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湖北省からの入国禁止だけで新型肺炎拡大は防げるのか!?【NEWS HEADLINE】

2020.02.06 Vol.727

 中国の湖北省武漢市で昨年12月以降に発生が報告された新型コロナウイルスによる肺炎が世界中に広がりを見せている。

 日本では1月15日に神奈川県の30代の男性の感染が報告されて以降、2月4日12時までに16名の患者が確認されていたが、その後、6日までに横浜市の大黒ふ頭に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客20人に新型コロナウイルスの感染が確認された。

 同船は乗船していた香港人の男性(80)が下船後の香港で新型コロナウイルスの感染が確認されたことから、乗客乗員約3700人への検疫作業を行っていた。

 新型コロナウイルスによる肺炎による死亡者は中国では2月5日の時点で490名。それ以外ではフィリピン保健省が2日に中国人男性(44)が死亡したことを発表した。世界保健機関(WHO)によると、新型肺炎による中国国外での死者は初めて。4日には香港でも39歳の男性が死亡した。この男性は先月に武漢を訪れていた。

 感染拡大へ各国とも対応を急ぐ中、トランプ米政権は1月31日、WHOに続いて、米国での「公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。14日以内に中国に滞在したことがある外国人について、米国民の直接の親族と永住者を除き入国禁止にした。14日以内に感染源の湖北省を訪れた米国民も帰国後、最長で14日間、強制的に隔離する。

 また、オーストラリアのモリソン首相は2月1日、豪州国民と永住者、直接の親族を除き、中国本土からの入国を禁止すると発表。湖北省からの帰国者が対象だった14日間の自宅隔離を、中国全土に広げた。中国経由の旅行客も対象とし、豪州市民には中国本土への渡航中止も勧告した。豪州では1日時点では10人の感染が確認されていた。

 日本では政府が1月31日、入国申請日前14日以内に武漢市など湖北省に滞在歴がある外国人について、感染の有無にかかわらず、入国を拒否する方針を決めた。これは出入国管理法に基づく措置。新型肺炎を感染症法上の「指定感染症」とする政令は2月7日の施行を予定していたが、2月1日に前倒し。患者の強制入院や就業制限などの措置が可能になった。

 また湖北省に滞在歴のある外国人に加え、同省発行の中国旅券を所持する外国人も特別な事情がない限り、入国を拒否することとなった。特定の地域を指定して入国拒否する措置の実施は日本では初めてなのだが、中国全土からの入国拒否の措置をとる国が多い中、日本は湖北省からの入国にとどまっており、感染拡大の防止にどれほどの効果があるか疑問の声もあがっている。

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