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磯村勇斗が悩める将軍・徳川家茂を好演!大河ドラマ『青天を衝け』で存在感

2021.05.15 Vol.Web Original


 磯村勇斗が初挑戦の大河ドラマ『青天を衝け』で存在感を示している。

「大河ドラマは初めてなので、お話をいただいたときは自分にできるのかと不安が強かったのですが、挑戦してみたいという気持ちがあったので、うれしかったです。『ひよっこ』(2017年の連続テレビ小説)でお世話になったスタッフさんたちもいらっしゃったので、またご一緒できることを楽しみにしていました」

 若くして将軍となった徳川家茂を、さわやかに、そして優しく、繊細さをにじませながら穏やかに演じている。

「登場は13歳。子どもの時から将軍になり21歳で亡くなってしまいます。分からないながらも、一生懸命幕末の時代を背負い……いろいろな意見に流されてしまいます。(妻の)和宮さまを一筋に愛し、ものすごく心の豊かな人で気遣いができる将軍。威張ったり怖い将軍というよりも、どんな身分の人に対しても寄り添える将軍を演じられたらと思っています」

「実在する人を演じるということは演じるうえで責任を感じる」と話す。撮影前には家茂に関する情報を一通り調べた。そしてベースとなるところを身に着けた。たとえば、将軍としての所作だ。

「所作の先生にしっかりと教えていただきました。将軍としての姿勢や歩き方、手の置き方といったことを勉強して、あとは現場で聞きながら、家茂を創り上げていきました。所作は難しいです。制限と考えてしまうので、気にし過ぎてしまい、やりづらいと感じるところもあるんです。ただ、一番大事なのはその時の家茂の感情。所作も気持ちで乗り越えることができると思いました。難しかったですが新しい発見もあって面白かったです」

 劇中で家茂は、いろんな人にいろんなことを言われ、もまれる。

「『青天を衝け』の家茂は可哀想だなと思います。いろんな人の意見を取り入れなければいけないし、ちぐはぐなことをいわれるし、苦しかったんだろうなと演じていて思います……だから甘党になっちゃったんじゃないかな(笑)」

 そんな家茂を「らしい」やり方でサポートするのが草彅剛演じる一橋慶喜だ。

「(家茂が)若くて何もできないところを手助けをしてくれたり喝を入れてくれたり。助けてもらってはいるものの、家茂も悔しいなというところがあるんですね、(慶喜に)全部いいところを持っていかれてしまうので。それをお互い言うわけでもなく、うわべだけの関係性が続いていたのかな」

 そんな関係性のためか現場で交流するということはあまりないという。

「草彅さんとは現場で独特な緊張感があります。挨拶はするんですけど、なんだか、しゃべらなかったです。(草彅さんは)慶喜として生きているので、お芝居で会話をしている感じで、最後のほうで家茂が苦しいところに慶喜が来てくれるんですけど、そこで草彅さんとやっと心が通じあえた気がしました」

 今後注目してほしいシーンは和宮とのシーンだという。「2人きりのたわいもない会話というか、2人の関係性に注目してもらえたらなと思います。一番愛していた人なので」と、磯村。「ロマンチックだな、愛あるセリフだな」と感じる言葉もあったといい、「(和宮を演じる)深川麻衣さんとの呼吸が一緒になっていたような時間の流れ、お芝居でした。見ていて心が苦しくなると思うんですけど、この2人が幸せになってほしいと思ってもらえるシーンになった」と、穏やかに語る。

 家茂にとって「和宮さまの存在は大きかった」と強調する。

「(和宮とは)政略結婚で出会ったものの、ちゃんと一人の女性として愛したいという気持ちが強かったと思うんです。本当に和宮さんしか見ていなかったし、一途に大好きだったので、心の支えになっていたと思います。家茂の精神がぶれないでいるというか、気持ちが落ちないでいられたのは和宮さまのおかげ」

  『青天を衝け』は9日放送から一橋家臣編に入った。物語の舞台は京へと移り、主人公の渋沢栄一らは幕末のヒーローたちに出会い、影響を受け、成長していく。家茂の周辺もざわついてくる。

 今後の見どころについて聞かれると、磯村は「どの時代にも通じると思いますが、未来有望な人が、どのように人と出会い、どんな言葉をもらって、大人になっていくかがすごい大事。『青天を衝け』だけのことではないと思いますが、出会い、人々に注目していただければ」と話した。

『青天を衝け』は、 毎週日曜、NHK総合で20時~。BSプレミアム・BS4Kで18時~。再放送土曜13時5分~。

 

(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)

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