このコラムでは、国内外のSDGsの17のカテゴリーから、毎回、教育、ライフスタイル、アート、スポーツ、ビジネスなどの最新情報を元に、 “日本一わかりやすいSDGsの紹介”を目指して連載しています。
寺尾聖一郎 タグーの記事一覧
世界唯一!アート界のパラリンピアン・浦上秀樹さんが「こころMojiアート」展を開催【寺尾聖一郎の「SDGsなライフシフト」】
このコラムでは、国内外のSDGsの最新情報を元に、17のSDGsのカテゴリーから毎回、教育、ライフスタイル、アート、スポーツ、ビジネスなどから“日本一わかりやすいSDGSの紹介”を目指して連載しています。
黒船EV車テスラの破壊的イノベーションで変わる世界の自動車産業【寺尾聖一郎の「SDGsなライフシフト」】
このコラムでは、国内外のSDGsの最新情報を元に、17のSDGsのカテゴリーから毎回スポットを当て、教育、ライフスタイル、ビジネスなど“日本一わかりやすいSDGsコラム”を目指して連載しています。
こんにちは、今回のテーマは時価総額最上位に上り出た、イーロン・マスク氏率いるテスラのEV自動車の実態について、その体験をもとにレポートさせていただきます。
EV元年本格到来
今年に入ってEV自動車の注目が加速していますが、最先端を走る米テスラ社のモデル3は既に6カ月待ち状態が続いています。
◆テスラの車は一体何が違うのか?
設計思想が過去の車と全く異なるので、いくつか特徴を挙げてみます。
1)家庭のガレージで充電ができる(もうガソリンスタンドには行かなくて良い)
2)定期的に車がアップデートされる。(Wifiを通じて購入後も進化し続ける)
3)故障も寝ている間に故障も治っている。(ディーラーで修理という発想がない)
4)スマートフォンでほぼ全て完結(注文、購入、エンジン起動、温度調節、車庫入れなど)
5)全自動運転機能が既に内装されている(約85万のオプションでレベル5へのアップデートが可能)
6)ペットにやさしい「ドッグモード(外出中の車内温度キープ)」がついている。(TOP写真)
7)AIの活用で世界中のドライブデータが日々アップデートされている。
その他スピードや充電速度などその他の特徴を記載しきれませんが、確かに、1度経験すると、通常の車には戻れないオーナーの気持ちがよくわかります。例えるならば、スマホを手にした時のサプライズに近いと思います。
一言でいえば、この車は「タイヤのついたスマホ」と言われるのも納得します。
今までの車は、その車種ごとに、機能が限定し、進化した機能は新車に乗り換えるしか手段がありませんでしたが、テスラの場合は、1度購入すると常にこのアップデートされて行くので、常に最新のバージョンに乗ることができます。
◆EVシフトするEU諸国は日本より15年~20年先に進んでいる。
2021年7月14日、日本の自動車業界に衝撃のニュースが走りました。2050年までにEU域内で温室効果ガス排出をゼロにするという内容。つまり、CO2などの温室効果ガスを、2030年までに1990年比で少なくとも55%削減し、2035年までに100%削減という厳しい内容。これにより、ヨーロッパでは2035年までにガソリン車とディーゼル車の販売は禁止され、ハイブリッド車(HEV)についても事実上、販売禁止という規制です。世界各国でも米カリフォルニア州ZEV法で「2035年までに新車販売禁止」を筆頭に、中国の新エネルギー車政策、など各国でも電動車シフトを掲げてきています。
◆日本自動車業界のEV状況
では日本は、どうか?というと菅政権の重要政策で2020年12月に公表された「グリーン成長戦略」では2050年カーボンニュートラル社会の実現可能性を上げていますが、EUに比べると15年もの時差が生じていいます。
◆日本の各社の動き
トヨタの場合:累計1700万台のハイブリッド車を生産しているトヨタは5月12日に先立って2030年までに電動車の世界販売台数を800万台程度とする新たな目標を発表し、新車販売の約8割を電動車に置き換える宣言をしている。
日産の場合:世界に先駆けた日産と言えば、リーフという電気自動車を世界に先駆けて一般発売され、革新的で未来的なEV(電気自動車)として、2010年12月に誕生しましたが実は日産の電気自動車の歴史は長く1947年から電気自動車を発売していた。
ほとんど知られていない歴史ですよね。
◆日産のEV販売はなんと1947年!
1947年といえば、終戦直後はひどい石油不足で、電力供給は過剰ぎみだったために、政府も電気自動車の生産を奨励した時代がありました。そうした時代に登場した「たま」は、商工省の性能試験でカタログ性能を上回る航続距離96.3km、最高速度35.2km/hの好成績を収め、当時はすごく評判になりました。昭和25年頃までタクシーなどに使われていました(公式HPより)。日本のEV自動車産業は世界先駆けだったのです。
トヨタのプリウスが世界で発売され、海外セレブやハリウッド俳優がプリウスに乗り換えることが最先端のエコアクションとして、世界的に大ブレークしたことは記憶に新しいと思います。私も2011年から乗り続けたプリウスを、今年手放しましたが、走行距離16万キロ、リッター22キロの燃費を常に維持しつつ、一度も故障したことがない本当に優れた車でした。
◆テスラはどこへ行く?
2003年にテスラ(Tesla)は創業。バッテリー式電気自動車と、電気自動車関連商品に特化して、開発・製造・販売している自動車メーカーです。社名の「テスラ」は、電気技師で発明家の、「ニコラ・テスラ」に由来していますが、本社所在地はカリフォルニア州シリコンバレー。アメリカの電子マネー決済運営会社「PayPal」の創業メンバーであるイ―ロン・マスク氏が、テスラ・モーターズのCEOに就任したのは2008年のことです。
◆テスラモデル3の大幅値下げ額は150万円!(650万円→500万円へ)
人類にとって持続可能な未来を実現するために、マスク氏は電気自動車に特化したテスラに、多大な資金を投資して、現在まで新しい電気自動車を次々に発売してきました。結果、テスラの時価総額は2021年4月の時点で世界8位まで上がっています。その膨大な資金力で世界販売への加速を止めないテスラはついに、今年の3月、日本市場で、一番人気車種テスラモデル3ロングレンジの大幅な値下げを仕掛けてきました。その値下げ額は約150万円。つまり、500万円で購入でき、さらにEV助成金などを差し引くと、411万円で購入できるのです。EV自動車のネックだった走行距離も現在のモデル3のロングレンジは590キロ走行可能で、上位クラスのモデルSは走行距離647キロ可能ですので1回の高速受電で東京→関西エリアへもストレスなく到着します。
◆ポルシェやアウディ、BMW、フォルクスワーゲンも激しい競争に。
EUの自動車メーカーも次々にEVシフトが進んでいます。課題は蓄電池の容量と価格といわれ、各社1000万円前後の車種ゾーンと、500万前後のコンパクトカー車種に分かれています。
◆自動車産業の課題はEV化、自動運転、AI化、そしてサプライチェーンの大幅改善
テスラ車の日本進出と各国の環境宣言により、加速するEV化。日本のお家芸である自動車産業は今後大きな変革の必然にさらされていくでしょう。中でもEV自動車は部品が極めて少なくても完成するので、既存のサプライチェーンは大変革が必要にせまられています。また、AIを駆使した自動運転化により、自分で車を所有する時代からシェアする時代下では、無人カーを自宅に呼んで、目的地まで送ってくれる現実がもう整っているということです。EV化は二酸化炭素削減に大きな貢献をするので、既存の自動車産業にとってはこの10年が大きな正念場になることは間違いないと思っています。都内では青山に試乗用のショールームがございますので、どうかお近くのEV販売店で一度試乗されてみてください、きっと未来が見えてきます。
持っているだけでカッコ良い。SDGsツール「ターゲットファインダー」って何?【寺尾聖一郎の「SDGsなライフシフト」】
このコラムでは、国内外のSDGsの最新情報を元に、17のSDGsのカテゴリーから毎回スポットを当て、教育、ライフスタイル、ビジネスなど“日本一わかりやすいSDGsコラム”を目指して連載しています。
三方よしの時代から「四方よし」へ。そのビジネスはアフリカのバナナペーパーにあった。【寺尾聖一郎の「SDGsなライフシフト」】
こんにちは、前回のコラムではプラスチックについて書かせていただきました。今回はプラスチックと対照的な紙についてSDGsな視点でレポート致します。
■令和商人は「四方よし」
三方よしとは「自分良し」、「相手良し」、「世間良し」の三方を満足させる言葉で江戸時代中期の近江商人の思想・哲学として有名な言葉ですね。持続可能な社会を目指すためには、この三方に加えて「地球良し」が重要な商いのキーワードと言えるでしょう。それを実現している素敵なビジネスを紹介させていただきます。
■90年の老舗企業が取り組む本気のSDGsビジネス
今回取材した企業は山櫻さん。1931年の創業当初より名刺・はがき・封筒などオフィス向け紙製品の製造販売をされている90年の老舗企業。1990年に業界で初めて再生紙を使用した名刺を発売するなど、環境ビジネスの最先端を走ってきました。昔からのご縁あって公私ともにお世話になっている市瀬豊和社長に取材をさていただき「紙×SDGs」の最先端ビジネスについてレポートします。
■日本の紙生産量は世界第3位
日本の紙生産量は、中国・米国についで世界第3位。国民一人当たりの消費量も、年間201kgと世界平均56kgを大きく上回ります。日本では使い終わった紙の回収、再利用に取り組み、古紙回収率は約80%、古紙利用率も65%を超え、まさに世界トップクラスにあります。
■紙製品ビジネスはSDGsの17目標項目の全てに当てはまる。
取材で分かったことは、山櫻社は紙の製造から加工、印刷まで統合的なペーパーカンパニーで、自然の素材を使って製造する紙事業にとって環境との関りは非常に深い関係です。SDGsを一早く企業戦略に掲げ、持続可能な社会へ貢献するための製品作りの姿勢は、まだ知名度の低かったSDGsが始まるずっと前から環境事業に努めていました。
■ザンビアのバナナとの出会い、そして決意。
市瀬社長が自らアフリカのザンビアを訪ねて見たものは、バナナの収穫ビジネス。電気、ガスもない生活を送っている小さな村は、貧困のため教育を受けることがなく、生きるための肉体労働だけを繰り返す日々を送っていて、そのための密漁や森林伐採もやむなく行っている地域でした。バナナは現在世界約125ヵ国で栽培と言われていますが、収穫の際、大量の茎が廃棄されています。実はその茎から紙を作るバナナペーパーの技術が生まれたことで、バナナと茎が村の収益になる仕組みが生まれたのです。のちにこのビジネスによって、40人以上のオーガニックバナナ農家が潤い、数多くの女性と男性の雇用が発生し、150人以上の子どもの教育環境が整い、500人以上の最貧困層が普通の生活に近い環境を得ています。それにより、貧困で苦しむ人々が行う違法の森林伐採や野生動物の密猟を防ぎ、人と森と絶滅危惧種を守るフェアトレードビジネスがバナナペーパーによって解決しているのです。
*ワンプラネット・ペーパー®協議会HPより。
「レジ袋どうしますか?」の質問の度に 後ろめたさを感じてしまう日々。【寺尾聖一郎の「SDGsなライフシフト」】
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こんにちは、本日はNo12「つくる責任、つかう責任」を取り上げるため、プラスチック問題について、この春から各地で公開が始まっているドキュメンタリー映画のオンライン試写を機に考えてみました。
毎日のように聞かれる「レジ袋どうしますか?」という毎回の質問。皆さんはスーパーやコンビニでどうこたえていますか? 皆さんはレジ袋派ですか? エコバック派ですか?
先日、海外の映画祭で6つ受賞している、日本人監督によるドキュメンタリー映画『プラスチックストーリー、僕らがつくる2050年』をオンラインで視聴させてもらいました。
マイクロプラスチック・ストーリー〜ぼくらが作る2050年〜 予告編 from Cafeteria Culture on Vimeo.
映画の内容は、ニューヨーク、ブルックリンの小学校5年生たちが世界的に大きなプラスチック汚染問題を学び、彼らの視点でこの問題の根幹が何かを問いただし、解決に向かって自分たちのコミュニティーからアクションを広げて行くまでの2年間を追った長編ドキュメンタリーです。
この町の小学生たちは、プラスチックについてリサーチやデータ収集を重ね、市議会で公表したり、地域で啓発活動を重ねていきます。そしてプラスチックは生産の過程でも地球環境を汚染していること、そしてそれが気候変動に関わっていることを発見し、自分たちの学校のカフェテリアでアクションを起こし、それをニューヨーク市の市長までを巻き込んだ壮大なプロジェクトに広げていきます。子供たちのまっすぐで、熱意かつ希望がにじみ出るこの映画は世界の30の映画祭に選定され、すでに6つの賞を受賞しています。
私もこの映画を観させてもらって、プラスチック問題は奥が深いことや、利益産業のステークホルダーが複雑に絡んでいること、など簡単に片付く問題ではない国際社会課題であるものの、今取り組まないとこの先大変なことが起きてしまう現実を突きつけられた気がします。何よりも、この映画の小学生たちの熱心な活動と大人よりも遥かに説得力にある説明に感銘してしまいました。日本の学校授業でもこうした社会課題をもとに、対話の授業が広まったら、と思っています。
日本人共同監督による世界発信のドキュメンタリー映画
この映画を共同監督・プロデュースしているのは日本人とアメリカ人のお二人。日本人の佐竹敦子(Atsuko quirk)さんは、ニューヨークで17年間、映画、コマーシャル、テレビ番組などの制作プロデュースに関わった方です。過去の主な作品に『School Lunch in Japan – It’s Not Just About Eating』(YouTubeで 2700万回再生) また東京都制作の海ごみをテーマにした短編ムービー(2017)、そして海ゴミをテーマにした短編ドキュメンタリー『みんなの海だから』(2013) は8つの映画祭に入選し、NY市国際映画祭での最優秀短編ドキュメンタリーを受賞した他、コスタリカ、インドの映画祭でも受賞を果たしていられる、実力ある国際的な監督です。
視聴後、環境意識の変化が起きた
この映画の視聴後に、翌日から自分のプラスチック生活を見直すきっかけになりましたが、エコバックだけでなく、衣類、食品、日用品すべてにプラスチックが当たり前になっている日常生活での解決策は、正直とてもとても長い道のりだと感じました。それを小学生の生の声で訴えたこの映画のメッセージ力は非常に強く、「今からすぐに、行動しないと間に合わない!」と身に染みて感じました。機会があったら視聴をおすすめします。
史上最大の地球キャンペーン 「脱炭マン」になろう!【寺尾聖一郎の「SDGsなライフシフト」】
【寺尾聖一郎の「SDGsなライフシフト」では、国内外のSDGsの最新情報を元に、17のSDGsのカテゴリーから毎回スポットをあて、教育、ライフスタイル、ビジネスなど、“日本一わかりやすいSDGsコラム”を目指して連載しています。
脱炭素、CO2削減、カーボンなど昨今のニュースで脱炭素に関する記事が無い日はない。本日は、炭素社会がこのまま続くと、とんでもない大変なことが起きてしまう(起きている)ということをレポートしたい。
日本では、2021年5月26日に2050年の温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を明記した改正地球温暖化対策推進法が成立した。相変わらず法案の名前を読むだけで疲れる。1997年の京都議定書の採択からようやく法案化されたのだが、ここまで来るのには、時間がかかりすぎた。法案が決まるのに24年もかかってる。しかも、2050年まで残りたったの30年で炭素ゼロ社会にするのは並大抵の話ではない。
今回の法案、一言でいえば、
過去200年で全世界で増え続けた二酸化炭素を、残り30年でゼロにしょう!
という壮大な地球キャンペーンに日本も本格参入宣言した法案なのだ。
改正法では、市区町村が地元の住民などと協議して促進区域の設定に努めることや、再生可能エネルギーの導入目標を立てて公表するよう努力することなどを求めると記載されている。
オイオイまた、二酸化炭素の話かよ!!!って思った人はここだけ読んでくれればよい。どうか今日から脱炭素推奨人(脱炭マン)になってもらうため、たったこれだけは実行してほしい。
結論を先にお伝えしておく。
脱炭マンになろう6つの提言 by 寺尾。
解説すると、1)~3)は今日からでも実行可能である。4)は一度電力会社に問い合わせて再生可能エネルギーメニューに切り替えてもらえば一度で終了する。もしその電力会社が対応できないなら、再生可能エネルギー会社を検索して、簡単な手続きだけで済むはずだ。基本料金など少々高いけれど、地球の寿命を延ばすためと思って切り替えてほしい。5)のEVカーはまだまだ日本は遅れているがここ数年で切り替わるはずだから、マイカーの買い替えの際はEVカーを視野に入れてほしい。6)はそれなりのコストがかかるし、一軒家の家庭が中心になると思うが、おそらく行政の助成金がこれから増えると思うのでタイミングよいところで、ぜひソーラーパネルや蓄電池を取り入れてほしい。
ちなみに私は1)~6)すべてを実行している最中である。
2人の日本の次世代のリーダーによる 「地球を1つの学校にする」ためのすごい教科書。【寺尾聖一郎の「SDGsなライフシフト」】
このコラムでは、国内外のSDGsの最新情報を元に、17のSDGsのカテゴリーから毎回スポットを当て、教育、ライフスタイル、ビジネスなど“日本一わかりやすいSDGsコラム”を目指して連載させていただいています。 今回は6月2日発売の書籍『WE HAVE A DREAM 201カ国202人の夢×SDGs 』(いろは出版)について紹介します。
4月22日“地球の日 Earth Day”を考える 【寺尾聖一郎の「SDGsなライフシフト」】
このコラムでは、国内外のSDGsの最新情報を元に、17のSDGsのカテゴリーから毎回スポットを当て、教育、ライフスタイル、ビジネスなど“日本一わかりやすいSDGsコラム”を目指して連載させていただいています。
こんにちは、緊急事態宣言下の東京で実施された『Earth Day Tokyo 2021』のレポートを機に4月22日の“地球の日”について考えてみたいと思います。
Earth Dayの歴史
アースデーは1970年アメリカのG・ネルソン上院議員が、4月22日を”地球の日”と宣言してその歴史が始まりました。70年代の学生運動が盛んだった時代に、いち早く環境問題をテーマに掲げて関心をもってもらうためのイベントとして始まりましたが、ベトナム戦争などの反戦活動と共に、瞬く間に広がって2000万人以上が参加。当時のアメリカでは最大級のイベントとなりました。
「青い地球」に気が付いたのは50年前
人類が初めて地球の姿形を見たのは1968年12月24日。アポロ8号の宇宙飛行士が月から「青い地球」の姿を撮影したのです。「地球は青かった。」その影響から、2年後にEarth Dayが発足、その行動は個人に委ねられて誰もが自分でできる方法で「環境を守る運動」がスタートしたのです。
1992年の国連環境開発会議で「サスティナブル」が世界が発信
1972年「Only One Earth(かけがえのない地球)」をスローガンに、環境に関する世界初の国連会議「国連人間環境会議」が開催されました。それから20年後の1992年に約180カ国が参加してブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された「国連環境開発会議(地球サミット)」では「サステナブル・ディベロップメント(持続可能な開発)」の理念が掲げられ、はじめて「サスティナブル」という言葉が、環境問題のキーワードとなったのです。このサミットから気候変動枠組み条約、生物多様性条約が生まれ、世界の環境政策に大きな影響を与えてきています。
12歳の少女の伝説のスピーチに世界が注目した瞬間
このリオ・デ・ジャネイロの地球サミットでは大きな出来事が起こりました。カナダに住むセヴァン・カリス=スズキという12歳の少女が、「私にも話をさせてほしい」と飛び入り参加し、各国の首脳が集まる前で「どうやって治すのか分からないものを壊しつづけるのはもうやめてほしい」と投げかけ、スタンディングオベーションを受けた様子が世界に発信されたのです。この事実は多くの日本人の若者にもネットを通じて共有され、持続可能な地球という概念が根付き始めたのです。
出典:国連広報センター
27年後、16歳のグレタ・トゥーンベリさんが大人を叱責
2年ほど前に話題になったスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさん(16)は2019年9月23日ニューヨークで開かれた国連気候行動サミットに出席し、地球温暖化に本気で取り組んでいない大人たちを叱責したことは記憶に新しいと思います。ここでは世界のリーダーを前に温暖化解決のための具体的な行動を取らない大人に強く訴えました。
46億才の地球が壊れかけている
地球が誕生して46億年。なのに、人間はこのたった100年でこの地球の寿命を縮めてきた言われています。そしてそのことに気づいて、行動を起こしたのはまだ50年。日本では20年しかたっていません。SDGsが国連で掲げられたのは2015年。その目標達成のための行動期間は2016年~2030年の15年間しかないのですから、国やNGOだけでなく、この地球に住む個人全員がこの危機的な事実について日常化して取り組む必要があると、Earth Day(地球の日)に改めて考えた日でした。
SDGsを自分ごと化するための小さな行動 【寺尾聖一郎の「SDGsなライフシフト」】
こんにちは、このコラムでは、国内外のSDGsの最新情報を元に17のSDGsのカテゴリーから毎回スポットを当て、教育、ライフスタイル、ビジネスなど、“日本一わかりやすいSDGs”のコラムを目指して連載させていただきます。
今回のテーマ「SDGsを自分ごと化するために」。
◆SDGsは世界規模の課題を早く解決するための実施目標。
SDGsの17の項目をすべて言える人は少ないと思いますが、中でも押さえておきたいポイントは「貧困・飢餓」「教育」「ジェンダー不平等」「環境」は日々の生活で意識していく大切な課題ではないかと思います。本日はその中でも環境についてコメントさせていただきます。
◆人生100年時代に「100年に1度」のニュースが増えている。
7月末、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行について「100年に1度の衛生上の危機」とつたえたのは記憶に新しいと思います。一方自然災害では、2019年の台風19号による大規模な浸水被害があった阿武隈川や千曲川の降雨量も100年に1度クラスの台風と言われています。「人生も100年時代」と言われる中で、私たちは長生きすればするほど今後大きな自然災害にさらされる可能性が高いのです。専門家によると今後、5年~10年に1度の割合で100年規模の大きな台風が襲ってくると言われていますので、特に環境問題については自分事化する必要があると思います。
◆「温暖化」という言葉ちょっと昔まではなかった。
私が幼かったころ(1970年代)は、ほとんどの家庭は扇風機がメインでした。窓を全開にして、家庭にエアコンなどない幼少期を過ごしました。小学校のころに、初めて自宅にクーラーを家に取り付け始めたのを鮮明に覚えています。当時高価な家電であったクーラー(のちにエアコン)ですが、その頃は親に電気代が高いのだからつけっぱなしにしないように怒られたのもです。当時のクーラーには温度計も付いていなかったので、どうしても熱い時(おそらく30度を超えたあたり)でやっと親の許可を得ながらクーラーを使った記憶があります。
1980年以降はエアコンの価格も手ごろになったことから一家に数台が当たり前の生活になったのはここ30年くらいでしょう。
◆エアコンのおかげで気候変動が起きていることに鈍感になっていないか?
社会人になってスーツを着て、日中仕事で外出し始めたころ、世の中がやたらと「暑い」現実に気がつきました。そのころから「猛暑」という言葉がニュースになるほどの時代になってきたのです。エアコンで心地よい生活が当たり前になったことで、外で起きている環境変化に気が付かないままに温暖化時代を向かたのかもしれません。
◆脱炭素に向けた我々日本の取り組み
温暖化解決策として脱炭素が挙げられます。
2018年4月に閣議決定された環境基本計画では、「地域環境共生圏」の疑念が提唱され、各地域が美しい自然環境などの地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、それぞれの地域の特性に応じて、他地域と資源を補完し支えあう事で地域の活力が最大限に発揮されることを目標とする考え方です。この概念だけでも相当な数に及びますからすべてを実行するのには相当なエネルギーが必要ですね。
*環境省:地域循環共生圏の概要より
https://www.env.go.jp/seisaku/list/kyoseiken/pdf/kyoseiken_02.pdf
◆SDGsを自分事にするために。
SDGsは自主目標であり、国際環境条約のような法的拘束はありません。
行政、企業、個人がそれぞれ小さな意識をもち、身近なでることから行動することが何よりも大切なことだと思います。
◆「超・早寝早起き」がSDGsの行動の始まり?
私事ではありますが、ここ2年ほど「超早寝・早起き」を実行しています。
早朝(できれば5時前)に起床し、静かで、空いている時間に移動や仕事に取り組むことで心地よい朝を迎えることができます。夏はエアコンをかけない早朝から行動することで自然環境に生でふれあうことができます。
すこしでも自分にできることを、考えることができるきっかけになればと思っています。早寝早起き(4時起床、21時就寝)は決してSDGsに直接関係のある行動ではありませんが今起きている自然な環境を体で感じ、起きている環境課題を意識することが大切な行動の1つであると信じています。リモート生活中心の昨今、「超早寝早起き」お勧めします。
コロナ禍で生まれた世界初のエアカフェが浜松町に限定オープン【寺尾聖一郎の「SDGsなライフシフト」】
こんにちは、ソーシャルコンテンツプロデューサーの寺尾聖一郎です。このコラムでは国内外のSDGsの最新情報を元に17のカテゴリーから毎回スポットを当て、教育、ライフスタイル、ビジネスなど、“日本一わかりやすいSDGs”周辺の情報をご紹介します。