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「日本映画界は皆さんの味方」日本アカデミー賞新人賞の齋藤飛鳥、板垣李光人、森本慎太郎らに役所広司がエール

2025.03.14 Vol.web original

 第48回日本アカデミー賞授賞式が13日、都内にて行われ、役所広司が新人俳優賞たちに熱いエールを贈った。

 新人俳優賞を受賞したのは、齋藤飛鳥(『【推しの子】-The Final Act-』)、渋谷凪咲(『あのコはだぁれ?』)、山田杏奈(『ゴールデンカムイ』『正体』)、赤楚衛二(『六人の嘘つきな大学生』『もしも徳川家康が総理大臣になったら』)、板垣李光人(『八犬伝』『はたらく細胞』『陰陽師0』)、越山敬達(『ぼくのお日さま』)、齋藤潤(『カラオケ行こ!』)、森本慎太郎(『正体』)。

 昨年、ヴィム・ベンダース監督作『PERFECT DAYS』で最優秀主演男優賞を受賞したプレゼンターの役所広司と一人ひとり握手をして登壇した受賞者たち。

 役所は「新人賞は一生で一度しかもらえない賞。僕もつい最近までは新人だったんですけど」と笑いを誘いつつ「撮影現場には、優しい先輩、怖い先輩、たくさんの先輩がいますが、ここにいらっしゃる日本映画界の方々は全員皆さんの味方ですから。ときには『あぶ刑事』の2人みたいに強面の先輩もいますけど(笑)、間違いなく味方です。皆さんが頑張っている姿を見るのが大好きな先輩たちです」と語り「これからものびのびと良い日本映画を作ってください」とエール。

 役所の言葉に受賞者たちも感激の面持ち。役所の主演作『八犬伝』で八犬士の1人を演じた板垣は「この素晴らしい景色と、役所さんの言葉を胸に一生懸命精進してまたここに戻って来たいと思います。ときに自分の居場所に迷ってしまう自分に、あなたの居場所はここでいいんだと伝えたい。本当にありがとうございました。幸せです」。

 齋藤も「これまでの人生、運に恵まれているなと思うことが多くありましたが今回ここで確信しました。私はかなり運がいいようです」と作品やキャスト、スタッフに感謝。

 森本は「一生に一度しかとれない新人賞を頂いて光栄です」と喜びとともに、難しい撮影を振り返りつつ主演の横浜流星やキャスト、スタッフに感謝を述べ「また胸を張って帰ってこられるよう精進したいと思います」と前を見すえていた。

松坂桃李、黒澤明と三船敏郎ゆかりの“お宝”を小道具で使用「緊張で手が震えました」

2025.01.24 Vol.web original

 

 映画『雪の花 ―ともに在りて―』の初日舞台挨拶が24日、都内にて行われ、俳優の松坂桃李、芳根京子、役所広司と小泉堯史監督が登壇。松坂が、名匠・黒澤明の“最後の弟子”とも言われる小泉監督ならではの撮影裏話を明かした。

 吉村昭の「雪の花」を原作に、多くの人命を奪う疫病と闘った町医者の愛と感動の実話を描く本格時代劇。

 主演の松坂は「午後3時にはその日の撮影が終わって翌日の準備ができるくらいスピードが速くて充実した日々でした」と、小泉組のプロフェッショナルな現場を振り返ると、妻役の芳根も「自然をも仲間にされる監督。緊張しても自然の音が入ってくる、心穏やかにいられる現場でした」。
 
 巨匠・黒澤明監督のもとで多くの作品に携わり“黒澤明の最後の弟子”といわれる小泉監督。黒澤監督に師事したのは、三船敏郎が医者を演じた『赤ひげ』(1965年)がきっかけだったといい「僕はずっと黒澤さんが好きで。この作品ももしほめてもらえたらうれしい。黒澤さんの影響受けているスタッフ皆そうだと思う」と笑顔。

 毎回、黒澤組で使用していた小道具を使ってきた小泉監督。「今回は、薬研(やげん)といって。黒澤さんが自宅で唐辛子を引いてラー油とか作ってたんですけど。それを松坂さんに使ってもらって」と言うと、松坂は「使う側は緊張しますよね。本番直前に監督にそんなこと言われるんで。博物館で展示するようなもの。緊張で手が震えました」。

 するとさらに小泉監督が「『赤ひげ』で三船さんが使ってたやつでしたからね」と言い、松坂は「今聞けて良かったです(笑)」と苦笑。

 この日は、先日16日に87歳で亡くなった映画撮影監督・上田正治さんを小泉監督が追悼。黒澤組時代からともに作品を手がけてきた盟友への思いを語りつつ「僕も早くそっちに呼ばれたい」と言うと、松坂は「僕はまだまだ監督と仕事がしたいです」と言い「素晴らしいスタッフ、キャストが作り上げた本作をぜひ多くの方につないでいただけたら」とアピールしていた。

『雪の花 ―ともに在りて―』は公開中。

日本最強のラノベ、南総里見八犬伝の裏と表を描いた超大作映画『八犬伝』を、観た!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

2024.11.06 Vol.web Original

 こんにちは、黒田勇樹です。

 気がついたら11月になってました。12月3日から始まる三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.17「いつの日か、また会おう!」の稽古が始まって、大変だけど楽しい日々を送っています。

 まだ半袖を着れそうな日もあるんですが、というか実際、半袖の人もいますが、寒い季節になってきたので皆さんお気をつけて。

 では今週も始めましょう。

役所広司と内野聖陽「老人2人で頑張った」実年齢は「同じ申年で一回り差」

2024.10.27 Vol.web original

 

 公開中の映画『八犬伝』の舞台挨拶が27日、都内にて行われ、俳優の役所広司、内野聖陽らキャスト陣と曽利文彦監督が登壇。同じ干支で一回り差という役所と内野が、八犬士役の若手俳優たちとの共演を振り返った。

 滝沢馬琴による「南総里見八犬伝」の世界と、その作者・馬琴の実話という2つのパートが交錯する、山田風太郎の同名小説の映画化。

 公開初日ナンバー1のヒット記録に、主演・役所は「あまり公開初日1位の作品に出たことないので三日天下にならないように…(笑)」と笑顔で期待。

 親友、馬琴と北斎を演じた役所と内野。内野が「役所さんは同じ申年で12年違う大先輩。でも北斎は馬琴よりずっと年上。役所さんがフランクに接してくださったおかげで自由に北斎を演じられました」と感謝すると、役所も「内野さんのおかげで…」。日本を代表する俳優2人が頭を下げ合い、会場もほっこり。

 老け役を演じた2人。実年齢は、役所が1956年1月生まれの68歳、内野が1968年9月生まれの56歳。役所が「老人2人でね、なるべく醜い老人で八犬士たちの美しさを引き立てるよう頑張ろうね、って」と振り返ると、内野も「特殊メイクで朝からずっと2人で」と苦笑。

 すると八犬士を演じた渡邊圭祐が「お2人に引き立てていただいて」と役所の茶目っ気に乗ったが「後々、各方面から怒られると思う(笑)」。同じく板垣李光人も、内野から「メチャクチャ美しかった」と絶賛され「助けていただきました(笑)」と感謝。

 ところが、水上恒司が「八犬士のうち、8分のさ3は汚いんです。そのうちの1人が僕。僕ら3人のおかげで残りの五剣士は輝いているということも言っておきたい」とアピールし、笑いを誘っていた。

 この日の登壇者は役所広司、内野聖陽、渡邊圭祐、鈴木仁、板垣李光人、水上恒司、栗山千明、曽利文彦監督。

栗山千明に役所広司「怖いですよ。あの顔で怒られたくない」悪役に太鼓判

2024.10.27 Vol.web orginal

 

 公開中の映画『八犬伝』の舞台挨拶が27日、都内にて行われ、俳優の役所広司、内野聖陽らキャスト陣と曽利文彦監督が登壇。玉梓を演じた栗山千明が悪役ぶりを役所から絶賛された。

 滝沢馬琴による「南総里見八犬伝」の世界と、その作者・馬琴の実話という2つのパートが交錯する、山田風太郎の同名小説の映画化。

 八犬伝の世界を描く【虚】パートで、里見家を呪う悪女・玉梓を演じた栗山。「八犬士が本当にかっこよくアクションを披露されている中で、強そうに見せなければならない、敵としてラスボスなので負けない迫力をどう出せるかを考えながら演じさせていただきました」と振り返りつつ「特殊メイクの力を借りまして、なかなか私も気に入っているんですが、かっこよくしていただきました」と胸を張り、とくに「冒頭、玉梓のいやらしさと言いますか、弱そうに見えて強かったり、変化があるシーンを上手くできるかと思いながら演じました。ぜひご覧ください」。

 そんな栗山のヴィランっぷりに作者・馬琴役の役所も「怖いですよ。あの顔で怒られたくない」と太鼓判を押して観客をあおり、会場の笑いを誘っていた。

 この日の登壇者は役所広司、内野聖陽、渡邊圭祐、鈴木仁、板垣李光人、水上恒司、栗山千明、曽利文彦監督。

磯村勇斗、阿部一二三から「減量」役作りを称賛されるも「肩幅が広いので」

2024.10.24 Vol.web original

 

 映画『八犬伝』(10月25日公開)のトークイベントが24日、都内にて行われ、俳優の役所広司、磯村勇斗が登壇。応援ゲストとして柔道家の阿部一二三も駆けつけ、劇中の磯村の減量ぶりに感嘆した。

 滝沢馬琴による「南総里見八犬伝」の世界と、その作者・馬琴の実話という2つのパートが交錯する、山田風太郎の同名小説の映画化。

 初共演で親子役を演じた役所と磯村。役所が「減量して、死に向かって日に日に痩せていく姿を演じる磯村くんを心配していました。このままあの世に行ってしまうのではと心配でした」と撮影現場を振り返りつつ「磯村くんは肩幅が広いので、肩だけはそのままで…」と茶化すと、磯村も「肩を削っておけばよかったなと後悔してます(笑)」。

 さらにこの日は、東京、パリオリンピックの金メダリストでもある柔道家・阿部一二三選手が応援ゲストとして登壇。失明してもあきらめることなく28年をかけて「八犬伝」を完成させた馬琴に、“あきらめない男”阿部選手も「あきらめない心は奇跡を呼ぶんだな、と。僕自身も試合に出れば最後までやり遂げる気持ちでいるので、とても共感しました」。

 すると役所は「柔道家の心にも響くとは思ってなかった」と喜びつつ「以前に加納治五郎の役をやったことがあるんです。だから一二三さんも、この映画をけなすことはできないと思う(笑)」と、伝説的柔道家を引き合いにしニヤリ。

 イベント前に阿部選手と減量の話をしたという磯村が「アスリートの方の本当の減量はすごいなと思いました」と語ると、阿部選手も「本当に顔もこけて目も出て…相当、大変な思いで減量したんだろうなと」と磯村の役作りに感嘆。

「努力は才能に優る」という劇中の言葉にも「自分が納得するものを作り出すために絶対に妥協してはいけないという馬琴の思いに、自分も最高の阿部一二三を作り上げたいと思いました」とさらなる意欲を見せていた。

 

役所広司が「仕事で怒らない理由」に磯村勇斗が共感「僕もコントロールするようにしています」

2024.10.24 Vol.web orignal

 

 映画『八犬伝』(10月25日公開)のトークイベントが24日、都内にて行われ、俳優の役所広司、磯村勇斗が登壇。磯村からの“直撃インタビュー”に対する役所の回答に一同が感嘆した。

 滝沢馬琴による「南総里見八犬伝」の世界と、その作者・馬琴の実話という2つのパートが交錯する、山田風太郎の同名小説の映画化。

 この日は、馬琴役の役所とその息子・宗伯役の磯村が“親子”で登壇。役所と初共演となる磯村は「ずっと現場にいらっしゃって、本当に現場がお好きなんだなと。僕も現場が好きなのでこれからも現場にいることを大切にしたいと思いました」と振り返ると、役所は「美術さんが作ってくれた馬琴の部屋にいたほうが、ここが自分の居場所なんだと一番安心するんです」と照れ笑い。

 シーンの前に集中する役所の姿にも「勝手ながら学ばせていただきました」と明かしていた磯村。この日は、一般から寄せられたものと磯村自身の質問を役所に“直撃”。

「長く役者を続けていくために大切にしてきたことは」という磯村からの質問に、役所は「俳優も社会人なので。俳優だから許されることは無いんですね。社会人として、挨拶ができること、遅刻しないこと。そして作品はチームで作るものだから人間関係を大切にすることが一番大事な気がします」と真摯に語りつつ「やっぱり人間的に欠陥があると呼ばれなくなる(笑)」と“長続き”の秘訣を語り、会場も大笑い。

「良い人間関係が一番、楽しいものを作り出す気がする」という役所の言葉に磯村も「長く続けられている方を見ると、皆さんすごく腰が低かったり物腰が柔らかい」と納得の表情。

 そんな役所だが、磯村から「馬琴はけっこう息子に厳しかったですけど、普段、怒ることや怒鳴ることってありますか」と聞かれると役所は「仕事場ではほとんど無いですね。若いころ、ちょっとカッとして怒ったことがあるけど、良いことは一つもない」。

 プライベートでは?と聞かれると「ときどきありますけど、じっと我慢してますね(笑)。うちの庭をトイレと思っている野良猫にカッとしたり、それにエサをあげている人がいるとムッとしますけど…動物をかわいがってるんだから、と我慢してます」と苦笑。

 磯村も「僕も現場で怒ったりカッとなることはないですね。普段もイラっとすることはありますけどコントロールするようにしています」と言い、役所も「偉いねー」と感心。

 磯村から役所へのインタビュー状態となった質問コーナーに、磯村も「本当に贅沢」と顔をほころばせていた。

 この日は柔道家・阿部一二三選手も応援ゲストとして駆けつけ、馬琴の「あきらめない心」に深い共感を寄せていた。

 

【明日何を観る?】前代未聞のエンターテインメント超大作『八犬伝』

2024.10.24 Vol.759

 世界に誇る日本ファンタジー小説の原点『八犬伝』を、八犬伝の物語を描く“虚パート”と、作者・滝沢馬琴を描く“実パート”を交錯させながら実写映画化した前代未聞のエンターテインメント超大作。

“実パートでは滝沢馬琴に役所広司、葛飾北斎に内野聖陽、馬琴の息子・宗伯(鎮五郎)に磯村勇斗、宗伯の妻・お路に黒木 華、馬琴の妻・お百に寺島しのぶと日本映画界を代表する実力派が集結。“虚パート”では伏姫に土屋太鳳、玉梓に栗山千明、さらに八人の剣士に渡邊圭祐、鈴木仁、板垣李光人、水上恒司、松岡広大、佳久創、藤岡真威人、上杉柊平。加えて重要な役どころで河合優実、塩野瑛久と旬な顔ぶれがそろう。

役所広司主演『八犬伝』八犬士役に渡邊圭祐や板垣李光人 宿敵・玉梓役は栗山千明

2024.04.18 Vol.web original

 映画『八犬伝』(10月公開)の新キャスト9名が発表され、合わせて特報映像も解禁された。

 山田風太郎の小説『八犬伝 上・下』(角川文庫刊)を『ピンポン』『鋼の錬金術師』シリーズの曽利文彦監督が映画化。役所広司が演じる主人公・滝沢馬琴が失明しながらも『八犬伝』を書き上げるまでの実話と、里見家の呪いを解くため八つの珠に引き寄せられた八人の剣士たちの運命をダイナミックなVFXで描く「八犬伝」=虚構の世界がシンクロしながら描かれるエンターテイメント超大作。

 馬琴役の役所広司に加え、葛飾北斎役・内野聖陽、伏姫役・土屋太鳳、馬琴の息子・宗伯役・磯村勇斗、宗伯の妻・お路役・黒木華、馬琴の妻お百役・寺島しのぶと豪華キャストがそろう。

 今回、新たに八犬士役と宿敵・玉梓役のキャストが発表。

八犬士・犬塚信乃役に大河ドラマ「光る君へ」出演の渡邊圭祐。犬川荘助役に『からかい上手の高木さん』(5月31日公開)の鈴木仁。犬坂毛野に『陰陽師0』(4月19日)『ブルーピリオド』(8月9日公開)など話題作が続く板垣李光人。犬飼現八役に『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の水上恒司。犬村大角役に『沈黙の艦隊』の松岡広大。犬田小文吾役に「王様戦隊キングオージャー」の佳久創。犬江親兵衛をドラマ「君とゆきて咲く ~新選組青春録」の藤岡真威。犬山道節役にドラマ「幽☆遊☆白書」の上杉柊平。

 里見家を祟る八犬士の最大の敵・玉梓を栗山千明が演じる。

 合わせて特報映像も解禁。八犬伝の“虚”の世界と、その物語を生み出した馬琴の生きざまを描く“実”の世界が交錯。「八犬伝」に生涯をかけた馬琴の創作の裏に隠された真実と奇跡の実話、そしてかつてないスケールで描かれる八犬士の壮大な戦いに期待が高まる映像となっている。

【特報 YouTubeリンク】

役所広司「海外で渋谷にはきれいなトイレがあると言うと笑い起きる」日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞

2024.03.08 Vol.web original

 第47回日本アカデミー賞授賞式が8日、都内にて行われ『PERFECT DAYS』の役所広司が最優秀主演男優賞を受賞した。これまで『Shall we ダンス?』『うなぎ』『孤狼の血』に続き4度目の同賞の受賞。4回の最優秀主演男優賞受賞は故・高倉健さんと並ぶ。

 優秀主演男優賞を受賞したのは、阿部サダヲ(『シャイロックの子供たち』)、神木隆之介(『ゴジラ-1.0』)、鈴木亮平(『エゴイスト』)、水上恒司(『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』)、 役所広司(『PERFECT DAYS』)の5人。

 トークでは、阿部が『シャイロックの子供たち』で「優秀脚本賞を受賞したツバキミチオさんと、撮影現場にいらっしゃった池井戸潤先生と同一人物だった」と暴露し“ツバキ氏”は「それ内緒なんですよ。バラしちゃダメじゃないですか」と苦笑。まさかの原作者の正体に会場がどよめく一幕も。

『ゴジラ-1.0』の過酷な撮影を振り返っていた神木。そこに、18年前に神木が『妖怪大戦争』で新人俳優賞を受賞したときの映像が紹介され、神木は「前髪が短いのにえりあしが長い(笑)」と苦笑しつつ「当時、うれしかったですけど子どもだったので、ちゃんとしゃべらなきゃといっぱいいっぱいでした」と振り返った。

 すると阿部が「僕も出てたの覚えてます? 神木くんはその時から優しかったんですよ。僕は河童役で(特殊メイクで)何も食べられないのにガムをくれたんです」と明かし笑いをさそった。

 役所広司は、巨匠ヴィム・ベンダース監督との撮影を振り返りつつ、海外での高評価に「海外で、東京の渋谷という街に、17の美しいトイレがあります、と言うとそれだけでお客さんが笑うんです。どうも、公衆トイレが美しいということが、本当かな?という思いがあって、笑うみたいですね」というエピソードを披露しつつ「この映画を見てか、利用者の方の愛想がよくなったと聞いて、やって良かったと思いました」と笑顔。

 そんな役所は最優秀主演男優賞の受賞に「本当にいいもんですね」と感激しつつ「これでやっと“ゴジラ”の牙を少し抜いた気がします(笑)」と受賞ラッシュの『ゴジラ-1.0』に対抗心を見せ会場の笑いをさそっていた。

柄本時生、父・柄本明の言葉を明かす「役所は上手いぞーって言ってました」

2023.12.23 Vol.web original

 

 公開中の映画『PERFECT DAYS』の舞台挨拶が23日、都内にて行われ、主演・役所広司と共演の柄本時生、中野有紗が登壇。役所が、子供のころから知っているという柄本の成長に目を細めた。

 名匠ヴィム・ヴェンダースが役所広司を主演に迎え、東京・渋谷の公共トイレ清掃員の日々を描くヒューマンストーリー。

 寡黙なトイレ清掃員・平山を演じた役所は、昨日発表された、米国アカデミー賞のショートリスト選出入りに「日本代表作品に選ばれたので、あともう1歩行きたいですね」とノミネート入りに期待。

 その同僚タカシを演じた柄本は、役所との共演について聞かれると「かっこいいですね、本当に。これはうちの父が言っていたんですけど“上手いぞー、役所は上手いぞー”って。その意味を少しでも分かればいいなと思いながら見せていただいた。僕の中ではすごく濃密な時間でした」と、父・柄本明の言葉を明かしながら振り返った。

 そんな柄本に役所が「お父さんから、よく育ててもらいましたね。ちゃんと先輩を立てるところも立派だと思います(笑)。時生くんのことは昔から知っていて。子供のころにはお父さんに連れられて家に来たこともある。そのことを(柄本は)忘れてましたけど(笑)」と明かしつつ「いい役者さんになったなと思いました」。柄本も恐縮しながら「(家に行ったことは)まったく覚えてませんでした」と苦笑。

 平山にちなみ「毎日しているルーティーンは」と質問されると、柄本が「起きたら大体、喫茶店に行く」と回答すると役所が「親父と一緒じゃん(笑)」と噴き出す一幕も。

 さらに柄本が「あと寝る前に、映画のラストシーンだけ見るというのが趣味です」と言うと、役所は「ラストシーンだけ見るの? それって映画を早巻きにして見るというのと…」と驚くと、柄本は慌てて「違います、全部見ていると時間が無いので、寝る前に好きな映画のラストだけ見て全部を思い出すということをしてます」と説明し、役所も「1回、見たやつね」と納得。

 あわや役所に誤解されるところだった柄本は「新作のラストだけ見るなんてことはしませんよ」と冷や汗をかいていた。

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