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東出昌大「芸能人に胡坐をかけば市井の人は演じられない」“誹謗中傷”重なる役どころで主演男優賞受賞

2024.05.22 Vol.web original

 

 第33回日本映画批評家大賞 授賞式が22日、都内にて行われ『Winny』で主演男優賞を受賞した東出昌大が「役者をやっていてよかったと思いました」と同作への思い入れを語った。

 1991年、発起人・水野晴郎をはじめ淀川長治、小森和子ら当時を代表する映画批評家たちの提唱により「映画批評家による、批評家だけの視点で選出する、他に類をみない映画賞」として設立された映画賞。

『Winny』では、革新的なファイル共有ソフトとして注目を集めながら作品の違法アップロードなどを招いて逮捕された、Winny開発者・金子勇氏を演じた東出。

「映画の現場を初めて経験したのが22歳のときでした。それからずっと、演じるとか芝居って何だろうと考え続けているけど、その問いは消えない。これさえやれば良い芝居ができるという方程式は無くて、地味な準備以外に頼れるのは根拠のない自信しか無くて。それが行き過ぎると過信になり芸能人であることに胡坐をかいてしまえば市井の人なんて演じられない。日々、根拠のない自信を抱えながら、またいい現場に戻って来れたらと思います」と役者業への思いを語った。

 そんな東出に選考委員の松崎健夫氏は「この作品は誹謗中傷の在り方みたいなことも描かれていると思うんですが、東出さんご自身もスキャンダラスな出来事があったことで誹謗中傷があって、どうしても僕らは作品と重ねてしまうが、それは悪いことではなくて。役者にとっては一生に一度出会えるかどうかという役」と評価。

 東出は「僕自身はのんびり、ほんわかしてるんですけど」と苦笑しつつ「芝居を続ける原動力として、自分のためにというほど強くなくて、家族や仕事関係者のためにと考えてきたんですけど、今回は金子さんの周りにいた方々が喜んでくださって。こんなに直接的に人のためになる仕事ってあるんだと心が震えました。役者をやっていてよかったと思いました」と語っていた。

【受賞一覧】
作品賞:『ほかげ』(監督・塚本晋也)
監督賞:荻上直子(『波紋』)
主演男優賞:東出昌大(『Winny』)
主演女優賞:筒井真理子(『波紋』)
助演男優賞:磯村勇斗(『月』)
助演女優賞:新垣結衣(『正欲』)
ドキュメンタリー賞:『ライフ・イズ・クライミング!』(監督・中原想吉)
アニメーション作品賞:映画『窓ぎわのトットちゃん』(監督・八鍬新之介)
新人監督賞:金子由里奈(『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』)
新人監督賞:工藤将亮(『遠いところ』)
新人男優賞(南俊子賞):アフロ(『さよなら ほやマン』)、(『さよなら ほやマン』)
新人女優賞(小森和子賞):花瀬琴音『遠いところ』
脚本賞:上田誠(『リバー、流れないでよ』)
編集賞(浦岡敬一賞):今井大介『#マンホール』
撮影賞:芦澤明子『スイート・マイホーム』
松永文庫賞(特別賞):八丁座
ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):木野花(『バカ塗りの娘』)
ダイヤモンド大賞(淀川長治賞):小林薫(『バカ塗りの娘』)

選考委員は島敏光、伊藤さとり、新谷里映、中村梢、松崎健夫、安田佑子

新垣結衣「人生初の助演女優賞」助演男優賞・磯村勇斗からの花束贈呈に感激

2024.05.22 Vol.web original

 

 第33回日本映画批評家大賞 授賞式が22日、都内にて行われ『正欲』で助演女優賞を受賞した新垣結衣が、助演男優賞を受賞した共演者・磯村勇斗からの花束贈呈に笑顔を見せた。

 1991年、発起人・水野晴郎をはじめ淀川長治、小森和子ら当時を代表する映画批評家たちの提唱により「映画批評家による、批評家だけの視点で選出する、他に類をみない映画賞」として設立された映画賞。

『正欲』で助演女優賞を受賞した新垣は「映画賞で助演女優賞を頂くのは人生で初めて」と喜びつつ「この作品は私にとっても大事なことをたくさん教えてくれた作品」と感謝。

『正欲』では人に言えない一面を抱える女性を演じ「想像するしかない部分がたくさんあって大変でした」と難しい役どころを振り返った。

 この日は『正欲』で偽装結婚をする元同級生同士を演じた磯村勇斗も『月』で助演男優賞を受賞。磯村は新垣に花束を贈呈するプレゼンターを買って出たとのことで、磯村から花束を受け取った新垣も満面の笑み。

 障がい者施設で大量殺人を起こす青年を演じた磯村は受賞に「作品の内容もそうですし演じた役のことも考えると、どう受賞を受け取ったらいいのかという思いと役者としての喜び、2人の自分が戦っています。それくらい難しい役でした」と振り返りつつ「だからこそ映画作りの現場って楽しい。辞められないなと思います」とさらなる意欲。

 磯村は『波紋』で主演女優賞を受賞した筒井真理子の息子役も演じており、筒井の受賞時にも花束プレゼンターとして再登場。島敏光選考委員からも「どんな役でもできるのでは」とたたえられていた。

【受賞一覧】
作品賞:『ほかげ』(監督・塚本晋也)
監督賞:荻上直子(『波紋』)
主演男優賞:東出昌大(『Winny』)
主演女優賞:筒井真理子(『波紋』)
助演男優賞:磯村勇斗(『月』)
助演女優賞:新垣結衣(『正欲』)
ドキュメンタリー賞:『ライフ・イズ・クライミング!』(監督・中原想吉)
アニメーション作品賞:映画『窓ぎわのトットちゃん』(監督・八鍬新之介)
新人監督賞:金子由里奈(『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』)
新人監督賞:工藤将亮(『遠いところ』)
新人男優賞(南俊子賞):アフロ(『さよなら ほやマン』)、(『さよなら ほやマン』)
新人女優賞(小森和子賞):花瀬琴音『遠いところ』
脚本賞:上田誠(『リバー、流れないでよ』)
編集賞(浦岡敬一賞):今井大介『#マンホール』
撮影賞:芦澤明子『スイート・マイホーム』
松永文庫賞(特別賞):八丁座
ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):木野花(『バカ塗りの娘』)
ダイヤモンド大賞(淀川長治賞):小林薫(『バカ塗りの娘』)

選考委員は島敏光、伊藤さとり、新谷里映、中村梢、松崎健夫、安田佑子

伊藤沙莉「見られちゃまずい顔、出ないように……」ビッケ役で初めての公開アフレコ

2020.06.29 Vol.Web Original

 映画『小さなバイキング ビッケ』(10月2日公開)でビッケ役で声の出演をする伊藤沙莉が29日、都内で、初めての公開アフレコ収録に挑戦した。

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