6月24日(金)に国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2016 ~-65kg世界最強決定トーナメント~」のスーパーファイト -60㎏で卜部弘嵩と対戦する小宮山工介。意外ではあったが、格闘技ファンなら、絶対見てみたいカードだ。
「弘嵩選手といえば、弟の功也選手との兄弟対決で注目を集めていましたが、自分も男3兄弟で皆格闘技をやっているので、会場で2人の試合を見た時は複雑な気持ちでした。というのも、自分は2番目なので、兄の気持も分かるし、弟の気持も分かる。兄は弟に負けられないというプライド、弟はお兄ちゃんを負かしてやろうという気持ち。うちは父親が兄弟が戦う姿を見たくないと、空手をやらせる時に違う流派の道場に入れたんです。なので僕らは空手の世界では別々のところで戦っていた。それだけに、卜部兄弟の試合は複雑ではありましたが、ものすごく感動もしました。だって兄弟がチャンピオンベルトをかけて試合をするってすごいことじゃないですか。それをやったのもすごいし、そこで勝った弘嵩選手はすごいと思います」と史上最大の兄弟喧嘩と呼ばれた試合を振り返った。
「弘嵩選手ももともと空手出身ですし、兄弟そろって格闘技をやっているところなど、似ている部分はある。素晴らしいファイターで尊敬もしていますが、僕がK-1に参戦することで、何か変わるんじゃないかなという予感もします」
地元と空手界では“天才空手少年ブラザーズ”として有名だったとか。
「どうなんでしょう。全国の空手大会を北は青森から南は沖縄、奄美まで回っていたので、地方に行くと言われることもありましたが、あまり意識はしていませんでした。あえてあまり感じないようにしていた部分もあります」
空手での輝かしい成績が、のちに格闘技に向かわせる事に。
「中学卒業後上京し、極真会館という空手の名門に入門し3年ほどたった時に、K-1がすごく盛り上がっていて、自分の空手の技はキックボクシングのルールで通用するのかなと思い始めたんです。で、始めてみたら楽しくてどんどんのめり込んで、21歳でプロデビューし、24歳で他団体ですがチャンピオンになりました。空手はルールが結構制限されるのですが、キックボクシングは空手の技術も取り入れながら新しいルールででき、かつ試合もスリリングだったので、その辺がすごく楽しかったです。それにジュニアから空手をやって、66回優勝したんですが、慣れてきたというか、刺激が足りなくなっていた時期でもあったことかなと。もっと高いところを目指しますということがしばらくない状態で、なんとなくやっているような感じになったので、その辺りもキックボクシングにハマった理由ですね」
会見では日本の-60㎏を極めたいと。
「僕はキックボクシングのスーパーフェザー級、-60㎏級なんですが、2014年に統一戦があって、そこで運よく-61㎏級のチャンピオンになったんです。ですから自分はこの階級で1番になったと思っていたんですが、K-1で同じ階級にチャンピオンができた。僕の本来の階級にチャンピオンがいると、胸を張って俺が一番だって言えなくて。周りからも卜部選手のほうが強いんじゃないかっていう声も聞こえてきたし、いろいろタイミングも合い、今回の試合が実現しました。念願かなって、真の-60㎏王者になる!…かどうかは分かりませんが(笑)、格闘技をやる以上1番を目指しています」
試合に向けて見どころと意気込みを。
「僕の格闘技は、美しく倒すというのが見どころ。100本1000本どころか10万本、100万本、いやそれ以上パンチも蹴りもやってきているので、それをずっと続けると技が磨かれて研ぎ澄まされ、美しくなるんです。そこをぜひ見ていただきたいですね。また、相手はK-1のチャンピオンなので、勝ち負けはしっかりつけないといけないと思っています。ずばり、白黒をはっきりさせるためKO決着する。そのために死ぬ覚悟、倒れてもいいぐらいの覚悟で向かっていきたいと思います」
※このインタビューは5月30日に収録されました