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安倍元総理が掲げた“美しき国、日本”の影に迫るドキュメンタリー映画『妖怪の孫』公開決定

2023.01.30 Vol.web original

 安倍晋三元総理の生い立ちから、アベ政治の総括までに切り込むドキュメンタリー映画『妖怪の孫』が3月17日から公開となる。

 日本アカデミー賞作品『新聞記者』などを手がけた映画会社スターサンズと、当時現役総理だった菅義偉前首相の素顔に迫った『パンケーキを毒見する』の内山雄人監督が、満を持して“日本の真の影”に切り込む政治ドキュメンタリー。

 連続在任日数2822日という歴代最長在任を誇り、総理退任後も凶弾に倒れるまで大きな影響力を維持し続けた安倍晋三元総理大臣。

“美しき国、日本”をスローガンに掲げていた安倍元総理とはいったい何者であったのか。この国に遺したものは何だったのか。

 映画では「昭和の妖怪」という異名をとった祖父・岸信介とのつながりや生い立ちの秘密にも迫りながら、今なお究明されていない事件や旧統一教会との本当の関係性にも切り込み、アべ政権の真実を追っていく。

 3月17日より全国公開。

【News Pick up July-September】エリザベス英女王が死去/自民党議員と旧統一教会/為替介入

2022.10.04 Vol.752

エリザベス英女王が死去。昨年死去したフィリップ殿下とともに眠る

 英国のエリザベス女王が9月8日、静養中だったスコットランド・バルモラル城で死去した。96歳だった。女王はイギリスの君主として歴代最長となる70年にわたって在位していた。

 女王が眠る棺を乗せた霊柩車は11日にバルモラル城を出発し、スコットランドのエディンバラに向かった。沿道では多くの国民がその車列を見守った。女王の棺はホリールードハウス宮殿で一晩安置され、12日には市内のセント・ジャイルズ大聖堂に移された。安置されている13日までに多くの国民が弔問に訪れた。その後、空路で移送された棺は14〜19日までウェストミンスター宮殿に安置され、ここでも多くの国民が弔問に訪れた。19日には隣接するウェストミンスター寺院で国葬が行われ、各国の要人など2000人以上が参列した。葬儀の後、埋葬先のウィンザー城に向かう沿道でも大勢の人々が集まり弔意を示した。

 女王の棺は昨年4月に亡くなったフィリップ殿下とともにセントジョージ礼拝堂の一角に埋葬された。女王とフィリップ殿下は生前「どちらが先に亡くなっても一緒に埋葬されるまで待つ」と約束していたとのことで、殿下の遺体は埋葬されずに礼拝堂内に一時保管されていた。

追悼:戦略的思考を貫いた大宰相・安倍晋三【長島昭久のリアリズム】

2022.08.10 Vol.web Original

 安倍晋三元総理が凶弾に斃れてから一か月というもの、途轍もない喪失感をどうすることもできません。安倍さんとの出会いは国会議員2期目の終わりころ。当時は政党が異なっていたこともあり遠くから眺めるばかりでしたが、ある時、ワシントン留学時代からご指導いただいてきた岡崎久彦元駐タイ大使からお声を掛けていただき外交の勉強会でご一緒することになりました。ちょうど民主党政権が誕生する前の春ごろだったと思います。当時の安倍さんは雌伏の時にありましたが、日米同盟や対中戦略について非常に鋭く広い視野から縦横に語っておられたのが強く印象に残っています。私も、岡崎門下生の端くれとしての自負もあり、ずいぶんと生意気に議論を吹っかけていましたが、今となっては恥じ入るばかりです。そんな岡崎大使との関係に沿って、安倍さんの戦略的思考について振り返ってみたいと思います。

 勉強会での議論の最大の焦点は、台頭著しい中国とどう向き合うべきか。それに対する安倍さんの戦略的思考は明快でした。まず、基軸である日米同盟を強化して外交・安全保障の足場を固める。その上で、太平洋の南に位置する豪州とマラッカ海峡で繋がるインド洋を臨むインドとの連携を進め安全保障のダイヤモンド(日米豪印)で戦略的土台を補強する。これは、第一次政権の2007年、インド国会で行った「二つの海の交わり」演説で描いた構想ですが、後にQUADとして結実します。その上で、ユーラシアにおける中露二大国の分断を図り、中国との間に戦略的互恵関係を築いてインド太平洋地域に平和と安定を確立するというものです。この戦略構想が、第二次政権の約8年で現実のものとなり、それが日本の戦略だけでなく米国と共有され日米同盟のインド太平洋戦略となり(なんとハワイの米太平洋軍も「インド太平洋軍」と改称されました!)、「自由で開かれたインド太平洋」(Free and Open Indo-Pacific, FOIP)というコンセプトが世界各国に広がったのです。日本の政治指導者が唱えた構想が米国はじめ世界で共有されるなどというのは、有史以来初めてのことといっても過言でないと思います。

 そのために、外交・安保政策遂行の司令塔である国家安全保障会議(NSC)を内閣官房に創設し、国家秘密を保護する法制を成立させ、同盟強化のため集団的自衛権の行使容認を断行。安倍総理は、これら一連の安全保障の構造改革を内閣支持率を10ポイントも減らしながら成し遂げたのです。ちなみに、悲願の集団的自衛権行使容認の閣議決定を見届けて、岡崎久彦大使は2014年10月26日、安らかに天に召されました。安倍外交はその後もエンジン全開。懸案だった韓国との慰安婦問題を解決し、ロシア外交を活発化させ中露分断を実現、米国離脱後のTPP-11を完成させ、さらには不確実性の連続だったトランプ政権の衝撃から日米同盟を守り抜き、EUを離脱した英国との関係強化をインド太平洋戦略に連接したのです。そして、対中戦略外交における最後に残されたピースが「台湾海峡の現状維持」でした。台湾の行く末については、晩年の岡崎大使が最も心を砕いておられましたが、総理を退いた後の安倍さんが最優先に取り組もうとされていた外交課題が台湾問題であった、と私は確信しています。

 時あたかも台湾海峡をめぐる緊張が急激に高まっています。台湾の自由と民主主義を守り抜けるかどうかが、東アジア、延いてはインド太平洋地域における永続的な平和と安定の行方を左右する試金石です。そして、それこそが、私にとり岡崎大使と安倍さんから託された最大の使命であると密かに自認し、政治生命を賭けて取り組む覚悟です。(衆議院議員 長島昭久)

安倍元首相、永田町に別れを告げる。献花台の列は500m超

2022.07.12 Vol.Web original

 参院選の応援演説中に銃撃を受け亡くなった安倍晋三元首相の告別式が12日、都内で営まれ、多くの人がその死を悼んだ。

 葬儀場となった港区・増上寺には、朝から多くの人が一般献花に訪れた。今朝は9時〜15時まで献花を受け付ける予定だったが、予想を上回る多くの人が訪れたことから、昼過ぎには締め切られた。

 自民党本部前に設けられた献花台にも多くの人が記帳と献花に訪れた。スーツ姿のサラリーマンや、学生、親に手を引かれながら歩く子どもたち、ベビーカーをひく母親の姿など、さまざまな年代の人が花束を抱え、献花台の前で手を合わせていた。

 訪れた女性は「仕事の合間にどうしても足を運びたくて」と話す。16時の時点で献花台に向かう弔問客の列は500m以上に及んでいた。

 葬列は、1437分に増上寺を出発し、1454分頃に自民党本部前、国会議事堂前など、永田町周辺を通過。1502分頃には長年、政治活動の舞台としてきた首相官邸正門前を通り、政界に最期の別れを告げた。

安倍晋三元首相が奈良市内で撃たれ死去

2022.07.08 Vol.Web Original

 安倍晋三元首相が7月8日、死去した。67歳だった。安倍氏はこの日、奈良県奈良市の近鉄大和西大寺駅付近で参議院選挙に自民党から立候補した佐藤啓氏の応援演説を行っていた際に、銃撃された。病院に搬送されたものの、息を引き取った。

 警察は殺人未遂の現行犯で奈良県在住の山上徹也容疑者(41)を逮捕。同容疑者は銃撃後、逃げることなくその場で身柄を確保されたという。

 安倍氏は1991年に急死した元外務大臣の父・安倍晋太郎氏の地盤を引き継ぎ、第40回衆議院議員総選挙に山口1区から出馬し初当選。2000年の第2次森内閣で内閣官房副長官に就任。続く第1次小泉内閣でも再任した。2003年には小泉氏によって自民党の幹事長に抜擢される。2005年には第3次小泉改造内閣で内閣官房長官として初入閣した。

 小泉首相の任期満了に伴い2006年9月に行われた自民党総裁選に出馬し麻生太郎氏と谷垣禎一氏を破って総裁に就任。その後の臨時国会で内閣総理大臣に指名された。戦後最年少で、戦後生まれとしては初めての内閣総理大臣だった。

【今月の一言】安倍晋三前首相、金正恩、松井一郎代表、菅義偉首相 他

2021.05.13 Vol.741

 安倍晋三前首相「菅義偉首相を一議員として全力で支えることが私の使命だ」(5月3日夜、BSフジの『BSフジLIVE プライムニュース』で)
→いや、モリカケの問題をちゃんとするのが使命やろ。

 安倍晋三前首相が東京五輪・パラリンピックについて「菅義偉首相や東京都の小池百合子知事を含め、オールジャパンで対応すれば何とか開催できると思う」(5月3日夜、BSフジの『BSフジLIVE プライムニュース』で)
→言うだけは簡単。

 日本維新の会の足立康史氏「立民や共産党に常識は通用しない」(5月3日、憲法改正を訴える公開憲法フォーラム「この憲法で国家の危機を乗り越えられるのか!-感染症・大地震・尖閣-」で)
→維新に言われてもなあ(笑)。

 菅義偉首相が憲法改正について「時代にそぐわない部分、不足している部分は改正していくべきではないか」(5月3日、憲法改正を求める団体が開いた集会へ寄せたビデオメッセージで)
→仕事のできない奴ほど権限を欲しがる。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長韓国で北朝鮮体制を批判するビラ散布が行われたことに対し「深刻な挑発と受け止め、相応の行動を検討する」(5月2日に談話を発表)→「南側のゴミども」「これ以上放っておけない」といった発言も…。

 日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)が新型コロナウイルスの感染拡大を受け「私権制限についても議論すべき」「要請だけでは一人一人の行動を止めていくということは非常に困難だと今回はっきりした」(4月30日、市役所での記者会見で)
→なに寝ぼけたこと言うてんねん。ちゃんとした補償がないからやろ。

 近藤真彦がジャニーズ事務所退所にあたり「ありがとうジャニーズ ありがとう素敵な後輩達 ありがとうジャニーさん」(4月30日、自身の公式サイトで発表したコメントで)
→メリーさんやジュリーさんには?

安倍氏が「虚偽答弁」を謝罪

2021.01.10 Vol.737

NEWS HEADLINE[PHOTO OF THE MONTH]2020.12.11〜2021.1.7
 目で見るニュース、気になるキーワードの解説、話題を集めた発言などなど、使えるニュースをよりコンパクトにお届け!!

【2020年振り返り 9月編】菅官房長官が総裁選制し第99代内閣総理大臣に。アメリカ大統領選ではテレビ討論会が始まるも…

2020.12.30 Vol.Web Original

 8月28日の安倍晋三首相の辞意表明に伴い、自民党の総裁選が行われ、菅義偉官房長官が石破茂、岸田文雄の両氏を破り新総裁に選出された。同時期に旧・立憲民主党と旧・国民民主党の合流賛成派の議員らが合流し、新「立憲民主党」が誕生。衆参150人の野党第1党となった。

【2020年振り返り 8月編】安倍晋三首相がまさかの退陣。大坂なおみが相次ぐ黒人への暴力や銃撃に抗議の意思示す

2020.12.29 Vol.Web Original

 安倍晋三首相がが辞意表明するという激震が走った8月。17日には安倍氏が検査のため慶応大学病院に約7時間半滞在するなど、健康不安説が流れてはいたものの、「安倍一強」の政治情勢の中、辞任に至ると予想した向きはそう多くはなかった。アメリカで頻繁に起こる警官の黒人への暴力や銃撃にテニスの大坂なおみが抗議の棄権や、亡くなった黒人の名前をプリントしたマスクで入場したのもこの月だった。

【今月の一言】枝野幸男代表、安倍晋三前首相、吉村洋文知事

2020.12.16 Vol.736

 立憲民主党の枝野幸男代表が、新型コロナウイルス対策としての予備費約3700億円の大半を「Go Toキャンペーン」の継続にあてる政府の方針について「医療関係の支援に回るのかと思ったら、この局面でその話か(12月8日の党会合で)
→今に始まったことじゃない。

 大阪府の吉村洋文知事が新型コロナウイルス感染が拡大する中での年末年始の帰省について「できるだけ分散し、できれば帰省を控えてもらいたい」(12月8日、府庁で記者団に)
→できれば住民投票も控えてもらいたかった。

 安倍晋三前首相が「桜を見る会」前夜祭問題について「まさに今、捜査が行われておりまして、その結論が出る前に、今、申し上げるのは適切ではないと思いますので、お答えを差し控えさせていただきたい」(12月4日、国会内で記者団に)
→捜査には何の支障もないですけどね。

7年8カ月にわたる安倍政権。いったい何を残してくれたのか?

2020.08.29 Vol.Web Original

持病の潰瘍性大腸炎が再発

 安倍晋三首相が8月28日夕、首相官邸で会見を開き、突然の辞任を表明した。連続在職日数が憲政史上最長となってから4日の出来事だった。

 辞任の理由は持病の潰瘍性大腸炎の再発。くしくも2007年の辞任時に「政権放り出し」といわれた時と同じ原因だった。

 安倍氏は2006年に総理大臣となったものの2007年に辞任。2012年に再び総理に就任し、今月24日に連続在職日数が歴代最長の2799日となり、大叔父の佐藤栄作元首相を抜いて単独1位になった。

 この日の会見は前日までは感染拡大が続く新型コロナウイルスに関することがメインだと思われていたが、当日になって状況は一変。午後に「辞意固める」というニュース速報が流れた。

 第二次安倍政権の7年8カ月を振り返ると、この間に行われた国政選挙で6連勝と圧倒的な強さを見せた。これは大胆な金融緩和をてことした経済政策である「アベノミクス」で幅広い層から支持を集めたことが大きい。アベノミクスは経済成長を促し、株価を大きく引き上げた。

 もっともアベノミクスについては「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「成長戦略」を3本の矢としていたのだが、途中から勢いが衰えた感は否めない。確かに企業の業績や雇用情勢などは改善された。しかし家計においては富裕層の所得は増えたが、中間層以下の所得は減少するなど庶民には大きな恩恵があったとは言い難い結果となっている。

 とはいえ選挙での圧倒的な強さから自民党内では「安倍一強」という盤石な地盤を作ることに成功。これまで2期6年までだった総裁任期を2017年に3期9年に延ばし、我が世の春を謳歌した。

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