世界遺産の富岡製糸場(群馬県富岡市)の国宝「西置繭所」が3日、グランドオープンする。
富岡製糸場全体の保存整備計画のなかで「西置繭所」は最初の本格的保存整備事業として着手、積極的な活用との両立を目指し、文化財として保存する一方で、ギャラリー(資料展示室)と多目的ホールが整備された。
2日、 グランドオープンに先立って行われた記念式典では、繭の貯蔵庫として使用されていた国宝「西置繭所」にちなんで、くす玉ならぬオリジナルの巨大な繭玉を割って祝い、多目的ホールでは鏡開きが行われた。
3日には、「西置繭所」の音声ガイドのひとつを担当する浪曲師の玉川太福による浪曲の披露、高崎市出身の画家上原菜摘による富岡製糸場をテーマにしたライブペインティングパフォーマンスが行われる。4日も富岡製糸場を舞台にした演劇「結び~昭和30年代の富岡製糸場~」の公演がある。今後も11日には、世界的オルガニストの橘ゆりによる電子オルガンコンサート、17日と18日には映画『紅い襷~富岡製糸場物語~』の上映会などが予定されている。
富岡製糸場は 明治年に官営模範工場として操業を開始した器械製糸工場。平成26年にユネスコ「世界遺産一覧表」に記載され、同年、繰糸所と東西2棟の置繭所が国宝に指定された。