俳優の藤原紀香、葛山信吾、高橋惠子、松平健らが出演する舞台『サザエさん』が、1月29日より東京・明治座にて開幕した。2019年、国民的人気作品「サザエさん」の10年後を描いて好評を博した舞台の第2弾。今回は完全新作版として、さらに未来となる10数年後の磯野家の日常を描く。
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藤原紀香「サザエさんを地でいく」おっちょこちょいエピソードをフネ役・高橋惠子が暴露
29日より開幕する舞台『サザエさん』合同取材会が28日、明治座にて行われ、俳優の藤原紀香、葛山信吾、高橋惠子、松平健が登壇した。
2019年、国民的人気作品「サザエさん」の10年後を描いて好評を博した舞台の第2弾。今回は完全新作版として、さらに未来となる10数年後の磯野家の日常を描く。
フグ田サザエ役の藤原は、約2年ぶりの再演に「新作の台本を読んでいたらすごくほっこりして、癒しがあって元気で明るくて『ああ、サザエさんの世界観はこれなんだな』と、とても幸せな気持ちになれました。こういった明るく元気になれるような作品を今、上演できることはすごく意味があるなと思います」と語り、マスオ役の葛山も「初演が大変楽しかったものですから、また先輩方とご一緒できて新しいメンバーも加わるという話を聞いた時には本当にうれしかった」と同調した。
磯野フネを演じる高橋が「お父さん(波平)と何十年も一緒に暮らしたような気分で演じさせていただきましたが、初演が終わったとたんにまったくお会いしていませんで(笑)、再演が決まって皆さんとお会いできることが本当にうれしかったです」と答えると、波平役の松平も「楽しくてあたたかい磯野家だったので、ふたたび皆さんと公演できることをとてもうれしく思いました」と返すなど息の合ったところを見せた。
サザエさんにちなんでおっちょこちょいエピソードを聞かれた藤原が「特別なエピソードはないんですけど……」と口ごもると、高橋から「あり過ぎて思い出せないくらい、毎日のように稽古場でもサザエさんを地でいく紀香さんという感じで(笑)」と助け船。とはいえ、その高橋も「ご飯が炊けていなかったという話を聞いていたのですが、フネもこの間、家で炊飯器のスイッチを入れ忘れてしまいまして。私もだんだんサザエさんになじんできました」とサザエさん化を告白。昨年「マツケンサンバII」が再ブレイクした松平は「皆さんから『楽しかった』というお声をたくさんいただきましてうれしい限りです」とほころんだ。
最後に藤原は「こういったご時勢ですけれども、もし劇場に足を運んでくださるなら……」と前置きしたうえで「サザエさんの持つ明るくて元気な世界観、孤独や寂しいものが一切なくて本当にほっこりするあたたかさが伝わるような作品になるべく稽古してきました。いよいよ初日を迎えますけれども、そういった世界観が少しでも皆さんに伝わるといいなと思います」とメッセージを送った。
紅ゆずる、宝塚退団後初のミュージカルに意気込み「ポジティブに思っていただける作品に」
ブロードウェイ・ミュージカル『エニシング・ゴーズ』の製作発表記者会見が、横浜市内で行われ、主演の紅ゆずる、そして大野拓朗、廣瀬友祐、愛加あゆ、一路真輝、平野綾、市川猿弥、陣内孝則の主要キャストが出席した。
1934年にブロードウェイで初演された、コール・ポーター作詞作曲のミュージカル・コメディ。主人公のナイトクラブの大スターのリノ、ウォール街のビジネスマンのビリー、社交界の華であるホープ、英国紳士のオークリー卿がそれぞれの思いを胸に同じロンドンに向かう船に乗船。そこに神父に変装したギャングのムーンフェイスやその情婦のアーマも乗り込んできて大騒ぎになる。
紅は、宝塚歌劇団退団後初めてのミュージカル。宝塚時代には男役を突き詰めて来た紅だが、本作では女性役で「男役の時には見せることもなかった、見たこともなかったというものが、この作品にはたくさん詰まっている」。リノは紅に近いそうで「自分に流れる血で何かリノに生かせたり、リノから学ぶことも多いだろうなと思っています。役作りの段階で、男役をやっていたことを長所に考えてやっていきたい。リノが私なのか、私がリノなのかというところまで突き詰めていきたい」
大野拓朗は、リノが想いを寄せるビジネスマンのビリーを演じる。本作は「何も考えずにたくさん笑って元気をもらえる作品」だという。作品の中でリノとビリーが一緒に歌う楽曲『You’re The Top』が大好きだそうで、「ずっとお互いにほめあっている曲なんですけど、自分に置き換えて自分もリノにほめてもらっている気持ちになって、元気や勇気をもらえる曲だと思います。素敵な楽曲やダンスやお芝居がいっぱい詰まった作品なので、見に来てくださったみなさまの明日の活力につながるように、僕も舞台上で弾けたいと思います」と意気込んだ。
「ミュージカル俳優の陣内孝則です」と自己紹介した陣内はギャングのムーンフェイス役。「ライバルは井上芳雄君と山崎育三郎君です。できれば早いうちに、ご婦人方にキャーキャー言われるミュージカルスターになりたいと思っています」とユーモアたっぷりにあいさつ。その後も、女優としての紅の印象を聞かれて「宝塚のトップを張った人は独特の華がある」としたうえで、一緒に歌うシーンで音が合ってないじゃないかと思われてるんじゃないかと不安を明かして笑わせた。
「(コロナ禍で)みなさん窮屈だと思うんです」と、紅。「この作品を観劇している間は心を開放していただいて、明日から頑張ろうってポジティブに思っていただける作品にしたいと思っています」とアピールした。
『エニシング・ゴーズ』は、日本では1989年に初演。それから再演を重ねており、今回は8年ぶりの上演となる。
東京・明治座で8月1~29日。その後、名古屋、大阪、福岡でも公演がある。
平野綾「ギャングの愛人極めたい」
イベントの中で、『エニシング・ゴーズ』が意味する「何でもあり」「制限なし」にちなみ、登壇者それぞれが自身の「エニシング・ゴーズ」なエピソードについて聞かれる場面があった。そのなかで平野は「制限なし、みたいなところでお話させていただきたいと思います。アーマという役はギャングの情婦なんですが、私、今年は舞台でギャングの情婦しか演じてないんです。続いているんです。ここは極めたいなと思って。自分の中では制限をかけずに愛人を演じたい」
この質問のやり取り全体が『エニシング・ゴーズ』な状態になり、市川猿弥が「歌舞伎は何でもあり」、一路が「平野綾ちゃんと違って、近年いろんな役をやらせていただいていて。これからも何でもやりたい」と真面目に答えれば、愛加はタイでふらりと入ったマッサージ店でマッサージを受けている間に髪を編み込まれていたという「タイのマッサージ店はエニシング・ゴーズ」な話。大野は南極を訪れた時の大波に揺られる船内での「ちょっと汚い」何でもありエピソードと次々と披露。廣瀬に至っては「部屋にいて、誰もいない状態で……」と話し始め、他の出演者から「そういうんじゃない(笑)」と優しくツッこまれていた。最後に紅は「宝塚時代、私は劇団放し飼いと言われていた」と明かし笑わせた。
勘九郎、大河主演の長谷川へエール。「かっこいい光秀演じて」
「明治座 三月花形歌舞伎」の製作発表が20日、都内で行われ、中村勘九郎、中村七之助が出席。前大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」の放送を終えた勘九郎が、昨日スタートした「麒麟がくる」の主演、長谷川博己にエールを贈った。
この春、3年ぶりに花形歌舞伎が上演される明治座。200年以上に渡り受け継がれる名作「桜姫東文章」などの古典歌舞伎を中村勘九郎、中村七之助兄弟が演じ、歌舞伎復活の幕開けを飾る。
製作発表に出席した勘九郎は、「明治座で大事な役を務めることができ、ありがたいです。僕たちが子供の頃、かっこいい!この役をやりたい!と思って育ってきたので、子供たちにそう思ってもらえるように輝き続けたい」と、座長としての意気込みを語った。