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上白石萌音がロンドンの観客に感謝の英語スピーチ!舞台『千と千尋の神隠し』英国での大千穐楽に4人の千尋がコメント

2024.08.30 Vol.web orignal

 舞台『千と千尋の神隠し』ロンドン公演が24日に大千穐(秋)楽を迎え、主人公・千尋を演じた橋本環奈、上白石萌音、川栄李奈、福地桃子が感動のコメントを寄せた。

 宮﨑駿監督による大ヒットアニメーション映画を原作に、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛けた舞台。国内ツアーと並行して今年4月から英国のロンドン・コロシアムで上演。日本人キャストによる日本語での海外上演としては演劇史上最大規模となり、現地でも大いに話題を呼んだ。

 ロンドンで135公演を走り切った千尋役の4人。橋本環奈は初めてロンドンの舞台に立った感動を振り返りつつ「まさか日本を飛び出しロンドンで海外のお客様をお迎えしての公演が実現するとは」と感慨を語り「多くの困難があった開演までの道程と、それを乗り越え日本のみならず海外のスタッフの皆さんと一つになって作り上げたこの作品は、私にとって千尋が神隠しにあうのと同様、異世界に放たれ、多くの事を与えて頂き、成長させてくれました」とロンドン公演の観客やカンパニーへ感謝のコメント。

 上白石萌音はロンドン公演を「夢のようで、でも確かに一歩一歩を踏み締めた時間でした」と振り返り「ロンドンでは、言葉や文化を超えてカンパニーが家族になりました。どんなに大変な時も楽しく朗らかに仕事をする現地スタッフの皆さんからの学びは本当に大きかったです。大千穐楽後に日英のキャストスタッフ全員で三本締めをしたのですが、その音色が寸分の狂いもなく揃っていたことが、まさにこの4カ月半を表しているようでした」と現地スタッフとのチームワークにも感激。

 川栄李奈は「2024年の半分以上をこの作品に捧げたので、終わった今、夢の中にいたような不思議な感覚で、まさに千と千尋の神隠しのストーリーと重なる部分があり、たくさんの愛と温かさに支えられていたんだなと思います」と振り返り「夢のような一生忘れられない景色を見させていただきました」と感謝。

 福地桃子は「長い旅が終わってしまう寂しさもありますが、この9ヶ月間を振り返ると稽古から本番までの期間過ごした日々で感じたことは心に残る大切な思い出ばかりです」と全公演を終えた心境を語り「出逢えた気持ちを大切に忘れぬように心に刻んでいきたい」。

 2024年公演の大千穐楽となった8月24日の夜公演で千尋役を務めた上白石は、鳴りやまないカーテンコールの拍手に感激しつつ英語で現地の観客に感謝し「皆さまのおかげでこの4カ月半、素晴らしい旅になりました。いつかまたお会いできることを願っています」。最後は日本語で「ありがとうございました!」と元気いっぱいに締めくくった上白石とカンパニーにロンドンの観客が拍手喝さい。カーテンコールの後もエンディングの音楽に合わせ手拍子が鳴り響いていた。

 他にも現地映像では、舞台裏に戻った上白石が涙を流す姿や現地スタッフと喜び合う姿、日本組と現地スタッフの一糸乱れぬ三本締めの様子がとらえられており、ロンドン公演の大成功を伝えている。

Photo © Ellie Kurttz
ロンドン公演(千尋役:橋本環奈)撮影:Johan Persson
ロンドン公演(千尋役:上白石萌音)撮影:Johan Persson

 

帝劇公演3月(千尋役:川栄李奈)

 

帝劇公演3月(千尋役:福地桃子

 

あのスタジオジブリに潜入! 『夢と狂気の王国』 監督・砂田麻美

2014.05.24 Vol.618

 世界中で愛される作品を生み出すスタジオジブリにカメラが潜入!メガホンをとったのは、ガン宣告を受けた父の日常をカメラでとらえた『エンディングノート』の砂田麻美監督。約1年にもわたってジブリに通いながら、知られざるその日常に迫った話題作だ。

 砂田監督がカメラを向けたのは、宮崎駿の『風立ちぬ』と高畑勲の『かぐや姫の物語』の同年公開に向けて準備を進めている真っ最中。「宮崎監督、高畑監督、鈴木プロデューサーの3人をはじめジブリの人々が夢を追求する姿はときに、狂気にも似た情熱を感じました」。そう振り返る砂田監督だが、そのカメラはあくまで淡々と“ジブリの日常”をとらえ続ける。「作り手たちの日常には、目をこらさなくては見えない何かが日々起きています。でもそれを“事件”としてカメラで追う、という撮影をするつもりは最初から無かったですね。実際に、スタジオジブリの中はとても静かで平和的。私はあくまで“見学を許された者”として、その空気を忠実に切り取りたかったんです」。とはいえこの“淡々さ”の陰には、彼女の映像監督としての鋭い感覚や確固たる意志がある。日常を映しているのに、いつしかジブリの人々に圧倒されるのは、砂田監督が“その瞬間”を逃さないからだ。

「常に撮影していたわけじゃないんです。まったくカメラを回さないときもありました。私はドキュメンタリー監督として、ずっとカメラを回しているのは愚かなことだと思っているんです。それなら定点カメラでも一緒ですから。一番大事なことをとらえてこそ意味がある。ただ一度、妙な気遣いをして自分でカメラを回さなかったときがあって。そのときは鈴木さんに叱られて涙しました。私にとってはまさに“ジブリ道場”。人間的にも映像の作り手としても修練の場でしたね」。ジブリの日常、その新鮮な驚きと感動を共有できるのは砂田監督の“狂気”のおかげだ。

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