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開村迎える五輪・パラリンピック「選手村」。コロナ禍での対応は?

2021.07.13 Vol.743

 東京五輪・パラリンピックの開幕を前に、ひと足早く、7月13日に開村を迎える「選手村」。コロナ禍での運営が求められる中、207の国と地域から選手団を迎えるためのさまざまな準備が進められていた。

 東京・晴海に位置する44haの選手村は、選手団が生活する「居住ゾーン」、大会運営に必要な機能を集約した「運営ゾーン」、大会期間中の選手の生活を支える雑貨店やカフェなど生活施設が揃った「ビレッジプラザ」の3つに分かれている。

 居住練には21棟、約3800戸が集まる。2〜8人部屋まで、すべてのベッドルームには窓があり、二方向での換気が可能だ。ベッドフレームは、段ボール製で100%リサイクル。外廊下は、車いす2台がすれ違うことができる幅で、クローゼットの高さは100cmに設定するなど、車いすユーザーにも配慮された。

 2階建ての食堂「メインダイニングホール」では、約700種類のメニューからハラールやベジタリアン、グルテンフリーなど、各国の文化・宗教や生活習慣に配慮した料理を提供する。感染防止のため、調理スタッフが料理をサーブ。アルコール提供はなく、サラダなどはあらかじめ小分けにしたものをピックアップする。密を避けるため、席数を大幅に削減し、アクリルボードを設置した。

 また、居住ゾーンの中心に位置する複合施設には、五輪初となる女性アスリート科を設けた「総合診療所」を設置。主に婦人科系など、女性アスリートの出場数が増えたことで必要とされる相談窓口の役割を果たすという。館内には、そのほか、大会に備えて選手がコンディションを整える「フィットネスセンター」、おにぎりやお好み焼きなど、日本の日常の味を楽しめる「カジュアルダイニング」も併設されている。

 感染症対策では、仮設の発熱外来を24時間体制で運営。原則毎日行われるスクリーニング検査によって、感染症の疑いのある患者や、症状のある患者に対する診療・PCR検査、濃厚接触者の検査などを実施する。検体の分析は、仮設の医療施設内に設置する検査室により行われ、結果は3時間以内に判明するという。また、検査結果判明までの間の待機場所として、施設内に隔離スペースを設置。陽性者が出た時は、軽症者は隔離専用のホテル、中等症・重症者は感染症対策センター、保健衛生拠点と連携し、対応する。

 選手村は、オリンピック開幕前の7月7日にプレオープンを迎え、13日に開村。パラリンピック期間を経て、9月8日の閉村まで、約2カ月にわたり207の国と地域の選手団をサポートする。

為末大「僕らは五輪・パラリンピックから “何を受け取り、どう変わるのか”」

2021.07.12 Vol.743

「五輪・パラリンピックは何のために開催するのか」。この1年、誰もが一度は抱いた問いかもしれない。熱狂に包まれるはずのスタジアムは静まり返り、開催に批判的な声もいまだ少なくない。ただ一方で、こうした逆境の中、自らの限界を越えていくアスリートたちの姿がある。大舞台へ臨む彼らへ敬意を込めて、世界陸上メダリストで400mハードル日本記録保持者の為末大が、日本人スプリンターの現在、そして、五輪・パラリンピック開催の意義を語る。

五輪組織委のチケット担当者「本当に申し訳ないという思いでいっぱいです」と涙

2021.07.10 Vol.Web Original

北海道の5セッションも夜に無観客

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が7月9日、東京都内で観戦チケットに関する会見を行った。

 これは前日の五者協議で一都三県の会場を無観客とすることを決定したことを受けてのものでチケッティング担当の鈴木秀紀マーケティング局次長が出席した。

 会見の時点では全750セッションのうち一都三県の716セッションが無観客となっていたのだが、検討中とされていた北海道の5セッションも夜に無観客となることが発表された。これで有観客での開催は宮城の6、福島の3、茨城の8、静岡の12の29セッションとなった。   

 有観客のセッションについては10日未明に再抽選の結果を公表。無観客、または再抽選で外れマイチケットに「発行不可/無効」と表記されているチケットについては自動的に払い戻しの対象となる。希望者への払い戻し期間(7月10日未明~7月20日11時59分)内に申請手続きの必要はない。登録メールアドレス宛に連絡後、大会後に返金される。

 有観客のセッションで有効となっている観戦チケットの払い戻しを希望する場合は期間内(7月10日未明~7月20日11時59分)に申請手続きが必要となる。

橋本聖子会長「コロナ禍でも五輪を開催できるということも一つのレガシー」

2021.07.09 Vol.Web Original

東京都への緊急事態宣言発令で一都三県の会場は無観客開催に

 東京2020組織委員会の橋本聖子会長が7月8日、東京都、日本政府、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)との五者協議と関係自治体等連絡協議会を行った後に記者会見を行った。

 五者協議はこの日、政府が東京都に新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための緊急事態宣言を今月12日から8月22日までの6週間にわたって発出することを発表したことを受け行われたもの。7月23日に開会式を迎える東京オリンピックにおいて東京都の会場で行われる競技については無観客で行うことを決定した。

 橋本氏は会見で改めて「東京都で新規陽性者数が高い水準にあり、増加傾向が見られることなどから緊急事態宣言が発出された。6月21日の五者協議では“7月12日以降、緊急事態宣言またはまん延防止等重点措置が発動された場合の観客の取り扱いについては、無観客も含め当該措置が発動された時の措置内容を踏まえた対応を基本とする”とされていたが、今回の緊急事態宣言を受け、人流を抑制するとともに、感染拡大の防止等に向けたより厳しい措置として、無観客とする」と6月の五者協議での取り決めにのっとっての決定であることを説明した。「緊急事態措置が講じられていない区域においては、関係自治体等連絡協議会を開催し、それぞれの地域の状況を踏まえ、首長と協議の上、具体的な措置を決める」と続けた。

 パラリンピックについては7月16日までに方針を決定することになっていたが、「今後の感染状況等を踏まえて判断する必要がある」ということからオリンピックが閉会した後にパラリンピックの観客数の取り扱いを決めることとなった。

4度目の緊急事態宣言受け東京都の会場は無観客に【東京五輪】

2021.07.08 Vol.Web Original

 東京2020組織委員会は7月8日、東京都、日本政府、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)とともに五者協議を行い、その後に関係自治体等連絡協議会を行った。

 これはこの日、政府が東京都に今月12日から8月22日までの6週間にわたって4度目となる緊急事態宣言を発出することを発表したことを受けてのもの。

 組織委では6月21日に行われた五者協議で東京オリンピックの観客数について「収容人員の50%以内で1万人」と決定したが、同時に「7月12日以降に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発動された場合は無観客も含め、基本的には当該措置が発動された時の措置内容を踏まえた対応をする」としていた。

 関係自治体等連絡協議会の冒頭、丸川珠代五輪相が五者協議において、「緊急事態宣言の発出を受け東京都の会場は無観客、緊急事態措置が講じられていない区域においてはそれぞれの地域の状況を踏まえ、首長と協議の上、具体的な措置を決めていくことで合意を得た」と報告した。

五輪観客向けガイドライン発表も「社会のルールとして守って」「自発的、自律的に守って」と実効性には疑問符

2021.06.23 Vol.Web Original

直行・直帰を要請も実効性は…

 東京2020組織委員会は五者協議による観客数の上限決定に伴う観戦チケットの取り扱いに関しての記者会見を6月23日に行った。会見には古宮正章副事務総長、チケッティングを担当する鈴木秀紀マーケティング局次長らが出席した。

 観客数が「収容人員の50%以内で1万人」となったことからチケットの再抽選が行われる競技が発生し、それが陸上16、野球16、サッカー30、ゴルフ8、近代五種2、ラグビー8、ソフトボール7、サーフィン8、開閉会式2の合計97、チケットの枚数は91万枚となることが発表された。再抽選については7月6日に結果を発表。外れた場合は払い戻しとなり、オリンピック・パラリンピックの大会終了後から順次返金される。

 この日の会見では、これまでにもアナウンスされていた観客に向けての「新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」が合わせて発表された。

 その内容については「観戦の事前の準備」として接触確認アプリ(COCOA)等の事前登録の推奨。「会場へ向かう際の注意事項」としてマスクの着用、交通機関利用時の談笑や会話の自粛、余裕を持った来場で混雑を避ける、分散・時差入場、家や宿泊施設からの直行。「入場時の注意」として待機列でのフィジカルディスタンスの確保、入場時の検温の協力。「会場内・観戦時の注意」としてマスクの着用、咳エチケット、手洗い手指消毒の徹底、大声の会話、声や指笛などの応援などの禁止、マスク飲食の徹底(飲食中の会話自粛、話すときはマスクを着用)、売店、トイレ等の待機列でのフィジカルディスタンスの確保、必要に応じた席の移動のお願い、不必要な回遊の自粛、会場内の通路等におけるグループでの飲食の禁止。「観戦後」については分散・時差退場、家や宿泊施設への直帰、路上等での飲食や談笑の自粛、チケットの14日間保管――といったものが挙げられた。

 この会見に先立って行われた会見で橋本聖子組織委会長が発表した通り、会場内での飲酒は禁止となった。

東京五輪再抽選チケットは97セッション91万枚。返金は大会終了後

2021.06.23 Vol.Web Original

横浜国際総合競技場で開催のサッカー決勝は4万枚を1万枚に

 東京2020組織委員会は五者協議による観客数の上限決定に伴う観戦チケットの取り扱いに関しての記者会見を6月23日に行った。

 会見には古宮正章副事務総長、チケッティングを担当する鈴木秀紀マーケティング局次長らが出席した。

 観客数については「収容人員の50%以内で1万人」となったのだが、その結果、再抽選の対象となるセッションは陸上16、野球16、サッカー30、ゴルフ8、近代五種2、ラグビー8、ソフトボール7、サーフィン8、開閉会式2の合計97、チケットの枚数は91万枚となった。

 この97という数字は全体の1割強で、8割以上のセッションは上限に達しておらず抽選とはならない。

 各セッションで枚数にばらつきはあるのだが、例えば一番収容人数が多い横浜国際総合競技場で行われるサッカーの決勝はすでに4万枚以上のチケットが発売されており、それを1万枚にしなければいけないという。

 再抽選については7月6日に結果を発表。各自、公式チケット販売サイトのマイチケットのステータスで確認することになる。マイチケットに「有効(利用可)」と表記されていれば観戦可能で、「無効(利用不可)」と表記された場合ははずれで払い戻しとなる。

サッカー男子 五輪代表18人発表。海外組9人、強力オーバーエイジで目指すは「金」

2021.06.22 Vol.Web Original

堂安、久保、冨安のA代表常連が順当に選出

 日本サッカー協会(JFA)が6月22日、会見を開き、今夏に開催される東京オリンピックに出場するU-24日本代表メンバー18人を発表した。

 A代表でも活躍するDF冨安健洋(ボローニャFC/ITA)、MF堂安律(アルミニア・ビーレフェルト/GER)、久保建英(レアル・マドリード/ESP)らが順当に選出。海外組は過去最多の9人を数える。オーバーエイジ(OA)枠には6月の国際親善試合にも出場したDFの吉田麻也(サンプドリア/ITA)、酒井宏樹(浦和レッズ)、MFの遠藤航(VfBシュツットガルト/GER)が名を連ね、現段階で考えられるほぼベストメンバーという陣容が揃った。

 会見でU-24日本代表の森保一監督は「できることならすべての選手をメンバーに選びオリンピックに参加させてあげたいとは思っているが、18人という非常に限られたメンバーでチームを編成しなければいけない。本来なら選ばれてもおかしくない選手たちを外さなければいけないということについては難しい作業だった。しかし我々は東京オリンピックで金メダルという目標を掲げている。金メダルを獲得するために現時点でのベストのメンバーを選ばせていただき、東京オリンピックに臨みたいと思っている。選ばれた選手にはこれまで戦ってきた仲間たちの思いを胸に刻み、全力で戦ってほしいし、日本のために全力で力を出し切ってほしいと思っている」と金メダル獲得への意欲を見せた。

 そして「東京オリンピックは人生をかけられる大きな大会だとは思うが、ここがゴールではない。今回選ばれなかった選手たちにはさらに上を目指して成長していってほしい。私も指導者である限り、そういう選手たちの成長をこれからも見守っていきたいと思っている」とここまでチームに関わったのべ90人に及ぶオリンピック世代の選手たちにメッセージを送った。またA代表の監督も兼任する立場として「今回選ばれなかった選手も、これからの成長を見続けて、力を示してくれた選手にはA代表の道も開けるようにしっかり選手の情報を見ていきたいと思っている」と今後の飛躍に期待した。

東京五輪観客数は「収容人員の50%以内で1万人」に

2021.06.21 Vol.Web Original

五者協議で議論

 東京2020オリンピック・パラリンピック組織委員会は6月21日、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)、東京都、国との「五者協議」を行い、東京オリンピックの観客数などについて議論した。

 焦点となっていた観客数の上限については、日本政府のイベント開催制限を踏まえ、全ての会場において「収容人員の50%以内で1万人」とすることとなった。

 ただし7月12日以降に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発動された場合は無観客も含め、基本的には当該措置が発動された時の措置内容を踏まえた対応をする。

 感染状況・医療状況に急激な変化が生じた場合には速やかに五者協議を開催し、対応を検討するとした。

 また観客を対象としたガイドラインを作成し、会場内でのマスクの常時着用、大声の禁止、アナウンス等による混雑回避、分散退場等を定めるとともに、生き帰りについては「直行直帰」を要請。都道府県をまたいでの移動についての注意点なども提示する。

 懸念されていたライブサイトおよびパブリックビューイングについては中止または規模縮小の方向で検討がなされることとなった。

 パラリンピックについてはオリンピックの開会式の1週間前、7月16日までに方針を決定するという。

組織委・橋本聖子会長、五輪観客数上限は「政府の基準に準じて」21日に5者会議

2021.06.18 Vol.Web Original

 東京2020組織委員会の橋本聖子会長が18日夜、同日午前に政府分化会の尾身茂会長から受けた提言を受けて会見した。会長は会見の冒頭で「観客の扱いについて判断が必要なタイミングが近づいてきた」としたうえで、観客数の上限については、来週21日に、政府、東京都、組織委、国際オリンピック委員会(IOC)、IPC(国際パラリンピック委員会)での代表者で行われる5者会議で、政府の方針を踏まえて、判断する。

 この日午前に尾身会長が組織委を訪れ、東京2020大会に伴う感染拡大リスクについて提言。感染者数が7~8月にかけて増加する可能性、変異株の影響、大会を契機とした人流・接触機会の増大、医療ひっ迫のリスクに触れられており、観客については「無観客が最もリスクが低いので望ましい」と提言。一方で、観客を収容する場合に考慮すべき点についても示されており、「組織委員会が熟慮を重ねてきた内容とも噛み合っていた」。さらに、「感染リスクに関して多くの点で共通の認識に立った提言をいただいた」と話した。提言は、IOC、IPCにも共有するという。

 政府は17日、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除された地域におけるイベントの観客上限について、段階的緩和措置として、1万人を上限とする考え方を示している。

 橋本会長は「当初から政府が示されるイベントの上限にのっとり基準に準じて決定したいという話をさせていただいている。その気持ちには変わりはないので、(収容人数の)上限は50%または1万人。東京オリンピック・パラリンピックはより厳しさを求められていることも踏まえながら協議をしていきたい。状況が刻々と変わっていくので、その時には無観客も覚悟しておかなければいけない。しっかりとシミュレーションていきたい」とした。

 組織委は安全かつ安心な大会開催のため、来日人数の削減の徹底、行動管理・健康管理の徹底、医療体制見直しの徹底の、「3徹の徹底」を呼びかけている。この日の会見では、アスリートを除いて、オリンピックでは当初の14万1千人が4万1千人に、パラリンピックでは約3万6千人を1万2000人と、それぞれ3分の1に削減できたとした。

 さらに、 この日行われた専門門家ラウンドテーブルでは、観客には、アプリによる事前健康管理、マスクやハンカチの持参、フィジカルディスタンスの確保、体調が優れない場合は来場を控える、手荷物は最小限に、手指の消毒といった基本的な感染対策を推奨。そのうえで人流抑制の観点から、会場へは「直行」「直帰」を要望した。

 橋本会長は「オリンピック・パラリンピックを見たいという観客がいる限り、リスクを払拭することができるのかを探るのが組織委員会の仕事。安全を確保したうえで安心につながっていくのであれば、できる限り努力をして、他のスポーツと同様に少しでも多くの人に観戦していただということで最後まで協議をしていきたい。厳しい状況だという判断が下されれば、お客さんを入れることはできない。そういうことも考えながら最後まで努力をしていきたい」とした。

五輪観客に直行直帰のススメ。マスク拒否は退場のケースも

2021.06.18 Vol.Web Original

 東京2020組織委員会が6月18日、「第4回東京2020大会における新型コロナウイルス対策のための専門家ラウンドテーブル」を開催した。

 その後に行われた会見では観客に対してのガイドラインの素案が発表された。

 観客には、アプリによる事前健康管理、マスク・ハンカチ持参、フィジカルディスタンスの確保、体調が優れない場合は来場を控える、手荷物は最小限に、手指の消毒といった基本的な感染対策を推奨。

 そのうえで人流抑制の観点から、会場への「直行」、交通機関や会場周辺の混雑を避けるため、時間に十分余裕を持っての来場や時差来場、他県から県境をまたいで来る場合、交通機関や宿泊施設の利用時や食事の際の感染症対策、人流抑制を要望した。

 会場に入ってからの注意点としては、会場内移動の際は同居者以外の人との距離を可能な限り確保、会場内通路等におけるグループでの飲食を控えるといったことが挙げられた。

 またマスクを外しての応援や、それに対する注意を受け入れない観客については退場してもらう場合もあるとした。

 そして観戦後には人流抑制の観点から会場からの「直帰」を推奨した。

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