公開中の映画『峠 最後のサムライ』舞台挨拶が18日、都内にて行われ、役所広司、永山絢斗、坂東龍汰と小泉堯史監督が登壇。劇中で、役所扮する主人公の従僕を演じた永山が、役所の付き人に“リサーチ”したエピソードを語った。
司馬遼太郎が、幕末の風雲児と呼ばれた越後長岡藩家老・河井継之助を描いた国民的ベストセラー「峠」を『蜩ノ記』の小泉堯史監督が実写化。
公開から約1カ月。大きな反響に喜んだ一同。主人公・河井継之助を演じる役所は「継之助さんは、自分の生き様を見せて、それを見た若者たちがどう生きていくか、日本という国をどうしていくか、言葉よりも生き方で残していったのかなと思う」と、日本の未来のために立ち上がった主人公の生き様に思いをはせた。
継之助の従僕・松蔵を演じた永山は、役作りの参考にと「役所さんのお付きの方に、どういうポジション、距離感で役所さんのそばにいるのかなと思って、現場で話しかけたりしていたんです。役所さんの好きな作品って何ですか?とか、素晴らしいと思うところは何ですかと聞いたところ“現場に入っていつも感じるのは、役所さんは誰よりも台本を読み込んでいると思います”とおっしゃっていて。心に刻み込みました」と、改めて役所の姿勢に感銘を受けた様子。
そんな永山は、ロケ地・新潟で「松蔵さんのお墓参りに行こうと、お花を買いに行ったら店で役所さんとばったり会うというレアな体験をしました」というエピソードを明かし、役所が「永山くんはお墓参りの花を買いに行ったけど僕は多分、部屋で食べるツマミを買いに行ったんだと思います(笑)」と付け加え、笑いをさそう一幕もあった。
継之助の盟友の息子・正太郎を演じる坂東は「本作が撮影されたのが4年前。僕にとってはこれが映画デビュー作で、時代劇も初めてで、この偉大な先輩たちとお芝居ということでガチガチに緊張していたのですが、役所さんが演じる継之助の目を見たときにヒョン!と吸い込まれそうになって。優しさと正義と強さと、いろいろなものがあふれていて、キュン…ではないですけど(笑)、役所さんの瞳にわしづかみにされました」と振り返り、役所も照れながら「ありがとう(笑)」。
最後に役所は「この映画は、見れば見るほどかみしめるものがあると思います。ぜひ劇場に足を運んでいただければ」。小泉監督は「歴史の中の人物は必ず皆さんの心の中に生きている。この作品を見た後も、それぞれの人物を思い出していただければ」とアピールした。