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岸田首相が自民党総裁選への不出馬を表明。自民党の信頼回復の第一歩として自らが身を引くことを決断

2024.08.14 Vol.Web Original

 岸田文雄首相が8月14日、会見を行い、秋に行われる自民党総裁選に出馬しないことを表明した。

 岸田氏は会見の冒頭「今回の総裁選挙では自民党が変わる姿、新生自民党を国民の前にしっかりとを示すことが必要。そのためには透明で開かれた選挙、そして何よりも自由闊達な論戦が重要。その際、自民党が変わることを示す、最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くこと。私は総裁選には出馬しません」と不出馬の意向を表明した。

 そしてこの3年間での経済政策、エネルギー政策、少子化対策、外交といった面において「多くの皆様のご協力によって大きな成果を上げることができたと自負をしている」と語る一方で「この間、旧統一教会をめぐる問題や派閥の政治資金パーティーをめぐる政治と金の問題など、国民の政治不信を招く事態が相次いで生じた。私としては被害者救済法の成立や政治資金規正法の改正など、課題への対応や再発防止策を講じることが、総理総裁としての私の責任であるという思いで、国民を裏切ることがないよう信念をもって臨んできた。特に政治と金の問題をめぐっては派閥解消、政倫審への出席、パーティー券購入の公開上限引き下げなどの判断について、ご批判もいただいたが、国民の信頼あってこその政治であり政治改革を前に進めるとの強い思いをもって、国民のほうを向いて重い決断をさせていただいた」などと旧統一教会と自民党議員との関係についての問題や一連の裏金問題について言及。

 そのうえで「残されたのは自民党トップとしての責任。もとより、所属議員が起こした重大な事態について、組織の長として責任を取ることにいささかの躊躇もない。今回の事案が発生した当初から思い定め心に期していたこともあり、当面の外交日程に一区切りがついたこの時点で、私が身を引くことでけじめをつけ、総裁選に向かって行きたいと考えている」とこの日に不出馬を表明した経緯を明かした。

 そして「日本が直面する内外の難局は本当に厳しい状況。今般の総裁選挙では、我こそは、と思う方は積極的に手を挙げて、真剣勝負の議論を戦わせてほしいと思っている。そして新総裁が選ばれた後はノーサイド。主流派も反主流派もなく、新総裁の下で一致団結、政策力、実行力に基づいた真のドリームチームを作ってもらい、何よりも大事なのは国民の共感を得られる政治を実現することになる。それができる総裁であるかどうか、私自身も自分の1票をしっかり見定めて投じていきたいと思っている」と続けた。

 今後については「政治家・岸田文雄として引き続き取り組まなければいけない課題がある」として、30年続いたコストカット型、縮小均衡型、デフレ型経済からの脱却を確かなものにするための経済政策、原発の再稼働・新型核新炉の設置を含めたエネルギー政策、ウクライナ問題の終結といった外交問題、日韓国交正常化60年となる日韓関係の正常化、戦略的互恵関係に基づいた日中関係、そして拉致問題の解決を含む日朝関係といった北東アジアの近隣外交の前進、憲法改正、政治改革といった諸問題を挙げたうえで「着実に実行していきたい」と決意を述べた。

 最後は「私の政治人生、そして政治生命をかけて一兵卒として引き続きこうした課題に取り組んでいく。まずは9月までの任期中、総理総裁としての私の責任において、できるところまで最大限進めていく。そして今後とも能登半島地震からの復旧復興や南海トラフ地震や台風などへの災害対策をはじめ、最後の一日まで政策実行に一意専心であたっていく」などと語った。

 その後の質疑応答では改めてこのタイミングでの表明について「日本が直面している内外の課題に取り組んでいくことは重要なことだが、だからこそ政治への国民からの信頼が大事だと思っている。こうした国民の共感や信頼を再び取り戻すことによってこそ、こういった政策は前に進めることができると信じている。そういったことから自民党は変わらなければいけない。そして“自民党は変わった”と示す第一歩が私自身が総裁選に出馬しない、身を引くことと判断して今回の決断に至った」と改めて、自民党の信頼回復の第一歩として自らが身を引くことを決断したことを説明。

 後継者については「政治と金の問題、あるいは政治の信頼回復の問題については一連の改革努力が続けられてきたし、これからも続けていかなければならない。こうした一連の改革マインドが後戻りすることがないような方であってもらいたい」などと政治改革の推進を期待した。

 また「政治と金をめぐる問題が発生してからトップの責任のあり方については思いを巡らせてきた」という中で「政治家としてやりたかったこと、そしてやるべきことを今一度しっかりと整理をし、そして方向誠意を示す。総裁選挙から撤退するにあたっても、それだけはしっかりと示していく。そういった政治家の意地みたいなものはあった。ですから、この国会が閉幕してから先送りできない課題について取り組み、結果を出していくことに専念した」と国会閉幕後の最低賃金の引き上げ、物価高対策といった経済対策、旧優生保護法問題への対応、NATOサミットへの出席といった外交、憲法改正へ向けての党内議論の整理といった政治課題を挙げたうえで「これだけはやったうえで、今回の不出馬表明をしたいということを強く思ってきた。先ほども申し上げた通り、政治家としての意地をしっかりと示したうえで、これから先を考えた場合に自民党の信頼回復のためには身を引かなければいけないということで、今回の決断をしたということ。ぜひしっかりとした総裁選挙を行い、選ばれた総裁は今度こそオール自民党で、ドリームチームを作って信頼回復に向けてしっかりと取り組んでもらいたい。そのための決断でありたいと思っている。タイミングということについては今言ったような思いで取り組んだうえで今日に至ったということ」などと語った。

 自民党総裁選は9月に開催の予定で、これまで石破茂元防衛相、河野太郎デジタル相、茂木敏充幹事長、野田聖子元総務相、高市早苗経済安全保障担当相、加藤勝信元厚労相、小泉進次郎元環境相、小林鷹之前経済安全保障担当相といった多くの候補者の名前がメディア等で挙がっている。

第77回国連総会が9月19日から26日まで開催。岸田首相が国連改革や核兵器のない世界の実現を訴える

2022.10.01 Vol.Web Original

 第77回国連総会が9月19日から26日まで開催された。今回の総会では各国の首脳やハイレベル代表者が一堂に会して、ロシアのウクライナ侵攻、気候変動対策、食料安全保障、教育へのアクセス、ジェンダー平等などの主要課題をめぐって議論した。

 日本の岸田文雄首相は9月20日(日本時間21日)に一般討論演説を行い、ロシアのウクライナ侵攻を「国連憲章の理念と原則を踏みにじる行為。断じてそのようなことを許してはならない」としたうえで、国連について「大国のためにあるのではない。全ての加盟国の主権平等の原則に基礎を置き、国際社会全体のためにある」と主張し、国連の理念実現のための日本の決意を表明。そこで「安全保障理事会を含む国連の改革」「国際社会における法の支配を推進する国連の実現」「新たな時代における人間の安全保障の理念に基づく取組の推進」といったことを掲げた。また広島出身の総理大臣として「核兵器のない世界」の実現に向けての決意を語った。

 また国際連合広報センターは「SDGメディア・コンパクト」に加盟する日本のメディア有志108社とともに気候変動対策アクションを呼びかけるキャンペーン「1.5℃の約束-いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」を6月17日に立ち上げているのだが、第77回国連総会ハイレベルウィーク初日の9月19日から、気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)の最終日である11月18日までの2カ月間をキャンペーン強化期間として情報発信を強化している。

 このキャンペーンは、メディアの情報発信を通じて、なぜ世界の平均気温上昇を産業革命以前と比較して1.5℃に抑えることが必要なのかについて理解を促進し、地球温暖化をはじめとする気候変動に歯止めを掛けるための具体的なアクションを提示し、個人や組織に行動変容を促すことを狙いとしている。「SDGメディア・コンパクト」に加盟しているメディアが、国レベルで共同キャンペーンを展開するのは世界で初めてとなる。

大阪・関西万博公式キャラクター、名前は「ミャクミャク」

2022.07.19 Vol.Web Original

 2025年大阪・関西万博の公式キャラクターの名前が「ミャクミャク」に決定した。18日、東京スカイツリーで開催された2025年大阪・関西万博 開幕1000日前イベント「1000 Days to Go!」のなかで発表された。

 岸田文雄総理は「歴史、伝統、文化、世界とのつながり、こうしたものをミャクミャクと引き継ぐと聞いてきた。万博のテーマ、命ともつながっている。初めてミャクミャクの実物を見ましたが、この名前のもとに、多くの人たちから愛されるキャラクターとして活躍してほしい」と期待を寄せた。

 イベントでは、東京スカイツリーも赤と青の大阪・関西万博カラーにライトアップされた。

 細田健一経済産業副大臣は「空飛ぶ車が飛び回り、人型ロボットと会話ができるという未来の社会が1000日後に来る。本当にワクワクします。一生懸命準備をするので会場に足を運んでいただければと思う」と話した。

2025年日本国際博覧会協会の十倉雅和会長は「大阪・関西万博はみんなで共に作る万博、誰もが参加できる万博を目指しており、この思いを『Join 2025』というメッセージに込めています。公式キャラクターとともにこのメッセージを力強く発信していくことで、万博に関わるすべてのみなさまと、共創の輪を広げてまいりたい」と、メッセージした。

昨年の衆院選大阪選挙区で敗れた自民党の11人が「挑戦の会」を設立。岸田首相が駆け付けエール

2022.05.22 Vol.Web Original

 昨年の衆議院議員選挙において選挙区全敗となった自民党大阪選挙区11人のメンバーが「挑戦の会(チャレンジャーの会)」(代表・中山泰秀前防衛副大臣)を発足し、5月21日に大阪で、自由民主党総裁の岸田文雄首相を迎え設立総会が行われた。

 総会には1000人を超える参加者と来賓に住友電気工業代表取締役会長の松本正義氏、サントリーホールディングス代表取締役副会長の鳥井信吾氏、一般財団法人国民政治協会大阪府支部会長でレンゴー代表取締役会長兼CEOの大坪清氏、日本商工連盟大阪地区代表世話人でサクラクレパスホールディングス代表取締役社長の西村禎一氏などが参加。岸田首相は11人のメンバーに「議席獲得につながるよう祈念します」などとエールを送った。

 最後は全国トラック事業政治連盟最高顧問の坂本克己氏が岸田首相、メンバーと共に大阪での党勢復活と次期衆院選での当選を期す“頑張ろうコール”で締めくくった。

 昨年10月に行われた衆議院議員選挙で大阪選挙区は全19の小選挙区のうち日本維新の会が15議席を獲得。残る4区は公明党が獲得した。自民党は候補者を立てた15の小選挙区で全滅し、比例で宗清皇一氏(大阪13区)と谷川とむ氏(大阪19区)が復活当選を果たした。今回の「挑戦の会」はこの2氏と次期衆院選に不出馬の意向を示した2人を除く11人によって結成されている。

「東京国際映画祭の開催は勝利」仏女優イザベル・ユペールが来日に感激

2021.10.30 Vol.Web original

 

 第34回東京国際映画祭オープニングイベントが30日、東京国際フォーラムにて行われ、岸田文雄内閣総理大臣やクリント・イーストウッド監督がメッセージを寄せた。

 冒頭、安藤裕康チェアマンは「昨年同様、コロナ禍ということで本当に開催できるかヤキモキしましたが、感染状況もひと段落し、たくさんのお客様を迎えて開催でき感無量です」と開幕を宣言。

続いて、岸田文雄内閣総理大臣がビデオメッセージで開催を祝福。岸田総理は「コロナとの戦いが続くなか、このようにリアルとオンラインを織り交ぜた新しい形の映画祭を開催できたことは、皆さんの努力と創意工夫のたまもの」とたたえ「こうしたソフトパワーは経済成長の源泉。我が国の文化芸術を外交にも積極的に活用していきたい。その意味でも映画祭は日本のソフトパワーを世界の人に知ってもらう貴重なチャンス」と期待を寄せた。

初めて聞く新しい政策分野「経済安全保障」とは? 自民党の8つの重点政策を検証【後編】

2021.10.27 Vol.Web Original

 第49回衆議院議員総選挙は10月19日に公示され、31日の投開票日に向け、熾烈な戦いが展開されている。

 現在の日本は昨年来の新型コロナウイルスの影響で経済、教育、生活といったさまざまな分野で疲弊が見られ、これまでにも増して有権者には次の政権の政策遂行能力やスピード感などの見極めが要求される選挙となっている。

 その中で投票行動にあたって軸となるのはなんといってもこれまで政権を担ってきた自民党の政策になるだろう。その観点から前回( https://www.tokyoheadline.com/579189/ )では自民党が10月8日に発表した8つの分野の重点政策のうち(1)感染症から命と暮らしを守る。(2)「新しい資本主義」で分厚い中間層を再構築する。「全世代の安心感」が日本の活力に。(3) 国の基「農林水産業」を守り、成長産業に。(4)日本列島の隅々まで、活発な経済活動が行き渡る国へ。の4つについて読み解いてきた。今回は残りの4つについて検証する。

 まずは5番目の「経済安全保障を強化する。」

「経済安全保障」というのは聞きなれないネーミングだが、これは先の自民党総裁選で岸田文雄首相が掲げた新しい政策分野。首相は組閣では経済安保相のポストを新設、小林鷹之氏がその任に就いた。有事の際にも必要な物資を国内で調達できるようにすること、日本の機微技術、先端技術、戦略物資の海外流出の阻止、サイバー攻撃対策、といった幅広い分野で国民の生命や財産を守るべく取り組んでいくという。選挙に勝って政権を維持すれば、来年の通常国会で戦略技術・物資の特定と技術流出の防止等に資する「経済安全保障推進法(仮称)」の制定を目指すことになる。

「新しい資本主義」ってなんだ? 自民党の8つの重点政策を検証【前編】

2021.10.26 Vol.Web Original

 第49回衆議院議員総選挙は10月19日に公示され、31日の投開票日に向け、熾烈な戦いが展開されている。

 昨年9月に発足した菅義偉政権は新型コロナウイルス対策を最優先課題に掲げ、そして今夏には1年延期された東京オリンピック・パラリンピックが開催されたりとさまざまな要因があったことから衆議院の解散は10月21日の任期直前の10月14日。解散から投票日までが戦後最短の17日という史上まれにみる選挙戦となっている。

 なおかつ自民党は9月29日投開票で総裁選を行ったのだが、総裁選から総選挙の間隔がこれほど短いというのは初めてのこと。その総裁選を制し、今回の総選挙で自民党の顔となるのは岸田文雄首相。岸田氏は10月4日に第100代首相に選出されると同日夜の会見で政権を「新時代共創内閣」と名付け「私が目指すのは新しい資本主義の実現だ」と述べ、成長戦略とともに富の再分配を重視する考えを強調。「新しい資本主義実現会議」を設置し、ポストコロナ時代の経済社会ビジョンを策定する考えを示した。

 そして自民党は8日には総務会で総選挙の重点政策を了承。

(1)感染症から命と暮らしを守る。
(2)「新しい資本主義」で分厚い中間層を再構築する。「全世代の安心感」が日本の活力に。
(3) 国の基「農林水産業」を守り、成長産業に。
(4)日本列島の隅々まで、活発な経済活動が行き渡る国へ。
(5)経済安全保障を強化する。
(6)「毅然とした日本外交の展開」と「国防力」の強化で、日本を守る。
(7)「教育」は国家の基本。人材力の強化、安全で安心な国、健康で豊かな地域社会を目指す。
(8)日本国憲法の改正を目指す。

 という柱となる8つの分野を発表した。この自民党の重点政策を2回にわたって検証してみる。

 岸田首相は解散の14日夜に官邸で会見を開き、選挙期間中も新型コロナ対策に万全を期していくことを宣言した。「感染状況が落ち着いているうちに最悪の事態を想定した対策を準備することが必要」とし、公的病院の新型コロナ専用病床化や、実際には患者の受け入れに使用されなかった、いわゆる“幽霊病床”の見える化を図り、感染拡大時の病床稼働率を8割超まで引き上げるとした。またさまざまな支援策にも言及。これらが1番目の「感染症から命と暮らしを守る。」政策となる。

自民党総裁選で岸田文雄氏が決選投票で河野太郎氏に87票差をつけ勝利。新総裁に就任

2021.09.29 Vol.Web Original

1回目の投票でも河野氏を押さえトップに

 自民党の総裁選挙が9月29日に投開票され、岸田文雄前政調会長が決選投票で河野太郎ワクチン担当相を破り、第27代総裁となった。

 今回の総裁選には岸田氏、河野氏、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行の4氏が立候補した。

 国会議員票380(有効投票数)と党員票382の計762票を争った1回目の投票では岸田氏が256票(議員票146票、党員票110票)で河野氏の255票(議員票86票、党員票169票)を押さえトップとなったが、過半数に届かなかったため決選投票となった。3位は高市氏で188票(議員票114票、党員票74票)、4位は野田氏で63票(議員票34票、党員票29票)だった。

 党員票が都道府県各1票に圧縮される決選投票では岸田氏が257票(議員票249票、党員票8票)、河野氏が170票(議員票39票、党員票131票)だった。

 新総裁に選出された岸田氏は「コロナ対策に必死の覚悟で努力を続けていかなければならない。また数十兆規模の経済対策を年末までに作り上げなければならない。そしてその先には新しい資本主義、また自由で開かれたインド・太平洋の実現、さらには少子化対策など、我が国の未来に関わる重大な課題が山積している。私は早速今日から全力で走り始めます。全国の党員の皆さん、国会議員の皆さん、ぜひ一緒に走っていただきたいと思います。岸田文雄の特技は人の話をしっかり聞くということ。皆さんと一緒に開かれた自民党、そして明るい日本の未来を目指して努力をする覚悟であります」などと挨拶した。

 今後、岸田氏は10月4日に召集される臨時国会で行われる首相指名選挙を経て第100代首相に選出されることになる。

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