女子レスリングのパイオニア、山本美憂が総合格闘技(MMA)に挑戦することが1日分かった。
RIZIN FIGHTING FEDERATIONが都内で会見を開き、『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント』(9月25日、さいたまスーパーアリーナ)に美憂がワンマッチで参戦することを発表した。
美憂の父はミュンヘン五輪レスリング日本代表の山本郁榮氏、弟は総合格闘家でUFC参戦中の山本“KID”徳郁、妹は女子レスリング世界王者の山本聖子、息子はレスリング世界ジュニア王者で昨年大晦日にMMAデビューを果たした山本アーセン。日本が誇る格闘一家の一員だ。
美憂は13歳で第1回全日本女子レスリング選手権に優勝。全日本を4連覇し、1991年には17歳で世界選手権を史上最年少で優勝。計3度世界選手権を制した。
結婚・出産で現役を引退していたが、2011年に現役復帰し、カナダに拠点を移し、カナダ代表でのリオ五輪出場を目指したが、予選出場に必要な市民権の取得がエントリー期間に間に合わなかったため、断念していた。
全盛時に女子レスリングが五輪競技となっていなかったため、五輪出場こそかなわなかったが、その実力は折り紙つき。
会見で美憂は「五輪出場の夢はかなわなかったが、ここまで頑張ってきたのにこのまま辞めるのはもったいないと、気持ちの整理がつかなかった時にオファーをいただいた。最初はまさか自分がリングに上がるなんてと思いましたが、だんだんとこれは凄くいいチャンスだと思うようになり出ることを決めました」と出場に至る経緯を語った。8月4日で42歳となるが「カナダでも10代のチームメートを引っ張っていた。体力には自信がある」と胸を張る。そして「9月だけでやめたらもったいないので、その先も考えています」と継続参戦も口にした。
現在は同じく9月に試合を行うアーセンと一緒にKIDのコーチのもとMMAのトレーニングを開始。KIDの「最初に聞いた時は躊躇した。でも美憂のやる気が凄かったので。じゃあ、やればと」という言葉から美憂のやる気がうかがえる。KIDは続けて「フィジカルに関しては休まずトレーニングをやっていたから問題ない。あとは筋力はあるので身体の使い方。アーセンは3カ月くらいしか練習していなかったのに、あれだけやれた。美憂も自分の練習について来れればいい試合をしてくれると思う」と話した。