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舘ひろし74歳、柴田恭兵73歳、里見浩太朗88歳、草笛光子91歳…日本アカデミー賞でレジェンドたちが名スピーチ

2025.03.14 Vol.web original

 第48回日本アカデミー賞授賞式が13日、都内にて行われ、『あぶ刑事』最新作で話題賞を受賞した舘ひろしと柴田恭兵をはじめ黒澤明組の名キャメラマン木村大作や里見浩太朗ら、日本映画界のレジェンドたちが笑いあり感動ありの受賞スピーチを行った。

 新人俳優賞から、長年の功績をたたえられる会長功労賞まで、幅広い世代の映画人が集った映画の祭典。

『帰ってきた あぶない刑事』で話題賞・作品部門を受賞した舘ひろしと柴田恭兵に、プレゼンターの山田裕貴が「失礼ながら年齢を調べさせていただいたんですけど…」と笑いを交えて劇中のアクションに驚嘆し、会場を沸かせると、舘は「8年前の作品でタカとユージはリタイアしたんですけど…帰って来ちゃって、詐欺みたいな。こんな賞をもらって申し訳ない」、柴田も「この会場に来て、先輩の役者さんが里見浩太朗さんと草笛光子さんのお2人。年を取りました」と茶目っ気たっぷりにコメントしつつ、ドラマ開始から40年、支え続けたファンに感謝。そんな2人に、同じく話題賞の俳優部門を受賞した森本慎太郎は「僕は普段、SixTONESの活動でいろいろなステージに立たせていただいているんですけど、この場は緊張します。ライオンと同じ檻(おり)の中にいる気持ちで、膝がガクガクしています」と緊張を明かし笑いを誘った。

 会長功労賞を受賞したのは、日本映画界を代表する名キャメラマン、映画監督の木村大作と、俳優の里見浩太朗。木村監督は「失礼しちゃうよね、80歳超えないとこの賞、もらえないんですよ」と息巻き、その歯に衣着せぬスピーチに会場の映画人も爆笑。さらに、同じく会長功労賞受賞の里見が70年前の東映入所を振り返っていると「里見さん、ちょっと話長いね」と茶々を入れるなど、レジェンド2人が漫才のようなやり取りも。

『九十歳。何がめでたい』で優秀主演女優賞を受賞した草笛光子は登壇に「フワフワ上がっちゃってます」と言いつつ、司会の安藤サクラとの再会に「しばらくぶりね」とにっこり。「今日を楽しみに待ってました。皆さんの前にこうやって姿を現すことでさえ、どうしようかなってなっちゃう。でも結局出ちゃうんです」とお茶目なコメントで会場を和ませた。

 また、優秀助演女優賞を受賞した土屋太鳳は「9年前に新人賞を頂いたとき、西田敏行さんに“この賞を受賞した人は助演や主演で戻ってくるんだよ”と言っていただいて頑張ろうと思えた。西田さん、戻ってきました!」と、協会栄誉賞を受賞した俳優、西田敏行さん(享年76)への思いを語っていた。

『侍タイムスリッパー』『ルックバック』『オッペンハイマー』…話題作が日本アカデミー賞で最優秀賞

2025.03.14 Vol.web original

 第48回日本アカデミー賞授賞式が14日、都内にて行われ、1館から上映がスタートしたインディーズ映画『侍タイムスリッパー』が最高賞となる最優秀作品賞を受賞。他、『ルックバック』や『オッペンハイマー』など、異色の話題作が各部門最優秀賞を受賞した。

『侍タイムスリッパー』は2024年8月に池袋シネマ・ロサにて公開され、口コミを中心に話題を呼び上映館を拡大。自主制作映画としては異例の興行収入を記録中。

 日本映画界の頂点に立った『侍タイムスリッパー』チームは驚がくの面持ちでステージへ。最優秀編集賞も受賞した安田淳一監督は「昨年、亡くなった父と、“頑張っていれば誰かが見ていてくれる”といつも言っていた(斬られ役俳優)福本清三さんに捧げたい」と感謝。主演の山口馬木也も「心臓が飛び出るかと思った」と苦笑しつつ「この映画に何度も足を運んでくださったお客様がいて、その方に聞いたところ、キャラクターたちに会いにくる気分で何回も来ているとおっしゃってくださった。こんなにうれしいことはありません」と涙ながらに語った。

 同じくシネマ・ロサから上映を始め大ヒットした上田慎一郎監督『カメラを止めるな!』は第42回日本アカデミー賞で最優秀編集賞ほか主要賞優秀賞を受賞したが、それを超える快挙に、会場の映画人からも拍手喝さいが沸き起こっていた。

 他、異例の大ヒットで話題を呼んだ押山清高監督の『ルックバック』が最優秀アニメーション作品賞、「原爆の父」として知られる理論物理学者ロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた『オッペンハイマー』は最優秀外国作品賞を受賞した。

 

【最優秀賞および主な受賞一覧】

最優秀作品賞…『侍タイムスリッパー』(監督・安田淳一)
最優秀アニメーション作品賞…『ルックバック』(監督・押山清高)
最優秀監督賞…藤井道人(『正体』)
最優秀脚本賞…野木亜紀子(『ラストマイル』)
最優秀主演男優賞… 横浜流星(『正体』)
最優秀主演女優賞…河合優実(『あんのこと』)
最優秀助演男優賞…大沢たかお(『キングダム 大将軍の帰還』)
最優秀助演女優賞…吉岡里帆(『正体』)
最優秀撮影賞…佐光朗(『キングダム 大将軍の帰還』)
最優秀照明賞…加瀬弘行(『キングダム 大将軍の帰還』)
最優秀音楽賞…世武裕子(『カラオケ行こ!』)
最優秀美術賞…三浦真澄(『はたらく細胞』)
最優秀録音賞…横野一氏工(『キングダム 大将軍の帰還』)
最優秀編集賞…安田淳一(『侍タイムスリッパー』)
最優秀外国作品賞…『オッペンハイマー』(ビターズ・エンド配給)
新人俳優賞…齋藤飛鳥(『【推しの子】-The Final Act-』)/渋谷凪咲(『あのコはだぁれ?』)/山田杏奈(『ゴールデンカムイ』『正体』)/赤楚衛二(『六人の嘘つきな大学生』『もしも徳川家康が総理大臣になったら』)/板垣李光人(『八犬伝』『はたらく細胞』『陰陽師0』)/越山敬達(『ぼくのお日さま』)/齋藤潤(『カラオケ行こ!』)/森本慎太郎(『正体』)
話題賞 作品部門:『帰ってきた あぶない刑事』/森本慎太郎(『正体』)
主題歌賞…Mrs. GREEN APPLE『Dear』(『ディア・ファミリー』)

第2子妊娠中の石原さとみ、安藤サクラが「産後復帰作」で共感、満島ひかりは安藤の絶賛に涙

2025.03.14 Vol.web original

 第48回日本アカデミー賞授賞式が14日、都内にて行われ最優秀主演女優賞を受賞した河合優実をはじめ、優秀主演女優賞を受賞した石原さとみや満島ひかりらが、司会の安藤サクラとともに女優同士ならではのトークを繰り広げた。

 優秀主演女優賞を受賞したのは『ミッシング』の石原さとみ、『夜明けのすべて』の上白石萌音、『あんのこと』の河合優実、『九十歳。何がめでたい』の草笛光子、『ラストマイル』の満島ひかり。

 受賞者トークでは、石原が「産後復帰作で娘を失う母親役は本当につらかったんですけど、私自身不器用なこともあって、実際に子供がいて、こんなに育児が大変なんだ、こんなに愛おしいんだ、こんなにちょっといなくなっただけで不安になるんだと分かって、ポジティブに役に反映できた」と振り返り、昨年『怪物』で最優秀主演女優賞を受賞した司会の安藤サクラに「安藤さん、産後復帰作が『万引き家族』だったじゃないですか。サクラさんのように私も挑戦しようと思えて背中を押されたんです」と安藤に感謝。

 安藤も感激しつつ「子育てにかかわらず、乗り越えていかなければならない壁は一生あるんだろうなと思う。皆さんと交流して、意見を交わし合うというか、こういうときどうしてるのとか伺える場を作りたいと思ってるんです」と明かすと、石原は「参加したいです!」と意気投合。

 そんな石原の主演ドラマ『アンナチュラル』とつながる作品『ラストマイル』で受賞した満島は、安藤からの絶賛に目を赤くし「誰よりもサクラちゃんにほめられるのが…」と涙。さらに、安藤の姉である映画監督・安藤桃子監督を参考に、役の衣装を考えたという裏話も明かした。

 さらに満島は「石原さんとはそれまでほとんどお話したことが無かったんですけど、映画の試写会でお会いしたとき、真っ先に走って来てくれて。同じ時代で俳優をしている仲間なんだと思えた」と言い、現在第2子妊娠中の石原に「見つけたらすぐ寄ってきてくれて。お腹も大きいのに。今日は2人で参加だね、って言ってたんです」と顔を見合わせニッコリ。女優同士ならではのトークで盛り上がった。

『あんのこと』で最優秀主演女優賞を受賞した河合は「ちょっと信じられない気持ちでこの会場にいることさえ夢のよう。この作品は自分の中でも特別な作品。長く俳優を続けていきたいと思っているのですが、その中でも特別な作品として残り続けると思います」と感激と感謝をあらわにしていた。

横浜流星「自分は人間としても頑固でつまらない人間」日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を初受賞

2025.03.14 Vol.web original

 第48回日本アカデミー賞授賞式が14日、都内にて行われ横浜流星が最優秀主演男優賞を受賞。喜びとともに演技への熱い思いを語った。

 2020年に第43回日本アカデミー賞で新人俳優賞、2023年に第46回日本アカデミー賞で優秀助演男優賞(『流浪の月』)を受賞。名前を変えながら逃亡する脱獄犯を演じた主演作『正体』で今回、最優秀主演男優賞を初受賞した横浜。

 受賞スピーチでは「藤井道人監督と出会って10年。5年前に新人賞を受賞したとき、藤井監督は最優秀作品賞を受賞されていた。自分にとって藤井組でこの場にいられることに大きな意味があります」と語り、横浜の言葉に客席の藤井道人監督の目にも涙。

 さらに横浜は「自分は芝居は上手くないですし、人間としても遊びがなく頑固でつまらない人間です。それを誰よりも分かっているから毎日、本気で、身命を賭す気持ちで作品と向き合っています。それを少し認めて頂けたような気がして、励みになりました」と感無量の面持ち。

「若輩者ではありますが、映画業界のさらなる発展のために尽力していきます」と意欲を新たにした。

 トークでは、特殊メイクで一重まぶたにした横浜が「現場では“縦浜流星”と呼ばれてました」と笑いを誘う一幕も。さらに『正体』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を初受賞した山田孝之との念願の共演を振り返りった横浜が「今度は山田さんが演じたような“追う刑事”を演じたい」と言い、山田は「その時は脱獄犯をやらせていただきます」と再共演を誓った。

『正体』は藤井道人監督が最優秀監督賞、吉岡里帆が最優秀助演女優賞を受賞した。

 放送中のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』では、主人公の蔦屋重三郎を演じている横浜。その活躍に今後ますます注目が集まりそうだ。

「日本映画界は皆さんの味方」日本アカデミー賞新人賞の齋藤飛鳥、板垣李光人、森本慎太郎らに役所広司がエール

2025.03.14 Vol.web original

 第48回日本アカデミー賞授賞式が13日、都内にて行われ、役所広司が新人俳優賞たちに熱いエールを贈った。

 新人俳優賞を受賞したのは、齋藤飛鳥(『【推しの子】-The Final Act-』)、渋谷凪咲(『あのコはだぁれ?』)、山田杏奈(『ゴールデンカムイ』『正体』)、赤楚衛二(『六人の嘘つきな大学生』『もしも徳川家康が総理大臣になったら』)、板垣李光人(『八犬伝』『はたらく細胞』『陰陽師0』)、越山敬達(『ぼくのお日さま』)、齋藤潤(『カラオケ行こ!』)、森本慎太郎(『正体』)。

 昨年、ヴィム・ベンダース監督作『PERFECT DAYS』で最優秀主演男優賞を受賞したプレゼンターの役所広司と一人ひとり握手をして登壇した受賞者たち。

 役所は「新人賞は一生で一度しかもらえない賞。僕もつい最近までは新人だったんですけど」と笑いを誘いつつ「撮影現場には、優しい先輩、怖い先輩、たくさんの先輩がいますが、ここにいらっしゃる日本映画界の方々は全員皆さんの味方ですから。ときには『あぶ刑事』の2人みたいに強面の先輩もいますけど(笑)、間違いなく味方です。皆さんが頑張っている姿を見るのが大好きな先輩たちです」と語り「これからものびのびと良い日本映画を作ってください」とエール。

 役所の言葉に受賞者たちも感激の面持ち。役所の主演作『八犬伝』で八犬士の1人を演じた板垣は「この素晴らしい景色と、役所さんの言葉を胸に一生懸命精進してまたここに戻って来たいと思います。ときに自分の居場所に迷ってしまう自分に、あなたの居場所はここでいいんだと伝えたい。本当にありがとうございました。幸せです」。

 齋藤も「これまでの人生、運に恵まれているなと思うことが多くありましたが今回ここで確信しました。私はかなり運がいいようです」と作品やキャスト、スタッフに感謝。

 森本は「一生に一度しかとれない新人賞を頂いて光栄です」と喜びとともに、難しい撮影を振り返りつつ主演の横浜流星やキャスト、スタッフに感謝を述べ「また胸を張って帰ってこられるよう精進したいと思います」と前を見すえていた。

あぶ刑事コンビや新設・主題歌賞のミセスらが第48回日本アカデミー賞レッドカーペットに登場

2025.03.14 Vol.web original

 第48回日本アカデミー賞授賞式が13日、都内にて行われ、日本を代表する映画人がレッドカーペットに華やかに登場した。

 1978年に誕生し、今年で48回目を迎える映画の祭典。2024年1月1日から12月31日までに公開され選考基準を満たした作品を対象に、日本アカデミー賞協会会員が投票。この日の授賞式で、各部門の最優秀賞が発表される。

 新人俳優賞受賞者・赤楚衛二、板垣李光人、越山敬達、齋藤飛鳥、齋藤潤、渋谷凪咲、森本慎太郎に続き、優秀助演女優賞の芦田愛菜、清原果耶、土屋太鳳、山田杏奈、優秀助演男優賞受賞の内野聖陽、大沢たかお、岡田将生、佐藤二朗、山田孝之、優秀主演女優賞受賞の石原さとみ、上白石萌音、河合優実、草笛光子、満島ひかり、優秀主演男優賞の綾野剛、草彅剛、山口馬木也、山﨑賢人、横浜流星ら豪華俳優陣の姿に観客も釘付け。真っ白なドレスで登場した草笛を、長年交流のある内野がエスコートする一幕も。

 話題賞・作品部門受賞者の舘ひろしと柴田恭兵や、新設された主題歌賞のMrs. GREEN APPLE、プレゼンターを務める昨年の受賞者、役所広司や安藤サクラなど、注目の顔ぶれも会場を盛り上げ、今年も華やかに開会した。

 なお、優秀助演女優賞の吉岡里帆は能登半島地震を支援する舞台に出演中のためリモートでの参加となった。

Mrs. GREEN APPLEが初の日本アカデミー賞主題歌賞に決定 大森元貴が感激のコメント

2025.03.10 Vol.web orignal

 

 Mrs. GREEN APPLEの楽曲『Dear』が、第48回日本アカデミー賞で新設された主題歌賞を受賞した。

 日本アカデミー賞は「日本映画人による日本映画人のための日本映画の祭典」として映画界の一年を締めくくる総決算として、活躍した俳優、スタッフを表彰。これまで「音楽部門」では劇伴作曲者を対象としていたが、今回「主題歌賞」としてその年の最も印象に残る主題歌を担当したアーティストも表彰することが決定。映画『ディア・ファミリー』の主題歌『Dear』を手がけたMrs. GREEN APPLEが初回の受賞者となった。

 作詞・作曲を担当した、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴も「映画と音楽は非常に密接な関係にあり、日々音楽を創作する者として“作品の邪魔だけはしたくない。その映画に
関わったすべての方々へ感謝の気持ちを込め、最大のラブレターであるべきだ”と思いながら主題歌を担当させていただいております。名誉ある祭典で初の受賞者となり、その大きさに背筋が伸びます」と喜びのコメントを寄せている。

 なお「第48回日本アカデミー賞授賞式」は3月14日に都内にて開催される。

 

【コメント全文 大森元貴(Mrs. GREEN APPLE)】

この度、新たに設立された特別賞「主題歌賞」を受賞いたしました。
映画と音楽は非常に密接な関係にあり、日々音楽を創作する者として「作品の邪魔だけはしたくない。その映画に関わったすべての方々へ感謝の気持ちを込め、最大のラブレターであるべきだ」と思いながら主題歌を担当させていただいております。
名誉ある祭典で初の受賞者となり、その大きさに背筋が伸びます。
今後とも胸を張って、より良い音楽を創るべく邁進してまいります。

妻夫木聡が新人俳優賞受賞者たちに熱血エール!話題賞の山田裕貴「僕も新人賞取れますか?」

2024.03.08 Vol.web original

 第47回日本アカデミー賞授賞式が8日、都内にて行われ、新人俳優賞のプレゼンターを務めた妻夫木聡が後輩たちに感動的なエールを贈った。

 新人俳優賞を受賞したのはアイナ・ジ・エンド(『キリエのうた』)、桜田ひより(『交換ウソ日記』)、原菜乃華(『ミステリと言う勿れ』)、福原遥(『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』)、市川染五郎(『レジェンド&バタフライ』)、黒川想矢(『怪物』)、高橋文哉(『交換ウソ日記』)、柊木陽太(『怪物』)。

『怪物』で注目を集めた黒川は「今僕は“この役を演じられたのは皆さんのサポートと運のおかげ”という自分と“称賛を頂いているうちに自分の力でやり遂げたと勘違いしてしまう自分”という2つの自分と戦っています。この先もこの戦いはずっと続くと思いますが、この感情の戦いに打ち勝って、常に優しい人間であり俳優でありたいと思っています」と語り、大人の俳優たちも感動の面持ち。

 高橋文哉は「僕はこの中で一番の“赤ちゃん”」と言いつつ演技への情熱を語り「大先輩たちが作り上げた世界を自分らしくエンジンフルで駆け抜けたい」。

 福原遥は先日亡くなったという祖母に思いをはせ「小さいころから、祖母といつかこの日本アカデミー賞の場に立てたらと夢見ていたので、他界する前に素敵な報告ができた」と瞳をうるませた。

 そんな若い俳優たちに、プレゼンターを務めた妻夫木は「僕は今年で俳優25年なんですが“1つの作品で人の人生を変えることができるか”と問い続けていて、僕はできると思っています。映画にはその力がある」と語り「皆さんも、作品に向き合う中でつらい瞬間もあると思いますが、これだけは忘れないでほしいのは、映画は絶対に裏切らない。そして皆さんの後ろには僕たちがいます。映画に熱い情熱を持ったスタッフたちがいます。だから精一杯これからも芝居を楽しんでください」と熱いエールを贈った。

 そんなメッセージを目を輝かせて聞いていた新人俳優賞の受賞者たちに、話題賞受賞の山田裕貴は「いつかこの中に自分も入りたい。新人賞はまだ取れますか?」。すでに大活躍している山田の問いかけに会場からも笑い声が漏れたが、山田は真剣な表情で「新人俳優賞から助演男優賞、そして主演男優賞もいつかとれるような俳優になりたい。話題だけで終わらず、長く続く話題を残せる俳優になりたいと、ここに宣言します」と断言し、会場の拍手をさらっていた。

最強『ゴジラ-1.0』日本アカデミー賞で8冠!来週の米国アカデミー賞へはずみ

2024.03.08 Vol.web original

 第47回日本アカデミー賞授賞式が8日、都内にて行われ、『ゴジラ-1.0』が最優秀作品賞をはじめ脚本賞、助演女優賞、撮影賞など8部門で最優秀賞を受賞した。

 海外でも話題を呼んでいる山崎貴監督作『ゴジラ-1.0』は、授賞式の序盤から最優秀脚本賞(山崎貴)や、最優秀撮影賞(柴崎幸三)、最優秀美術賞(上條安里)などを次々と受賞。

 終盤に『PERFECT DAYS』で最優秀主演男優賞を受賞した役所広司が「やっとゴジラの牙を少し抜いた(笑)」と笑いをさそう一幕も。

 その『PERFECT DAYS』を手がけたヴィム・ヴェンダース監督は優秀監督賞を受賞したものこの日、会場に参加できず「初めて外国人監督が受賞したとのことで光栄です。この賞は私が愛してやまない小津安二郎監督にささげたいと思います」とビデオメッセ―ジ。その後、見事、最優秀監督賞を受賞し、代わりにトロフィーを受け取った役所は「今、監督はアメリカにいると思いますが、この賞をまたお渡ししたいと思います」と喜んだ。

 俳優賞や監督賞が『PERFECT DAYS』『怪物』などに授与される中、最後に発表された作品賞に輝いた山崎監督は「ゴジラの牙が少し戻って良かった(笑)」と安どしつつ「皆さんとゴジラが取った賞」と感激。

 主演の神木隆之介は「ゴジラと皆さんに引っ張っていただいた」と感謝し、ヒロイン役の浜辺美波は「このトロフィーを刻んで関わったすべての人にお渡ししたい」と笑いをさそい、安藤サクラは「やっぱりゴジラは強い!」。山田裕貴は「皆でおめでとうとありがとうを言えるのはこの賞だけ。僕もゴジラの牙の一部としてここに立てたことを誇りに思います」と胸を張った。

 日本時間3月11日にアメリカ・ロサンゼルスにて行われるアカデミー賞では、日本から国際長編映画賞に『PERFECT DAYS』、長編アニメ映画賞に『君たちはどう生きるか』、視覚効果賞に『ゴジラ-1.0』がノミネートされている。

 

【最優秀賞および主な受賞一覧】

最優秀作品賞…『ゴジラ-1.0』
最優秀アニメーション作品賞…『君たちはどう生きるか』(監督・宮﨑駿)
最優秀監督賞…ヴィム・ヴェンダース(『PERFECT DAYS』)
最優秀脚本賞…山崎貴(『ゴジラ-1.0』)
最優秀主演男優賞… 役所広司(『PERFECT DAYS』)
最優秀主演女優賞…安藤サクラ(『怪物』)
最優秀助演男優賞…磯村勇斗(『月』)
最優秀助演女優賞…安藤サクラ(『ゴジラ-1.0』)
最優秀撮影賞…柴崎幸三(『ゴジラ-1.0』)
最優秀照明賞…上田なりゆき(『ゴジラ-1.0』)
最優秀音楽賞…上原ひろみ(『BLUE GIANT』)
最優秀美術賞…上條安里(『ゴジラ-1.0』)
最優秀録音賞…竹内久史(『ゴジラ-1.0』)
最優秀編集賞…宮島竜治(『ゴジラ-1.0』)
最優秀外国作品賞…『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(東和ピクチャーズ配給)
新人俳優賞…アイナ・ジ・エンド(『キリエのうた』)/桜田ひより(『交換ウソ日記』)/原菜乃華(『ミステリと言う勿れ』)/福原遥(『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』)/市川染五郎(『レジェンド&バタフライ』)/黒川想矢(『怪物』)/高橋文哉(『交換ウソ日記』)/柊木陽太(『怪物』)
話題賞 作品部門:『キリエのうた』/俳優部門:山田裕貴

安藤サクラ 最優秀主演・助演女優賞W受賞!自分で受賞発表し呆然

2024.03.08 Vol.web original

 第47回日本アカデミー賞授賞式が8日、都内にて行われ『ゴジラ-1.0』の安藤サクラが『怪物』で最優秀主演女優賞、『ゴジラ-1.0』で最優秀助演女優賞を受賞。最優秀助演女優賞ではプレゼンターを務め、自ら受賞を発表した。

 優秀助演女優賞を受賞したのは、安藤サクラ(『ゴジラ-1.0』)、上戸彩(『シャイロックの子供たち』)、永野芽郁(『こんにちは、母さん』)、浜辺美波(『ゴジラ-1.0』)/松坂慶子(『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』)の5人。

 トークでは、上戸彩が安藤サクラと「ママ友」と明かし、共にに登壇できたことに大喜び。上戸は「子どもが3人いるんですけど、新しい作品に足を踏み入れるとき、皆さんの足を引っ張るのが嫌で怖くなったりするんですけど」と明かしつつ今作チームのサポートに感謝。さらに「安藤サクラちゃんと、ママ友というか。私の長女が9歳なんですけど、その娘のものをたくさんもらってもらったんですよ。それで会いたいと思っていたら昨日、やっと会えて食事に行けました」と笑顔。安藤も子ども同士が「同級生じゃないけど、同じ年生まれなので」と顔を見合わせニッコリ。

 最優秀助演女優賞の発表では、昨年『ある男』で助演女優賞を受賞した安藤がプレゼンターとして登壇したが、発表の瞬間に動揺の表情を見せ「最優秀助演女優賞は…『ゴジラ-1.0』の安藤サクラ…」と呆然としながら「すごいですね!ゴジラ!」。

「私はこの映画の中でゴジラを見てませんし、恐怖も感じておりません。でも皆さんが作り出したあの世界観のおかげで“近所のおばちゃん”はこんな賞を頂くことができました」と胸を張り、本作の故・阿部豪プロデューサーをしのんでいた。

 さらに『怪物』で最優秀主演女優賞を受賞した安藤。新人俳優賞を受賞した黒川想矢と柊木陽太を中心に、是枝裕和監督のもとチーム一体となった撮影現場を振り返り、最優秀主演男優賞を受賞した役所の「ゴジラの牙を少し抜いた」というコメントを引き合いに「よっしゃ、やった! これでゴジラの牙をまた1本抜いた…けどなんか複雑(笑)」と笑いをさそっていた。

役所広司「海外で渋谷にはきれいなトイレがあると言うと笑い起きる」日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞

2024.03.08 Vol.web original

 第47回日本アカデミー賞授賞式が8日、都内にて行われ『PERFECT DAYS』の役所広司が最優秀主演男優賞を受賞した。これまで『Shall we ダンス?』『うなぎ』『孤狼の血』に続き4度目の同賞の受賞。4回の最優秀主演男優賞受賞は故・高倉健さんと並ぶ。

 優秀主演男優賞を受賞したのは、阿部サダヲ(『シャイロックの子供たち』)、神木隆之介(『ゴジラ-1.0』)、鈴木亮平(『エゴイスト』)、水上恒司(『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』)、 役所広司(『PERFECT DAYS』)の5人。

 トークでは、阿部が『シャイロックの子供たち』で「優秀脚本賞を受賞したツバキミチオさんと、撮影現場にいらっしゃった池井戸潤先生と同一人物だった」と暴露し“ツバキ氏”は「それ内緒なんですよ。バラしちゃダメじゃないですか」と苦笑。まさかの原作者の正体に会場がどよめく一幕も。

『ゴジラ-1.0』の過酷な撮影を振り返っていた神木。そこに、18年前に神木が『妖怪大戦争』で新人俳優賞を受賞したときの映像が紹介され、神木は「前髪が短いのにえりあしが長い(笑)」と苦笑しつつ「当時、うれしかったですけど子どもだったので、ちゃんとしゃべらなきゃといっぱいいっぱいでした」と振り返った。

 すると阿部が「僕も出てたの覚えてます? 神木くんはその時から優しかったんですよ。僕は河童役で(特殊メイクで)何も食べられないのにガムをくれたんです」と明かし笑いをさそった。

 役所広司は、巨匠ヴィム・ベンダース監督との撮影を振り返りつつ、海外での高評価に「海外で、東京の渋谷という街に、17の美しいトイレがあります、と言うとそれだけでお客さんが笑うんです。どうも、公衆トイレが美しいということが、本当かな?という思いがあって、笑うみたいですね」というエピソードを披露しつつ「この映画を見てか、利用者の方の愛想がよくなったと聞いて、やって良かったと思いました」と笑顔。

 そんな役所は最優秀主演男優賞の受賞に「本当にいいもんですね」と感激しつつ「これでやっと“ゴジラ”の牙を少し抜いた気がします(笑)」と受賞ラッシュの『ゴジラ-1.0』に対抗心を見せ会場の笑いをさそっていた。

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