2019年もさまざまなニュースが世間をにぎわせた。12月にもなると「あのニュースは今年だっただろうか…」と毎年思う人は多いだろう。というわけで、この年の瀬に1年の出来事を振り返る。今回は2月編。
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告発側会見で山根会長の音声公開「接戦した場合、やっぱり奈良やな」
「日本ボクシングを再興する会」が緊急会見開催
日本ボクシング連盟について助成金流用や不正判定など12項目にわたる告発をした「日本ボクシングを再興する会」が8月8日、東京都内で会見を開いた。
会見には鶴木良夫代表(新潟県ボクシング連盟理事長)、仁多見史隆氏(新潟県ボクシング連盟副理事長、アトランタ五輪代表)、菊池浩吉氏(宮崎県ボクシング連盟副会長)に、同会の代理人を務める弁護士の戸田裕典、岩井翼の2氏が出席した。
会見では冒頭、鶴木氏が「本年4月、日本アマチュアボクシング界を変えたいという強い思いのもと『日本ボクシングを再興する会』を立ち上げ、これまで日本ボクシング連盟のガバナンスを適正化するための自浄活動を行ってきたが、連盟に改善の兆しが見られなかったため、JOCなど関係機関に告発状を提出することになった。しかし連盟は告発後もその指摘を否定してきた。それで本日緊急の記者会見を開くことになった」と会見を開くことになった経緯を説明した。
続いて菊池氏が「報道されている諸問題は長年、数多くの指導者や選手が悩み、苦しんでいたこと。しかし、自分に不利益が及ぶことを恐れ、山根会長をはじめ連盟の幹部に声を上げることはできなかった。その結果あらゆることが不透明な組織になってしまった。さらにアマチュアボクシングは国体で隔年開催の競技に格下げになり、全国選抜大会では高体連との共催を否定し開催が危ぶまれている。インターハイでも協賛が危ぶまれ、多大な運営費の負担のため、2020年は大会の開催県が決まらないまま現在に至っている。活動の場が減り続ければ、競技人口の減少、競技団体の衰退につながる大きな問題。このような事態は、日本連盟に反対意見を述べれば、除名などの厳しい処分を受けるという恐れから何も行動を起こせなかった私たちの責任でもある。現在のまま東京オリンピックを迎えても将来アマチュアボクシングを存続させることは難しいと考え、強い危機感からこの会を立ち上げた。日本連盟の状況が公になるとアマチュアボクシングそのものが深く傷つくのではと懸念し、発足当初はすべてを水面下で活動を続けてきた。山根会長ら連盟幹部と面会し、改善の提案をしたが受け入れてはもらえなかった。日本連盟が直接的な監督官庁が存在しない一般社団法人であるため、関係者による自浄活動で改革を起こすしかないという結論に至った。そのため今年6月、山根明終身会長の退会要求書を提出することになり、各都道府県連盟に呼びかけてきた。これに対して、日本連盟は“厳しい責任が伴う”という文書を発表。この文書によって退会要求書の提出を躊躇する都道府県連盟が数多く存在し、自浄活動の限界を感じた。それで日本連盟のガバナンスを一から再構築するため、今回の告発に至った」とその経緯を語った。
告発以降に日本連盟が「助成金の不正流用」「コーチ謝金」「審判不正」の問題について反論しているのだが、それに対する見解も示した。
審判不正については「奈良判定」という言葉が出回ったことに奈良の選手と関係者に謝罪。そのうえで審判不正にかかわる証拠として内海祥子理事と事務局の女性による2016年4月30日の会話、2016年2月5日の山根会長の音声を公開した。
前者には会長の意向に沿った判定をしてもらうために審判員が集められているという趣旨の内海理事の発言が入っており、後者では山根会長の「接戦した場合、やっぱり奈良やな。それ反対つけた場合は“お前なめてるんか?”ってなってくるわけ」という発言が入っていた。