コロナでなかなか旅行に行けない間、日本各地の観光地はさらに魅力的になっていた! 今こそ「いつか行きたいと思っていた」特別な体験ができる場所を訪れてみては。
2022年のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』の舞台となり、東京圏に暮らす人の間でも注目が高まっている長崎県・五島列島の旅リポートをお届け!
五島列島は長崎港から西に約100キロに位置し、最も大きい島・福江島をはじめとする大小140あまりの島々からなる。
東京からのアクセスは、空路の場合、羽田空港・福岡空港から長崎空港へ飛び、トランジットで福江島の五島つばき空港(五島福江空港)へ。だいたい約3時間30分の空の旅となる。また長崎港などから五島列島の主要港へ、また五島の主な島と島の間は高速船やジェットフォイル、フェリーといった各種定期便も運航している。
いくつかの島をめぐるのも五島列島を訪れる醍醐味。島ごとに個性的で多彩な魅力が満載なので、ぜひ五島では1~2泊以上の滞在をおすすめしたい。
〈五島列島~極上リゾートステイ編~〉に続く第2弾では、五島の島々に息づく潜伏キリシタンの歴史や、島の文化を体感できるおすすめのアクティビティーを紹介。
【海外から教会めぐりに訪れる人も! 五島に受け継がれ日常に溶け込む“祈りの風景”】
西日本では珍しい石造りの教会・頭ヶ島天主堂(新上五島町)
豊臣秀吉や江戸幕府によるキリスト教禁止令のため迫害を受けながらも潜伏キリシタンとなって信仰を守り抜いた人々の歴史が伝わる五島。2018年7月には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産として登録。島々には合わせて51の教会が点在し、島の日常に教会のある風景が溶け込んでいる。
特に、教会が29も点在し“祈りの島”と称される上五島エリアには、西日本では珍しい石造りの教会・頭ヶ島天主堂やレンガ造りの建築が美しい青砂ケ浦天主堂など、歴史的建築物としても名高い教会もあり、教会めぐりも観光の一つの目玉となっている。
12月初旬から1月初旬までの約1カ月間は、上五島の教会29カ所の多くの教会がイルミネーションに彩られる。『日本夜景遺産』にも認定された幻想的な光景につつまれ祈りの気持ちを感じてみては。
とはいえ、いずれの教会も、観光地ではなくあくまで信仰の場。特に、世界遺産構成資産にある教会見学は個人・団体問わず事前連絡が必要(各協会のWEBサイトなどから予約申請が可能)。また見学や撮影可能な箇所、時間帯など、見学時のマナーもあらかじめ確認をしておこう。
若松島には潜伏キリシタンが身を潜めていたという「キリシタン洞窟」や、マリア様が幼子イエスを抱いているように見える自然の岩穴「ハリノメンド」があり、上五島と下五島を行き来する船のルートによって船上から見ることもできる。迫害されながらも信仰を守ろうとした人々の思いを今に語り継ぐ場所だ。
荒波の浸食によって出来た穴がマリア様が幼子イエスを抱いているように見える「ハリノメンド」
「キリシタン洞窟」の十字架