公開中の映画『帰れない山』の公開記念舞台挨拶が5日、都内にて行われ、ゲストとして片岡鶴太郎が登壇。映画にちなみ人生の転機について振り返った。
北イタリアの雄大なるモンテ・ローザ山麓を舞台に、都会育ちのピエトロと、同い年の牛飼いブルーノの友情と成熟を描く。第75回カンヌ国際映画祭にて審査員賞を受賞した話題作。
本作に感動のコメントを寄せていたという片岡。「見終わった後、自分はどうだったかなと重ね合わせながら、余韻に浸っていた」と振り返りつつ、好きなシーンを聞かれると、ピエトロとブルーノが気になる女の子について探り合うシーンをあげ「男同士の友情はお金の貸し借りとか女性の関係で崩れることが多いので気を付けないと。これは絶対です(笑)」と笑いをさそった。
片岡は、父に連れられ幼少期から寄席に通っていた影響で芸人を目指したと振り返り「子どものころ舞台裏にサイン帳を持って行って、若いころの(立川)談志師匠にももらいに行ったんです。“何だい、見てたのかい”なんて言ってもらってね。楽屋での芸人さんの風情がめちゃくちゃかっこよくて迷うことなくその道に進みました。私はかっこいいなと思うものしかやってきてないんです」。
物まね芸人やプロボクサー、芸術家、ヨガ実践家と多彩な経歴をたどってきた片岡。「人に相談してもいい加減なことを言うものですから。自分がやりたいとおもったことをひたすら信じてやってきました」と語り「自分の魂がやりたいと思ったことに素直に従うことが一番」と笑顔。
主人公たちの深い友情の絆に「うらやましいとも思いました」という片岡。「今、私の中で一番信頼を置いて尊敬しているのはヨガのマスター」と変わらぬヨガへの情熱を見せていた。