大阪市を廃止し、4つの特別区に再編する「大阪都構想」の是非を問う住民投票は11月1日投開票され、僅差で反対が賛成を上回り、否決。大阪市の存続が決まった。都構想は平成27年5月の前回に続いて否決された。
平成22年に結党した維新が府市の二重行政を解消する手段として都構想を看板政策に掲げてから10年。前回住民投票の否決を受け、維新代表だった橋下徹元市長は政界を引退したが、再挑戦を掲げた27年11月の知事・市長のダブル選で維新が圧勝したことで、再び議論がスタート。2度目の住民投票にこぎつけていた。
だが、2度目の住民投票での否決で維新は看板政策を失い、存在意義そのものを問われることになる。
同日夜に会見を行った維新代表の松井一郎市長は「2度負けた。政治家としての力不足に尽きる。市民の不安を解消できなかった。全く後悔はない。思う存分戦ってこられた。市長として大阪の発展に全力を尽くす」などと語った。そして「けじめをつけなければいけない」と述べ、令和5年春の市長の任期満了をもって政界を引退する意向を示した。
維新代表代行の吉村洋文大阪府知事は「大阪都構想は間違っていたんだろうと思う。市民の判断を率直に受け止める。僕自身が都構想に再挑戦することはない」と言い切った。そして自身の進退については「任期満了前に判断する」と述べるにとどめた。