを滲ませ、「でも日本には上地(結衣)選手や小田(凱人)選手をはじめ、思いを託せる選手がたくさんいる」と話し、後輩たちへの思いも口にした。

 セカンドキャリアについては「まだ心の中に秘めて置きたい」とした上で、「車いすテニスをいかにスポーツとして見せていくか、ということにずっとこだわってきた。こうした活動はこのあとも続いていくのかなと思う」と、今後も車いすテニス界の発展に貢献する意向を示した。

 国枝を巡っては、これまでの功績に政府が国民栄誉賞を授与する方向で検討に入った。岸田首相は3日、関係省庁に授与を検討するよう指示。今後、有識者の意見を聞いた上で正式決定する見通しで、受賞が決まればパラスポーツ界で初となる。

楽天オープン、国枝慎吾が東京パラぶりの国内プレー。「日本での試合を楽しむ」

2022.10.06 Vol.Web original

 東京・有明テニスの森で開催されている楽天ジャパン・オープンに6日、車いすテニスの国枝慎吾が出場。東京パラリンピックから約1年ぶりに日本での凱旋試合をおこなった。

 今大会は2019年に始まり、2020、2021年は新型コロナウイルスの感染拡大により中止。3年ぶり2回目の開催となる。国枝は車いすの部、男子シングルスの一回戦に出場し、この日は世界ランキング74位の19歳、城智哉と対戦。国枝が持ち味とする強烈なサーブで相手を圧倒し、6-0、6-0のストレート勝ちを決めた。

「久しぶりの日本でのプレー。試合を楽しむというモチベーションできました」と話した国枝。今シーズンは全豪、全仏、ウィンブルドンを3連勝し、4大大会を制覇する年間グランドスラムに王手をかけていた全米は準優勝で幕を閉じた。年間グランドスラムを逃したことについては「グランドスラムでの負けはグランドスラムでしか返せない。また来年に持ち越しになるかなという感じです」と、気持ちを切り替えた様子だった。

 一方、幼い頃から国枝が憧れだったという城。この日、シングルスとしては初めて国枝と対戦した。「すべてのスキルで圧倒され何もできなかった」と肩を落とすも、「国枝選手と戦えて光栄。今後は自分のチャンスボールで決められるスキルを磨くこと、まずはサーブ返せるようにしたい」と、新たな目標を語った。

 楽天ジャパン・オープンは同所で9日まで。

パラ日本選手団、史上最多の255人でメダルに挑む!「多様性と調和」を象徴

2021.08.17 Vol.Web original

 「東京2020パラリンピック競技大会 日本代表選手団 結団式・記者会見」が17日、都内で行われ、日本選手団で主将を務める車いすテニスの国枝慎吾や、副主将のゴールボール・浦田理恵、旗手を務める卓球の岩渕幸洋、トライアスロンの谷真海らが出席した。

 8月24日に開会式を迎える東京パラリンピック。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、16日には、全会場で一般観客の無観客開催が決まった。この日は、日本選手団団長の河合純一氏ら9名が出席したほか、オンラインでは374名の日本選手団の選手・コーチらが参加し、大会での活躍を誓った。

 日本選手団団長の河合純一氏は「このように日本選手団の結団式を挙行して下さったことに感謝しています。最高のパフォーマンスを発揮することが私たちの使命」と覚悟を語った上で、「選手255名、史上最大の選手団になりました。年齢は10〜60代まで、63%が初出場の選手で、夏冬合わせて8回出場の選手もいます。女性の割合も42%を超えるなど、多様性と調和を象徴する選手団になりました。(選手の)皆さんが大会を通じて、勇気や強い意志、インスピレーション、公平といった、パラリンピックの価値を世界中に発信してくれることを願っています」と選手にエールを送った。

全米オープンのコロナ対策は“バブル方式”。国枝「集中して試合に臨めた」

2020.09.18 Vol.Web original

 テニスの全米オープン車いすの部で5年ぶり通算7度目の優勝を果たした国枝慎吾が18日、東京2020組織委員会と全米オープンへの参加経験の共有と意見交換の場に出席。コロナ禍での大会運営にアスリート目線で思いを語った。

同日程・同会場で開催された唯一のグランドスラム

 全米オープンは、全豪、全仏、ウィンブルドンと並ぶ、テニスの4大大会「グランドスラム」のひとつで、毎年8月の最終月曜日に開幕する。今年は新型コロナウイルスの感染拡大でウィンブルドンは中止、全仏オープンは9月下旬へ延期となるなど大会の開催に影響が及ぶなか、全米オープンは予定通り8月31日から無観客で開幕。ダブルスのペアや部門数を減らすことにより規模を縮小して開催された。

 「世界各地から一カ所に選手が集まるという意味において、全米オープンが五輪パラリンピックのヒントになるのではないか」と今回の場への参加経緯を説明した国枝。「私自身、大会が決まった6月の段階では、行くのは怖いなという思いでした。でも大会側とオンラインミーティングを重ねていく中で、出場したいと思えるようになった。対策をしっかりすれば選手側は安心して大会に臨める。このプロセスがこれからのヒントになるのではないか」と語った。

ユニクロ初のチームアンバサダーに、スウェーデン五輪パラ選手ら。錦織「一緒に盛り上げるいけることうれしい」

2020.07.22 Vol.Web original

 ユニクロは22日、同社初となるチームブランドアンバサダーに、スウェーデンのトップアスリートら13名を迎えたことを発表。同日、「UNIQLO TEAM SWEDEN」結成発表会がオンラインにて行われた。

 これまでユニクロはグローバルブランドアンバサダーとして、プロテニス選手のロジャー・フェデラーやスノーボード選手の平野歩夢ら、国内外6名の個人アンバサダーを迎えてきた。今回、初のチームブランドアンバサダーとして、東京五輪・パラリンピックでメダル獲得が期待されるスウェーデンのトップアスリートおよびレジェンドの計13名による「UNIQLO TEAM SWEDEN」を結成。ユニクロ商品の提供で、競技中や日常生活で選手生活を支える。

 発表会では、13名のメンバーが紹介されたほか、個人アンバサダーであるプロテニス選手の錦織圭、車いすテニス選手の国枝慎吾から、それぞれ動画メッセージが送られた。

 錦織は「チームスウェーデンが新たにユニクロファミリーの一員となり、一緒に世界のスポーツを盛り上げていけることをうれしく思う。来年東京オリンピックでぜひ会いましょう」とエールを送り、国枝は「2007年にノーベル賞の晩餐会で使われるストックホルム市庁舎で、プレーヤーズレセプションをしたことが思い出。毎日スモークサーモンを食べることを楽しみにしていた」と、スウェーデンでの思い出を語った。

パラリンピックまで200日!金メダル目標は20個。チームマークやスローガン発表

2020.02.07 Vol.Web original

パラリンピック開幕まで200日となった7日、日本代表選手団「TEAM PARALYMPIC JAPAN」の記者発表会が都内で行われ、チームマークやスローガン、パラリンピックのメダル目標が発表された。

「TEAM PARALYMPIC JAPAN」は、東京2020パラリンピック開催にあたり、日本代表選手団と応援・サポートする人が一つになって大会機運を高めるために立ち上げられた。「超えろ、みんなで。」をスローガンに、パラリンピック日本代表の応援ムーブメントを最大にすることを目指す。

チームマークには、無数の赤によって構成される一つの円のデザインが発表された。それぞれの赤はパラアスリートの個性を表現。それらがグラデーションのように散りばめられて構成されたひとつの円は、様々な個性が輝く自由と、それらが調和する美しさ、立ち止まることなく前へと歩み続ける強い意志が込められている。

国枝慎吾がダブル優勝!楽天OP車いす部門の初開催、「念願だった」

2019.10.06 Vol.Web original

「楽天・ジャパン・オープン・テニス・チャンピオンシップス2019」の7日目が6日、東京・有明で行われ、男子車いすテニスの国枝慎吾がシングルスで優勝。世界ランク6位のステファン・オルソン(スウェーデン)を6−0、6−2で下し、ダブルスとのW優勝を果たした。

国枝は今大会で韓国と中国選手を相手にストレート勝ちで決勝まで進出。調子がいいと語ったファーストサーブのほか、セカンドサーブも好調だった。「しっかり跳ねさせて、相手があまり力が入らないところで打たせたりすることができた」と、これまでの試合に自信を持ち最終戦を迎えた。

決勝戦のカードは、国枝とは38度目の対戦となるステファン・オルソン(スウェーデン)。昨日のダブルスではチームメートとして試合を共にし、今日は敵同士での戦いとなった。オルソンが持ち味の力強いショットを放つも、国枝の強みである俊敏な車いすさばきで、どこまでもボールを捉える。ラリーの末にスマッシュが決まり、会場を沸かせる場面もあった。

楽天オープン初開催の車いす部門で、国枝がダブルス優勝!

2019.10.05 Vol.Web original

「楽天・ジャパン・オープン・テニス・チャンピオンシップス2019」の6日目が5日、東京・有明で行われ、男子車いすテニスの国枝慎吾がダブルスで優勝。中国・韓国ペアを6−0、6−0の完封勝利で下し、今大会ダブルス初優勝を飾った。

初開催の車いす部門

今年、楽天オープンで初めて設けられた車いす部門。来年の東京パラリンピックに向け改修が終わったばかりの有明テニスの森で、日本勢5人を含む8人が出場。2020年の本番会場で熱戦を繰り広げた。国枝自身も「実現してうれしい。車いすテニスを発展させていくためには、こうしてATP(男子プロテニス協会)の大会で車いすの部を採用してもらうことが我々の望み。来年も継続してやってほしいと思います」と語る。

西島秀俊、車いすバスケ界のスーパースターと“パパクラブ”結成!?

2018.10.16 Vol.Web original

 パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ『WHO I AM』フォーラムが16日、都内にて行われ、カナダの車いすバスケットボール金メダリスト、パトリック・アンダーソン選手と、車いすテニスの国枝慎吾選手、2018年車いすバスケ世界選手権大会・日本代表キャプテンの豊島英選手らと、番組のナビゲーター・ナレーターを務める西島秀俊がゲストとして登場した。

 WOWOWが国際パラリンピック委員会と共同で立ち上げ、東京パラリンピックが開催される2020年まで5年にわたって世界トップクラスのパラアスリートに迫るドキュメンタリーシリーズ。 シーズン3の放送開始を前に、第4回目となるフォーラムが行われた。

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