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日本アカデミー賞最優秀作品賞は『ドライブ・マイ・カー』プロデューサーはすでにアメリカ入り

2022.03.11 Vol.web original

 第45回日本アカデミー賞授賞式が11日、都内にて行われ、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が最高賞となる最優秀作品賞をはじめ、最優秀主演男優賞(西島秀俊)など8冠に輝いた。

『ドライブ・マイ・カー』は最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀主演男優賞、最優秀撮影賞、最優秀照明賞、最優秀録音賞、最優秀編集賞を受賞。また新人俳優賞を三浦透子が受賞している。

 最優秀監督賞を受賞した濱口監督は「東日本大震災から数年後、津波の被害に遭った方々のドキュメンタリーを撮りました。その時、力強く生きる姿を見て、こういう生命力をとらえていきたいと思ったのが、今の自分の基盤になっていると思います。当時お話を聞いた方々に、受賞したと伝えて感謝したい」。

 さらに最優秀作品賞を受賞し、濱口監督は「作品賞なので、本来ならプロデューサーが受け取るべきかと思いますが、現在アカデミー賞の準備で渡米しておりますので」と、歴史的なノミネートを果たしたアメリカのアカデミー賞へ向けても準備万端の様子。

 同作で最優秀主演男優賞を初受賞した西島秀俊も「人々がまた心の絆を取り戻せるように、この作品が希望の光になるように、そのために何が必要かを伝えているのかなと思います」と受賞を喜びながら、コロナや現在の世界情勢の影響を受けている人々、そして震災の被災者に思いをはせ「彼らに心を寄せながら、濱口監督の言う通り、自分のやれることを精一杯やっていきたい」と語っていた。

『ドライブ・マイ・カー』は第94回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞にノミネート。日本映画初の作品賞受賞に期待がかかっている。

有村架純が『はな恋』で最優秀主演女優賞を初受賞「世界中が一刻も早く穏やかに過ごせるよう」

2022.03.11 Vol.web original

 第45回日本アカデミー賞授賞式が11日、都内にて行われ、最優秀主演女優賞を『花束みたいな恋をした』の有村架純が受賞した。

 有村が日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞するのは今回が初。

 有村は「びっくりしています」とぼうぜんとしつつ「受賞は(共演の)菅田将暉さんはじめキャスト、スタッフの皆さんのおかげだと思っています」と感謝。さらに「私が作品に対してできることは少ないですし限られていて、自分がこの作品に対して一体何ができるのかと、常々不安に思うことがあるんですけど、幾度となく背中を押してくれたのは、これまで出会った方々がくれた言葉でした」と感慨を込めて振り返り「これからも独りよがりな芝居をするのではなく、思いやりを持って、人や現場に向き合い続けたい」と前を見つめ「世界中が一刻も早く、穏やかに過ごせるよう祈っております」と晴れやかな笑顔を見せた。

 有村から「20歳のころからすごく良くしていただいてる」と感謝されていた司会・長澤まさみも「感動しちゃいました」と感激の表情を浮かべていた。

 また、優秀助演女優賞のトークでは、第一子出産を控えた石原さとみが別室から参加し『そして、バトンは渡された』で娘役を演じた子役・稲垣来泉と主演・永野芽郁に感謝しつつ「普段思わないんですけど、この作品は唯一、生まれてくれる子どもに見せたいと思いました。来泉ちゃんと芽郁ちゃんの笑顔が本当に大好きで、お2人のようになってほしいなという思いを込めて、見せたいと思います」と、感無量の面持ちで語っていた。

 最優秀助演女優賞に輝いたのは『護られなかった者たちへ』で、生活保護受給者を支えるケースワーカーを演じた清原果耶。「自分が受賞すると思ってなかったのでびっくり」と驚きながら「皆が報われるような世の中になればいいなと思いながら演じていました」と振り返っていた。

最優秀主演男優賞初受賞の西島秀俊「仕事が無い時期が長かった」話題賞では小栗旬が菅田将暉のコスプレ

2022.03.11 Vol.web original

 第45回日本アカデミー賞授賞式が11日、都内にて行われ、最優秀主演男優賞を『ドライブ・マイ・カー』の西島秀俊が受賞した。西島が日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞を受賞するのは今回が初。

 司会の長澤まさみから「映画愛が強すぎて、ご飯を食べる時間がもったいないから、おにぎりを持って映画館に行っていたと聞きました」と言われると、西島は「僕、仕事が無い時期が長かったので(笑)。でもけっこうそういう人、います。おにぎり持って劇場にいる人」と茶目っ気たっぷりに返しつつ「濱口竜介監督のもと、ウソをつかない現場づくりを心掛けていた」と振り返った。

 最優秀主演男優賞が発表されると、西島は「みんなでとった賞だと思います。今、世界が混乱していていろいろなつながりが切れているなか、今日は3月11日ということで、人とのつながり、魂の再生を描いた映画がこうして賞を頂いたことは大きな意味があるのではないかと感じる」と語り「これからも日本映画のために身をささげたいと思っています」と力強く語った。

 優秀主演男優賞のトークでは『孤狼の血 LEVEL2』の松坂桃李と、同シリーズの前作主演で、今回『すばらしき世界』で受賞している役所広司が隣り合わせに。「緊張する」と苦笑する松坂に、役所は「仲野太賀くんとの銭湯のシーンで“前張り”をしたんですが、太賀くんの前張りがフィットしてなくてパカパカしていた。僕は以前、前張りの作り方を松坂くんから教えてもらっていたので、その“松坂モデル”を僕が指導して、うまくいきました」と感動シーンの舞台裏を明かし、会場の笑いをさそった。

草彅剛が日本アカデミー賞プレゼンターで登壇「3.11」に思いはせる

2022.03.11 Vol.web original

 第45回日本アカデミー賞授賞式が11日、都内にて行われ、昨年『ミッドナイトスワン』で最優秀主演男優賞を受賞した草彅剛がプレゼンターとして登壇。新人俳優賞の発表では、東日本大震災が発生した「3.11」に思いをはせつつ、豪華な顔ぶれの“新人”受賞者たちにエールを送った。

 草彅は「今日は晴れ晴れしい舞台ですが、3.11ということで、日本中の皆さんが思うことがあると思います。(新人俳優賞受賞の)皆さんが出演された作品を通して、一人でも多くの方の心に元気が沸くことを願っています」と東日本大震災発生から11年目を迎えた思いを語りつつ、受賞者たちの更なる活躍に期待を寄せた。

長澤まさみ、最優秀主演女優賞初受賞で涙! コロナ禍の映画界へ思い語る

2021.03.20 Vol.Web original

 第44回日本アカデミー賞授賞式が19日、都内にて行われ、長澤まさみが『MOTHER マザー』で最優秀主演女優賞を初めて受賞した。

『MOTHER マザー』は祖父母殺害事件を起こした少年実話をベースに描いた大森立嗣監督作。長澤は複雑な愛憎を抱えるシングルマザーを熱演した。

 これまで、『世界の中心で、愛をさけぶ』『キングダム』で最優秀助演女優賞を、『海街diary』などで4度の優秀主演女優賞に輝いた長澤だが、最優秀主演女優賞を受賞するのはこれが初。

 笑顔でトロフィーを受け取った長澤。スピーチでは涙をあふれさせながら「本当にたくさんの方に支えられなければ、映画づくりはできないんだなと、去年、身に沁みて感じました」と語り「きっと本当は作りたかった映画も、去年、作れなかった人たちもたくさんいると思います。そして映画も公開できず、先延ばしになっている人たちもたくさんいると思います。その中で、映画を公開して、たくさんの方に見に行っていただけたことは、本当にうれしいですし、これからも誠実に映画づくりに向き合って、がんばっていきたいなと思います」と、決意を新たにした。

草彅剛、最優秀主演男優賞を初受賞!「慎吾ちゃん、吾郎さんも支えてくれた」

2021.03.20 Vol.Web original

 第44回日本アカデミー賞授賞式が19日、都内にて行われ、草彅剛が『ミッドナイトスワン』で最優秀主演男優賞を初受賞。同作は最優秀作品賞も受賞した。

『ミッドナイトスワン』は草彅剛がトランスジェンダーとして生きる主人公を演じた内田英治監督作。優秀主演男優賞の初受賞に続き、最優秀主演男優賞を初受賞した草彅。「頭が真っ白になってしまって」と苦笑しつつ「(香取)慎吾ちゃんとか(稲垣)吾郎さんとか本当に近い人たちが支えてくれて、今日ここの舞台に立てたんだなと思ってうれしいです。僕は代表として、賞をもらうということであって、一人の力では到底たどり着けないところ」と感謝。

 「一人ひとりの人生がよりよく自由に全うできるような作品作りと人との関わりの中で、これからも自分の人生を全うしていきたいと思います。会ったことがなくても遠くから応援してくれている方、本当にありがとうございます。これからも精進してして頑張ります」と感謝の言葉を紡いだ。

 同作で最優秀作品賞を受賞した内田監督は「当初は本当に何の後ろ盾もない映画だった」と振り返りつつ「それを草彅さん、(服部)樹咲さんたちに脚本を読んでいただき、1人、2人と増えていった。本当に映画は一人では作れないもの、そして観客あってこその映画なんだと思いました」と感動をあらわにした。草彅も驚きを隠せない様子で「いいんですか? 奇跡って起こるんだな」と話し「あきらめず一歩ずつでも進むと、何かいいことがあるんだなと思った。この映画を愛していただいて、ありがとうございました」と感激していた。

 他、長澤まさみが『MOTHER マザー』で最優秀主演女優賞を初受賞。また、昨年、米アカデミー賞で歴史的なオスカー受賞を果たした韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が最優秀外国作品賞を、記録的大ヒットを果たしたアニメ『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が最優秀アニメーション作品賞と話題賞を受賞した。

新体制の日本アカデミー賞! 今年の司会・羽鳥慎一と安藤サクラが意気込み

2020.01.15 Vol.Web Original



 第43回日本アカデミー賞優秀賞発表会見が15日、都内にて行われ、優秀作品賞、優秀アニメーション作品賞他受賞作が発表。GACKT、二階堂ふみ出演の『翔んで埼玉』が作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞を含む最多12部門で優秀賞を受賞した。また今年、司会を務める羽鳥慎一、安藤サクラが新体制初となる授賞式への意気込みを語った。

 新たに日本アカデミー賞協会会長に就任した島谷能成氏は「まずこの場をお借りして西田敏行さんに感謝を申し上げたい。西田さんの映画への愛だけでなく受賞者に対するあふれる愛情、友情が和ませてくれた」と、昨年まで6年連続で司会を務めてきた西田敏行に感謝。

 西田に代わって今年から司会を務めるのは、昨年まで受賞者インタビューを担当していた羽鳥慎一アナウンサー。羽鳥アナは「うれしさと同時にプレッシャーを感じています」と緊張をあらわにしつつ「(受賞者の中に)岡村隆史さんの名前を見つけ、少し安心しました。ここを心の休憩どころにして、あとは緊張しつつ頑張りたい」とバラエティー番組で共演をする岡村を引き合いにしつつ意気込みを語った。

日本アカデミー賞『万引き家族』が8冠! 「樹木希林さんが会場にいると思ったら…」

2019.03.01 Vol.web original

 第42回日本アカデミー賞授賞式が1日、都内にて行われ『万引き家族』が作品賞をはじめ監督賞、脚本賞など8部門で最優秀賞に輝いた。

 昨年『三度目の殺人』で最優秀作品賞を受賞し、プレゼンターとして登壇していた是枝裕和監督は発表の前に「日本アカデミーに厳しい提言をしろと言われているので、前向きな提言を1つだけ。この映画賞には衣装部門が無んです。衣装は映るものの中でとても大事な部門なので、ぜひ衣装部門、できればヘアメイク部門も一緒に増やしていただければ」と述べ、会場も拍手で同意。その後、自作の受賞を自身で発表した是枝監督。西田から「さっきの話をここで言えばよかったのに」と言われると「スピーチの機会はさっきが最後かと思って(笑)」と笑顔を見せた。

『第41回日本アカデミー賞』リポート

2018.03.09 Vol.704

 日本映画の祭典・第41回日本アカデミー賞の授賞式が3月2日、都内にて行われ本年度の各部門最優秀賞が発表。最優秀作品賞に輝いた是枝裕和監督作『三度目の殺人』が最多6冠に輝き、今年の映画賞を席巻した。作品賞の他、監督賞と脚本賞も受賞した是枝監督だが「まだこの場に立つようになって間がないので居心地が悪い」と苦笑。

 俳優賞では、最優秀主演男優賞を菅田将暉、最優秀主演女優賞を蒼井優が獲得。2014年の『共喰い』で新人俳優賞を受賞している菅田は「初めてここに来たとき気持ちが張り詰めて息苦しかったけど、今日はちょっと呼吸しやすくなりました」と、自らの成長も感じた様子。一方、感極まり涙声で受賞スピーチをした蒼井だったが「実は作品賞発表の瞬間が一番好きなんです。みんながわーっとなる瞬間を見る瞬間を見るのがうれしい。またいつかそれを体験したい」と、さらなる意欲を見せていた。

 総合司会の西田敏行は、ともに司会を務めた宮沢りえに「今度、2人で一緒に是枝作品に出してもらいましょうよ」と“是枝旋風”をユーモラスに称えていた。

『三度目の殺人』が席巻! 菅田は茫然、蒼井は感涙!日本アカデミー賞授賞式

2018.03.03 Vol.Web Original

 第41回日本アカデミー賞授賞式が2日、都内にて行われ、是枝裕和監督の『三度目の殺人』が作品賞をはじめ最多6部門で最優秀賞を受賞した。

 作品賞に加え、監督賞、脚本賞、編集賞でも最優秀賞に輝いた是枝監督は「脚本や編集を独立してやっているわけではないので、本当はこういう華やかな場所にこそ、もっと裏方の方に…と思うのですが。まだ(日本アカデミー賞に)呼ばれるようになって間が無いので居心地が悪いです(笑)」とユーモアを交えて受賞の喜びをコメント。受賞の際のスピーチでは「現場で脚本がころころ変わったためプロデューサーから呼び出され、本当に大丈夫なのかと言われたこともあった。ヒリヒリするような、経験したことの無い時間だった。それでも主演の福山雅治さんが、大丈夫ですよ、そういうときこそ一番いいものが生まれますと言ってくれた」と、本作で2度目のタッグを組んだ福山への思いを語っていた。

第40回日本アカデミー賞 授賞式 『シン・ゴジラ』が“特撮”初の最優秀作品賞

2017.03.12 Vol.686

 第40回日本アカデミー賞の優秀賞発表会見が16日、都内で行われ、本年度の各部門最優秀作品賞が発表された。

 最優秀作品賞と最優秀監督賞という大賞をWで獲得したのは昨年、日本を席巻したヒット作『シン・ゴジラ』。この2賞に加え撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞、編集賞で最優秀賞を受賞し、7冠に輝いた。同作は『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明が総監督、『ガメラ』シリーズなどで特撮監督を務めて生きた樋口真嗣が監督を務め、長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、市川実日子ら豪華キャストが顔を揃えたスペクタクル大作。実はこの日、スケジュールの都合で庵野総監督は授賞式を欠席。樋口監督は「いるべき人間がいなくてすみません」と苦笑しつつ「60年前に怪獣映画を作った大先輩からバトンを受け継ぎ、それに恥ずかしくないものを、と本気で向き合って作った」と結果に胸を張った。

 日本アカデミー賞の歴史において、特撮怪獣映画が最優秀作品賞を受賞するのは、これが初。ステージ上に集まった樋口監督とキャスト、スタッフたちも喜びつつも驚きの表情を隠せない様子。樋口監督も受賞の喜びを語る前に、開口一番「皆さん怒っていませんか、大丈夫ですか」と会場の雰囲気を伺い、笑いを誘っていた。続けて「過酷な状況のなか映画を作っている皆さんに、いつかこんな時が来るよと声を大にして伝えたい」と、力強いメッセージ。授賞式後の囲みでは「自分たちが一番、怪獣映画を作っているという意識が無かったと思う。たまたま事件が怪獣という形をとっていたというだけで、一般の映画と変わらぬつもりだった」と語った。

 俳優賞では、主演男優賞に佐藤浩市、主演女優賞に宮沢りえとベテランの実力派が並び、アニメーション作品賞最優秀賞には『君の名は。』など大作系を押しのけ『この世界の片隅に』が受賞。『君の名は。』は『怒り』や『64ーロクヨンー前編』といった骨太な実写ドラマを退けて最優秀脚本賞に輝いた。

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