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ZST.52 山田崇太郎が第5代ウェルター級王座獲得

2016.08.08 Vol.672

 総合格闘技「ZST.52」(8月7日、東京・新宿FACE)のメーンで行われた「ウェルター級王者決定戦」で山田崇太郎がカン・ジョンミンを1R2分29秒、フロントチョークで破り、第5代王者となった。

 寝技の山田と打撃のジョンミンという構図となった一戦だったが、山田はゴング早々に片足タックルで、テイクダウンに成功するや完全に試合をコントロール。体を起こしたジョンミンの首をフロントチョークでとらえる。ジョンミンが立っても離さず、再度グラウンドに引き込み、グイッと絞めあげるとジョンミンはたまらずマットを叩いた。

「できるところまで現役を続けたい」宇野薫さん(総合格闘家)

2016.06.25 Vol.669

 今年でデビュー20周年。20年続けられる人はそうはいない。総合格闘技(MMA)をやろうと思ったきっかけは?

「高校生のころにレスリングをやっていたんですが、専門学校に入った時に修斗の佐藤ルミナ選手がすごくかっこよくて、それにあこがれて総合格闘技を始めました」

 MMAの一番の面白さは?

「今はアスリート同士の戦いとなっていますから、ただ腕っ節が強いとか関節技が強いとか打撃が強いといった、どちらかに偏っているのではなくトータルにできる選手が出てきているので本当に面白いですね」

 何歳まで現役を?

「できるところまでやりたい。大きいケガをしてしまえば、それはしようがないと思うんですが、“ここまできたら一戦一戦納得のいくところまでやりなさい”と親にも嫁にも言われていますので」という宇野選手の元気の秘訣は?

「毎日体を動かすこと。体を鍛えると心もリフレッシュするので、それが元気の秘訣です」とのこと。

 宇野選手はファッションフリークとしても有名。オリジナルブランドも持っている。せっかくなのでUCS(宇野商店)というオンラインショップものぞいてみて!!

Abema TVで修斗4・23舞浜大会を無料でLIVE配信。解説に佐藤ルミナと川畑要

2016.04.22 Vol.665

 プロフェッショナル修斗公式戦「MOBSTYLES Presents『FIGHT&MOSH』」( 4月23日、千葉・舞浜アンフィシアター)の前日計量が22日、都内で行われ、全選手が規定体重をパスした。

 この日は計量と合わせて会見が開かれ、同大会が「Abema TV」で完全無料でLIVE配信されることが発表された。

「Abema TV」はサイバーエージェントとテレビ朝日が“無料で楽しめるインターネットテレビ局”というコンセプトで展開する新しい動画サービス。

 今月11日に開局し、1日1000万視聴を記録するなど好調な滑り出しを見せているという。なかでも格闘技については、「格闘技はスマートフォンと親和性が高い」ということもあり、これまでにもK-1、Krush、アジア最大の格闘技団体ともいわれるONE Championshipなどがラインアップされていた。

 修斗は先日「UFC FIGHT PASS」での配信開始を発表したばかり。それに続く発表に舞浜大会の主催者で修斗公式戦を多く主催するサステインの坂本一弘代表は「修斗は地方にも選手がおり、北海道から沖縄までアマチュア大会を開催している。MMAファンの皆様がライブで試合を見られるというのは非常に画期的だと思う」と話した。

 舞浜大会は王者・菅原雅顕に扇久保博正が挑む世界バンタム級チャンピオンシップと松本光史vs川名雄生で行われる世界ウェルター級チャンピオン決定戦の2つの世界戦が行われる。またノンタイトルながら世界ライト級王者の斎藤裕、そして宇野薫、前田吉朗といった人気選手も出場。解説席には環太平洋初代ライト級王者の佐藤ルミナ氏と格闘技に造詣が深いケミストリーの川畑要を迎えるなど、ケージ上もケージ下も豪華な顔ぶれとなっている。

修斗がUFC FIGHT PASSで世界配信決定

2016.04.20 Vol.664

「UFC FIGHT PASS配信会見」が20日、都内で開かれ、4月23日に開催されるプロフェッショナル修斗公式戦MOBSTYLES Presents「 FIGHT&MOSH」千葉・舞浜アンフィシアター大会からUFC FIGHT PASS(UFCファイトパス)でのライブ配信が始まることが発表された。
 UFC FIGHT PASSは月額9.99ドル(契約日数にて価格が変動)でUFC FIGHT NIGHTをはじめとした世界各国で行われる格闘技イベントのライブ配信や過去のUFCやWEC、PRIDE等の試合動画がPC、タブレットPC、スマートフォンなどで視聴できる会員制動画サイト。
 日本円にして月額約1000円という安価なことから格闘技ファンの間では人気のサイトだ。
 会見の冒頭、舞浜大会の主催者で修斗公式戦を多く主催するサステインの坂本一弘代表が挨拶。
「1年以上の交渉の末、実現しました。総合格闘技を(世界で)一番最初に始めたのが(修斗の創始者で)私の先生である佐山サトル。佐山サトルがMMAを始めなければ今のような状況はなかったかどうかは分かりませんが、少なくとも私はここに立っていることはなかった。誰がMMAを作ったのかということを説明させていただいて、そういうことをUFCの方々にしっかり理解していただいたうえでこういう流れになりました。MMAの中で一番長い歴史を持つ修斗の映像がファイトパスに流れることは歴史を掘り起こす、見直すという意味でも非常に画期的なことだと思います」と経緯を説明。そして「私の先生である佐山サトルが作ったMMAを世界中に広めてくれたUFCには感謝したい」とも話した。

11・22「ZST.49」に星野勇二と謎のマスクマン、エル・リバーサルが参戦

2015.10.27 Vol.653

 総合格闘技ZSTが26日、会見を開き『ZST.49~旗揚げ13周年記念大会~』(11月22日、東京・ディファ有明)に初代CAGE FORCE フェザー級王者・星野勇二が参戦することを発表した。
 星野はZST初参戦。謎のマスクマン、エル・リバーサルとタッグを組み、宇野薫、植松直哉組が持つ、GTタッグ王座への挑戦を視野にグラップリングタッグ戦線に名乗りを上げた。
 この日はリバーサルを伴っての会見。
 星野はリバーサルについて「パートナーを探していたのだが、思い当たるいい選手がいなかった。そんな時に、道場の回りにマスクをかぶったおかしな奴がいて、声をかけてみたら“試合をやってみたい”とのことだったので、“一緒にやろう”ということになった」と説明。
 リバーサルは自らについて、上原譲ZSTプロデューサーを通じて「メキシコ出身の選手」と主張。
 その正体について上原氏は「以前、ZSTに上がってくれていた選手じゃないかと思っている。今回、星野選手が連れてきてくれて感謝している。かつて僕の中では、このエル・リバーサル選手をZSTのエースとしてやっていきたいと思っていたので、本当は素顔でやっていただいたほうがいいんじゃないかと思うんですが…。今回は覆面選手ということで…」と遠回しな表現で予測。会見の後半には「宇野薫選手に非常に可愛がられていた選手だと思うんです。所英男との試合とか、非常に良かったと思います」と漏らした。
 星野も「動きはメキシコ仕込みなのかすごくいいんですが、特に必殺技のGO2SLEEPですか? むちゃくちゃ光っていますね。寝技に関しても、全体的になんでもできる選手だと思っているので穴はない。逆にどれを見せてくるのかというのは難しい」とその正体が分かるヒントをポロリ。
 対戦相手は未定だが、25日に行われた「全日本グラップリング選手権」に出場した選手も含め調整中。またこの試合に勝てば宇野、植松組への挑戦も「実力的にはそれに値する、実現したらワクワクする試合にはなる。未決定ですが、視野には入れています」(上原氏)とのことで、今後の展開に注目が集まる。

UFCファンイベントで堀口がKO勝利を約束

2015.08.25 Vol.649

 世界最高峰の総合格闘技団体UFCの日本大会「UFC FIGHT NIGHT JAPAN」(9月27日、さいたまスーパーアリーナ)のファンクラブイベントが24日、都内で開催された。
 イベントには今大会に出場する堀口恭司、UFCファイターの川尻達也、当日解説を務める宇野薫、格闘技好き芸人のユウキロック、ハチミツ二郎、WOWOWでUFC中継の実況を務める高柳謙一氏、堀江ガンツ氏が参加。
 2012年からの3大会を振り返るコーナーでは、2012年当時はまだUFCに参戦していなかった川尻が「チケットを買ってひとりの客として見に行った。さいたまスーパーアリーナが揺れていた。タイトル戦を日本でみられたことは1ファンとしてうれしかった」とフランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン戦がメーンだった2012年大会を振り返った。
 川尻は網膜剥離の手術で1年2カ月欠場していたのだが、6月に復帰戦を行いデニス・シヴァーに判定勝ちを収めた。その映像を見ながら「試合後に下を向いているのは判定勝ちだったから。判定じゃボーナスは無理だなって思いました。やる前からボーナスのことを考えていたし、ボーナスをもらえそうな技を研究していました」と話すと、2014年大会でKO勝ちした堀口は「試合が終わった瞬間にボーナスもらえる、と思ったんですがメーンのハント戦を見て、取られちゃったなと思いました」と語るなど、UFCファイターの裏話を披露した。
 堀口は自らの試合については、前回のジョンソン戦での敗戦を踏まえ「今までは出たとこ勝負だったが、今回は相手の映像を見て研究して、試合に臨む。3Rあるので、その中でしっかりKOで勝ちたい」と力強く宣言した。
 今大会の見所を探るコーナーではメーンのジョシュ・バーネットvsロイ・ネルソン戦については、宇野が「ジョシュの寝技は独特。オーソドックスというかオールドスタイルもできる人」と話せば、川尻は「みんなは柔術をやるんだけど、ジョシュがやっているのはキャッチレスリング。極め方や極めるまでの過程の考え方が全然違う。ロイも寝技は強いから柔術vsキャッチレスリングという見方もできるし、互いに打撃もいいものがあるので、どの局面でも楽しめるのでは」と語った。ちなみに会場のファンの声は圧倒的にジョシュで、日本での人気の高さをうかがわせた。

7・26修斗 のび太が世界フライ級王座初防衛

2015.07.27 Vol.647

 プロフェッショナル修斗の公式戦が26日、東京・後楽園ホールで開催された。
 メーンで行われた世界フライ級チャンピオンシップは王者・内藤のび太が世界ランク3位の挑戦者・澤田龍人を4R4分46秒、肩固めで破り初防衛に成功した。
 内藤は昨年9月に室伏シンヤから王座を奪取して以来の試合。その間、フライ級戦線はアグレッシブに動いていた。
 まずは昨年のインフィニティリーグ。ここでは飛鳥拳と澤田がしのぎを削り、飛鳥が優勝。澤田は準優勝に終わったものの、リーグ戦を通じその実力をファンに大きく印象付けた。
 その一方、世界のベルトに3度挑み、跳ね返され続けた猿丸ジュンジが復活。2連勝でタイトル戦線に再浮上してきた。
 通常なら飛鳥が世界挑戦!となるところなのだが、内藤と飛鳥はパラエストラ松戸の同門とあって挑戦には至らず。
 そこで飛鳥はターゲットを猿丸に変え、5月大会で対戦するのだが、ここで猿丸が1RKO勝利。3連続KO勝ちで一気に挑戦者に浮上し、内藤も試合後リングに現れ猿丸との防衛戦をアピール。しかし猿丸は試合前から足を痛めており、今大会には出場できないことから、澤田に挑戦権が回ってきた。
 こう書くと“棚ボタ”で挑戦権が巡ってきたように見えるが、澤田も2月大会で当時ランキング1位だった正城ユウキに3RTKO勝ちしており、挑戦は時間の問題。今回は松根良太以来の10代での王者誕生という話題もあり、いわば“タイミングの綾”といったところ。
 入場から龍人コールとのび太コールでホールが揺れる。所属するAACCのキッズレスリングの子供たちが澤田の応援に駆け付け、大声援を送るが、内藤の入場曲である『ドラえもんの歌』がかかると、つい笑顔になってしまうのは仕方のないところ。
 試合前には内藤にドラえもん役の声優の水田わさびと、ジャイアン役の木村昴から花束が贈られる。
 試合は1Rから澤田が積極的に打撃で内藤を追い込む。想定外の展開に防戦の内藤。タックルで展開の打破を探るもアマレス出身の澤田はそれを潰しては離れて打撃で勝負する。しかしラウンド終盤にはタックルを潰されてからもぐって片足タックル。ついにグラウンドで上を取り、いつもの“のび太ワールド”に澤田を引きずりこむ。下からパンチを放ち、なんとか脱出した澤田だったが、内藤は再度タックルから上を取り、細かいパンチの連打でなんとか序盤の劣勢を取り戻す。
 2R以降も離れて戦いたい澤田とタックルからグラウンドに持ち込みたい内藤という図式で試合が進む。打撃を当てるのは澤田なのだが、内藤は時にはパンチを被弾しながらも澤田の手を離さず、時にはパンチを交わしタックルを成功させ、とにかくグラウンドへ引きずり込む。
 グラウンドで澤田が上を取りかけても、すぐに体勢を入れ替え、自分に有利なポジションをキープし、こつこつとパウンドや鉄槌を落とし、バックからスリーパーを狙うなどゆさぶりをかける内藤が徐々にペースをつかんでいく。
 1、2R終了後のインターバルではスタミナ回復に時間をかけ、やや不安げな表情を見せた内藤だったが、3R後のインターバルでは落ち着いた表情に。そして、それまではギリギリに装着していたマウスピースを早めに装着し、臨戦態勢をばっちり整え、4Rへ。
 パンチのフェイントからタックルで先手を取る内藤。澤田にとっては未知の領域となる4R目だったが、スタミナ切れを起こすことなく、パンチを放ち必死に立ち上がろうとする。しかし内藤はとにかく引き倒し、サイドについてパンチを放つなど、澤田を削りながら虎視眈々とフィニッシュへ向けたお膳立てを整える。そして残り時間1分30秒、ついに肩固めにとらえ締め上げる。激しくもがく澤田だったが、残り14秒、無念のギブアップとなった。
 試合後、内藤は「自分なんて生きてても死んでてもどっちでもいいような人間だと思うんですけど、みんな楽しんでくれれば別に僕なんてどうでもいいやと思ったんですけど、去年の9月に言って宙ぶらりんのまんまになってる人が1人いるので、砂辺さんと戦おうかなと思ってるんですけど、よろしくお願いします」とパンクラス・フライ級王者の砂辺光久との対戦を口にした。
 会見では1Rの展開について、開口一番「死ぬかと思いました」と語ったうえで「1R終盤に1回上になれたので、それでちょっとだけいけるかなと思いました。あれ(打撃)が続いていたら…。まあその後もしんどかったですけど…。(フィニッシュになった肩固めについては)あれはぎりぎり。外れたら、結構力を使っちゃっていたので、逆にやられていたと思います。本当はちゃんと打撃もやりたかったんですが、完全に押し込まれた。ホント殴られました。痛かったです。(タックルの場面では)ホントにクラッチを切ったら死ぬと思ったので、僕も必死だった。あんなに打撃でくるとは思っていなかったので、びっくりしたし、すごかった。痛かったです」と振り返った。

7・26修斗 のび太vs澤田の世界フライ級戦決定 宇野薫も参戦

2015.06.11 Vol.644

 プロフェッショナル修斗公式戦7月26日後楽園ホール大会のカード発表会見が10日、都内で行われ、世界フライ級チャンピオンシップ、王者・内藤のび太vs挑戦者・澤田龍人戦が発表された。
 内藤は昨年9月に室伏シンヤを破り、王座に就いて以来の試合で初防衛戦となる。フライ級は昨年行われたインフィニティリーグで内藤と同門の飛鳥拳が優勝。しかし内藤、飛鳥ともに同門対決を望まなかったことから防衛戦が行われていなかった。
 この間、過去にタイトル挑戦の経験もある猿丸ジュンジが2連勝。そして5月の後楽園大会では飛鳥を1RKOで破り挑戦権を得たものの、試合前に負った怪我により今回は挑戦を辞退。今回、澤田の挑戦が実現した。もっとも澤田はインフィニティリーグで飛鳥に敗れ2位に終わったものの、今年2月の新宿大会で当時ランキング1位だった正城ユウキをKOで破り、現在は同級3位の実力者。近い段階でのタイトル挑戦も予想されていた。
 会見には例のごとくジャイアン貴裕同伴で出席した内藤。まずはジャイアンが「やっと巡ってきた初防衛戦ってことで、のび太も気合が入っている。澤田選手が弱冠19歳でここまで来たのは凄いが、のび太の歩んできた人生に比べれば薄っぺらいですね。のび太がこれまでどれだけ虐げられてきたかを思えば大したことないです」と代弁すると、内藤は「だいたいそんな感じです…」とポツリ。
 一方、澤田は「のび太選手は強いんですけど、修斗を盛り上げていないと思うので、僕がベルトを取って修斗、そして格闘技界を盛り上げたい」と語った。
 試合についてはジャイアンが「のび太はスタミナの化け物なんで、5分5Rの勝負なら誰も勝てません。目くるめく、のび太ワールドを澤田選手にはみっちり味わってもらおうと、のび太は言ってます」と代弁すると澤田は「スタミナが凄いあって粘り強い印象。本当は5R戦いたいんですけど、疲れちゃうんで、早めに一本を取りに行きたい」と語った。
 キャラにばかり目がいってしまうが内藤は現在無敗の実力者。一方の澤田は松根良太以来の10代での世界王者を狙う逸材。今年はどの団体でもフライ級戦線が活発だが、そのなかでもいろいろな意味で話題を集める一戦となりそうだ。

ZST.46 柏崎が絶対王者・藤原破り第2代バンタム級王者に輝く

2015.05.25 Vol.643

 総合格闘技「ZST.46」が24日、東京・ディファ有明で開催され、メーンで行われたZSTバンタム級タイトルマッチで、挑戦者・柏崎剛が王者・藤原敬典を3-0の判定で破り第2代王者に輝いた。
 藤原はこれまで4度の防衛に成功し、“絶対王者”とも称されるZSTのエース。柏崎は弱冠19歳で“ZST超新世代のエース”と期待される存在。プロデビュー以来無敗でこのステージに上がってきた。
 柏崎は1R序盤に右ストレートで藤原からフラッシュダウンを奪うと、その後もタックルからテイクダウン。藤原がコーナーを利してスタンドに戻しても、執拗にタックルを仕掛け、足を払ってテイクダウンに成功するなど、主導権を握る。2Rも同様の展開で柏崎がグラウンドで圧倒するとコーナーに戻った藤原にはやや焦りの表情が浮かんだ。3Rは序盤から藤原の打撃が当たり始め、ペースを取り戻すが、柏崎は終盤、タックルからテイクダウンを奪い、なんとか持ちこたえる。4Rも藤原の打撃でひやりとする場面もあったが、やはりパンチをかいくぐってのタックルでテイクダウンを奪い、完全には主導権は渡さない。柏崎は5Rもタックルで藤原の打撃をしのぎ切り、最後はパウンドでまとめ、判定で勝利を収めた。
柏崎は試合後「これからはフライ級王者の(伊藤)盛一郎さんとZSTを全盛期みたいにします。目標はK-1と同じ代々木体育館でやることです」と新世代のエースとしての目標を掲げた。
 セミファイナルではZSTウェルター級タイトルマッチが行われ、王者・濱岸正幸が高橋弘を3-0の判定で破り、初防衛に成功した。
 今回の防衛戦はもともとは山田崇太郎が挑戦するはずだったのだが、美輪明宏の舞台『黒蜥蜴』への出演と重なったため、挑戦者が高橋に変更されたという経緯があった。
 濱岸の投げと寝技、高橋の打撃と焦点のはっきりとした試合。ジャッジ三者が50-45のフルマークと結果的には濱岸が圧倒したが、随所で放たれる高橋のパンチを食らい顔面を腫らした濱岸は試合後「毎回こういう試合になってしまう。もっと一本で勝てるように練習を頑張ります」と反省の弁だった。

ZST 5・24「GTタッグ決勝」へ向け戸井田が”宇野越え”への思いを語る

2015.04.13 Vol.640

 総合格闘技「ZST.45」の一夜明け会見が13日、都内で開催され、前日行われた「第二代GT(グラップリング)タッグ王者決定トーナメント」準決勝で牧野仁史、太田裕之組を破り「ZST.46」(5月24日、東京・ディファ有明)で行われる決勝に進出した戸井田カツヤ、齊藤曜組が登壇した。対戦する宇野薫、植松直哉が欠席したため、会見は戸井田の独壇場となった。
 戸井田は「昨日は非常に厳しい試合でしたが勝利することができた。予定通りといえば予定通りの結果だったのではないかと思う。牧野選手、太田選手とも強くて自分もギリギリまで追い込まれましたが、パートナーの(齊藤)曜が非常にいい戦いを見せてくれた。次は自分の大先輩である宇野さんとやることができる。それに勝ってベルトを巻いて、(トーナメントに参戦した)本当の意味があると思うので、次が本番だと思って、練習して、もっといいパフォーマンスを見せられるようにしたい」と語る。
 ここで2人の間に座る上原譲代表を経由して齊藤にマイクが渡るが、やはり戸井田がマイクを奪い取り「“首を洗って待ってろ”って言ってます」と勝手に代弁。今回のトーナメントの会見で恒例となったパフォーマンスが展開される。
 また質疑応答で、戸井田は準決勝で対戦した牧野、太田について「予想通り防御力が高かった。特に極められる怖さはなかった。防御してカウンターを取るというスタイル。これまで2回対戦しているが非常にやりにくい相手。ただあのスタイルでは勝てない。もっと勝てるようなスタイルに変えていかないと、今回出場したどの選手とやっても厳しいと思う。肌を合わせて実力的には強いということは分かっているだけに、もったいない」と自らジムを持ち、指導者としての顔も持つ戸井田ならではの見方で試合を振り返ったうえで「ギロチンで仕留められなくて大変残念だ」と勝手に齊藤の言葉を代弁する。

ZST.45  GTタッグ王者決定トーナメントで宇野組と戸井田組が決勝進出

2015.04.13 Vol.640

 総合格闘技「ZST.45」が12日、東京・新宿FACEで開催。「第二代GT(グラップリング)タッグ王者決定トーナメント」の準決勝2試合が行われ、戸井田カツヤ、齊藤曜組と宇野薫、植松直哉組が勝ち上がり、「ZST.46」(5月24日、東京・ディファ有明)で行われる決勝に駒を進めた。
 総合格闘技でタッグマッチというZSTならではの試合形式。ルールは15分一本勝負。タッチは5回まで。時間内に勝敗がつかない場合はジャッジ3人による判定となる。
 戸井田、齊藤組はZST代表チームである牧野仁史、太田裕之組と対戦。参戦会見からその独特な話術とたたずまいで他チームを翻弄してきた戸井田、齊藤と「ZSTのグラップリングが一番すごいことを証明したい」という思いを持つ牧野、太田という、ある意味水と油の2チーム。
 戸井田組はじゃんけんで先発を決めるパフォーマンスで戸井田、ZST組は牧野が先発で試合が始まった。
 握手を求めてきた牧野の腕をいきなり極めにいくなど、ゴングが鳴ると戸井田も試合モードに切り替わる。5回のタッチをいかに使うかも勝敗を左右するこの試合形式。現役から離れておりスタミナに不安のある戸井田は齊藤に任せる時間を長くし、自らは要所を締める作戦を取る。しかしコーナーに控えているときも「俺、もうタッチしないから極めちゃえ~」 といった“口撃”で参加。揚げ句に“牧野コール”を要請するなど、会場をトイカツワールドに染め上げる。ギロチンチョークのイメージが強い齊藤も、足関節で牧野と渡り合うなど優勢に試合を進め、判定で勝利を収めた。
 牧野、太田もそれぞれ得意の足関節、腕関節を繰り出し、中盤には太田が戸井田をフロントチョークでタップ寸前まで追い込む場面もあった。試合後もまだまだ体力が残っていることをアピールしたが、老練な戸井田の作戦にペースを狂わされた格好で、準決勝で姿を消すこととなった。
 宇野、植松組は勝村周一朗、伊藤盛一郎の師弟タッグと対戦。ベテラン3人に先日ZSTフライ級王者となった伊藤が交じってどんな戦いが展開されるのか、興味深い一戦となった。
 先発は宇野と伊藤。圧倒的にキャリアで勝る宇野が細かい動きでペースを探ろうとすると、伊藤は飛びつき逆十字を狙うなど躍動感あふれる動きで“らしさ”を見せる。しかしこの試合に最も“らしさ”を見せたのは植松だった。伊藤を足払いで転がし熱くさせるやバックを奪い瞬時にバックドロップで投げ捨てるなど、“国内一の技術”といわれる動きで若い伊藤を翻弄。ゴング間際には足関節を極めにかかるなど、不安視されていたスタミナも問題なく15分を戦いきった。極めかけている段階でタッチされるなど一本を取ることはできなかったが、判定で勝利を収め、決勝に駒を進めた。

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