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「天井棧敷」が生まれた街で…鬼才・寺山修司の人物像に迫る『寺山修司展―世田谷文学館コレクション展 2024年度後期―』

2024.10.04 Vol.759

 さまざまな芸術分野を横断し、表現活動の豊かな可能性を模索した寺山修司(1935〜83)。時代を超えてなお今も若い世代を含め幅広い世代が共鳴する稀代の表現者に迫る展覧会。

 寺山修司は、18歳で「短歌研究」新人賞を受賞。その後「俳句」や「短歌」などの定型詩から、自由詩へと創作活動の基盤を移し、歌謡曲の作詞や放送詩(ラジオ)へと活動ジャンルを広げた。そして30歳前後、1960年代後半には世田谷区下馬へ移り住み、演劇実験室「天井棧敷」を設立。長編小説や戯曲、評論など新たな執筆活動を交えながら、演劇や映画といった芸術ジャンルでも地位を確立していったのがこの世田谷時代だった。

 

寺山修司の言葉の群れが飛び交う『三上博史 歌劇』が1月9日開幕。「そのワンワードでも、ワンセンテンスでも持ち帰ってもらえれば」

2024.01.08 Vol.Web Original

寺山修司没後40年記念公演を紀伊國屋ホールで上演

 三上博史が約8年ぶりに舞台に立つ「寺山修司没後40年記念公演/紀伊國屋ホール開場60周年記念公演『三上博史 歌劇 ―私さえも、私自身がつくり出した一片の物語の主人公にすぎない―』」の公開ゲネプロが1月8日、東京・新宿の紀伊國屋ホールで開催された。同作は9日から14日まで同所で上演される。

 三上は高校1年生の時に寺山が監督を務めたフランス映画『草迷宮』のオーディションに合格し俳優デビュー。寺山との運命の出会いから数年後、紀伊國屋ホールで上演された天井桟敷の最終公演『レミング-壁抜け男』を会場でリアルタイムで観劇。寺山との出会いが俳優として生きる道を決定づけ、以来、本人が時に“呪縛”とさえ表現するほどの絶大な影響を受けてきた。

 寺山によって“俳優”であり“表現者”という命を吹き込まれた三上は、そんな特別な存在である寺山の作品を自らの声と肉体を通して後世にまで語り継いでゆくことを使命とし、2008年から現在に至るまで毎年欠かさず5月4日の命日に、寺山の出身地である青森県三沢市の寺山修司記念館において追悼ライブを行っている。

三上博史が寺山修司没後40年記念公演『三上博史 歌劇』で約8年ぶりの舞台

2023.10.24 Vol.Web Original

 2023年は歌人、劇作家、映画監督、劇団「天井桟敷」の主宰などさまざまな分野で活躍した寺山修司の没後40年という節目の年ということもあり、さまざまなイベントが開催されてきた。

 そんな中、10月24日には寺山によって“俳優”であり“表現者”という命を吹き込まれた三上博史が、2015年に上演された『タンゴ・冬の終わりに』以来、実に約8年ぶりに舞台に立つことが発表された。演目は『三上博史 歌劇』。来年1月9日から14日まで東京・新宿の紀伊国屋ホールで上演される。

 三上は高校1年生の時に寺山が監督を務めたフランス映画『草迷宮』のオーディションに合格し俳優デビュー。寺山との運命の出会いから数年後、紀伊國屋ホールで上演された天井桟敷の最終公演『レミング-壁抜け男』を、座席からリアルタイムで観劇。寺山との出会いが俳優として生きる道を決定づけ、以来、本人が時に“呪縛”とさえ表現するほどの絶大な影響を受けてきた。そんな特別な存在である寺山修司の作品を演じ、歌い、その声と肉体を通して後世にまで語り継いでゆくことが自身の使命という三上は、2008年から現在に至るまで毎年欠かさず、5月4日の命日に、寺山の出身地である青森県三沢市の寺山修司記念館において追悼ライブを行っている。

 そしてこの度、三上にとっては聖地のような劇場である紀伊國屋ホールで、演出のJ・A・シーザー、上演台本の高田惠篤・寺山偏陸という生前の寺山と共に幾多の名作を生んできた盟友たちが『三上博史 歌劇』と題して、寺山作品の膨大なテキストからその心髄を紐解き、他に類を見ないステージ作品へと昇華させることとなった。

寺山修司没後40年記念「映画監督◉寺山修司」を5月に開催。『書を捨てよ町へ出よう』ら全作品を一挙上映

2023.04.11 Vol.Web Original

 歌人、劇作家、映画監督、劇団「天井桟敷」の主宰などさまざまな分野で活躍した寺山修司が1983年に亡くなってから今年で40年になる。

 今年は青森県三沢市にある寺山修司記念館を中心に没後40年事業を展開中なのだが、5月18~21日には東京・渋谷のユーロライブで寺山修司映画祭2023「映画監督◉寺山修司」が開催される。寺山が監督した長編、中編、実験映画を一挙上映。寺山と天井棧敷の関連グッズも併せて販売するという。

 上映作品は長編作品の『書を捨てよ町へ出よう』 『田園に死す』『さらば箱舟』『上海異人娼館』、中編作品の 『草迷宮』、実験映画の 『迷宮譚』『消しゴム』『一寸法師を記述する試み』『青少年のための映画入門』 『疱瘡譚』『マルドロールの歌』『ローラ』『審判』『檻囚』『トマトケチャップ皇帝』『ジャンケン戦争』『蝶服記』 『書見機』『二頭女−影の映画』。

 また20日16時の『書を捨てよ町へ出よう』の上映終了後にはJ・A・シーザー(演劇実験室◉万有引力主宰、演出家、音楽家)、同19時の『実験映画集1』の上映終了後には森崎偏陸(元天井棧敷)、笹目浩之(テラヤマ・ワールド代表、ポスターハリス・カンパニー代表)によるトークセッションも行われる。

 詳細は「寺山修司没後40年認定事業」の公式ホームページから( https://www.terayamaworld.com/40th/ )。 

両バージョンの観劇が必須 青蛾館創立35年記念作品『毛皮のマリー』オリジナルver./未公開ver.

2019.03.13 Vol.716

 青蛾館は1984年に桐朋学園短期大学部演劇科の卒業生を中心に、寺山修司の「初期一幕物の美学」「見世物の復権」を舞台に再現すべく結成された劇団。寺山修司没後35年の今年で創立35周年を迎える。今回の公演はこの創立35周年を記念して行われるもので、寺山の代表作である『毛皮のマリー』を上演する。同作には日本で上演されたオリジナル版の他に、ニューヨークの老舗劇場ラ・ママ公演時にラストシーンなどを大々的に改訂した日本では未発表のバージョンも存在しており、今回は日を違えそちらも同時上演される。

 両バージョンでマリーを演じるのは青蛾館の主宰で座付き女形でもあるのぐち和美。今回で4度目のマリー役となる。

 オリジナルバージョンでは中年の男娼であるマリーと暮らす美少年の欣也を安川純平、2人の関係をかき乱す美少女を日出郎が演じ、ラ・ママバージョンではそれぞれを砂原健佑とシンガーソングライターの中村中が演じるなど、両バージョンの観劇が必須と思わせるキャスティングとなっている。

青蛾館創立35年記念作品『毛皮のマリー』オリジナルver./未公開ver.
【日時】3月14日(木)〜21日(木・祝)(開演はオリジナルバージョン(O)が14日19時、16・17日14時、19日14時/19時、21日12時30分。ラ・ママバージョン(M)が15・16・18日19時、20日14時19時、21日15時30分。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)
【会場】東京芸術劇場 シアターウエスト(池袋)
【料金】前売・全席指定 一般5500円、シニア(65歳以上) 4500円、U22(22歳以下) 3500円/平日マチネ割引各チケットより500円引/演目W観賞チケット 一般1万円(劇団のみの取り扱い) ※当日券は各500円増し。
【問い合わせ】青蛾館
(TEL:080-1614-6114=平日10〜18時[HP] http://seigakan.com/kegawa2019/ )
【作】寺山修司
【演出】寺山偏陸
【出演】のぐち和美(O)(M)、〈オリジナルバージョン〉安川純平、日出郎、加納幸和、小林桂太 他〈ラ・ママバージョン〉砂原健佑、中村中、土屋良太、松之木天辺 他

世代を超えて寺山修司を語り合う 溝端淳平 × 麿赤兒

2015.11.23 Vol.655

今年は寺山修司の生誕80年ということでさまざまな企画が催されている。この『レミング〜世界の涯まで連れてって〜』もそう。2013年に没後30年にあたって上演され、「維新派」の松本雄吉が演出することでも大きな話題を呼んだ。この作品をキャストを一新し、上演台本もリニューアルして上演する。寺山作品では重要な要素となるのが母と子。その母子を演じる溝端淳平と麿赤兒に話を聞いた。

絶望とか鬱屈の先に何が見える!? RooTS Vol.03 寺山修司生誕80年記念『書を捨てよ町へ出よう』

2015.11.22 Vol.655

 東京芸術劇場では「アングラ演劇・小劇場演劇」の草創期である60〜70年代に発表された戯曲を、現在活躍する若手演出家が演出することによって新たな魅力を発見し、刺激的な作品を生み出そうという考えから「RooTS」というシリーズを展開している。

 過去にポツドールの三浦大輔がつかこうへいの『ストリッパー物語』、熊林弘高が清水邦夫の『狂人なおもて往生をとぐ』を手がけてきた。

 第3弾となる今回は、今年生誕80年を迎えた寺山修司の『書を捨てよ町へ出よう』にマームとジプシーの藤田貴大が挑む。

 これまで異ジャンルのクリエイターとともに作品を作ることの多い藤田だが、今回も第一線で活躍するさまざまなクリエイターが集結。なかでも小説『火花』で芥川賞を受賞した芸人の又吉直樹の映像出演は大きな話題を呼んでいる。

 同作は評論集、舞台、映画とそれぞれ別内容なのだが、今回は映画版をベースに、寺山を思わせるような人物を配した作りのものになる。注目の若手俳優・村上虹郎が初舞台にして主演を務める。

松重 豊「30年前の自分に”ふざけんな、このやろう”って言われないように」

2013.04.15 Vol.589

 寺山修司が亡くなって今年で30年が経つ。没後も、多くの寺山作品がさまざまな演劇人により舞台化されてきた。そして今度は「維新派」の松本雄吉の演出で『レミング〜世界の涯まで連れてって〜』が上演される。その組み合わせの妙もあり、注目が集まっている作品だ。

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