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現代アートの巨匠、ついに東京の美術館で大規模個展開催「ゲルハルト・リヒター展」

2022.07.29 Vol.751

 

“現代アートの最高峰”ゲルハルト・リヒター。日本では16年ぶり、東京の美術館としては初となる待望の大個展。

 ドイツ・ドレスデン出身の現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒター。油彩画、写真、デジタルプリント、ガラス、鏡など多岐にわたる素材を用い、具象表現や抽象表現を行き来しながら、人がものを見て認識する原理自体を表すことに、一貫して取り組み続けてきた。

 本展では、近年の最重要作品とされている、4点の巨大な抽象画からなる作品、《ビルケナウ》(2014年)が日本初公開。同作は一見、抽象絵画に見えるが、その下層には、アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所で囚人が隠し撮りした写真を描き写したイメージが隠れている作品。1960年代以降、ホロコーストという主題に向き合おうと試みながらも断念してきたリヒターがついにたどり着いた達成点にして転換点ともなった作品。絵画と全く同寸の4点の複製写真と大きな横長の鏡の作品(グレイの鏡)などを伴って展示され、1枚の抽象画を鑑賞するというより、ある歴史と対面しているような感覚を覚える空間となっている。

 他にも、鏡やガラスを素材とした作品に他の作品が映り込むなど、見るたびに異なる様相が現れる展示構成となっており、改めて“ものを見る”とは何か問われる体験ができる。

 今年、90歳を迎えたリヒター。彼が手元に置いてきた初期作から最新のドローイングまでを含む約110点によって、一貫しつつも多岐にわたる60年の画業を紐解いていく。

密を避けつつ出かけたい、春のアート展『あやしい絵展』

2021.03.23 Vol.739

 近代、大きく移り変わる時代のなかで生み出された、従来の“美”とは異なる視点を感じさせる作品に注目した展覧会。

 明治期、西洋からもたらされた知識や技術はあらゆる分野に影響を与え、美術においても西洋の刺激から新たな表現が数多く生まれていった。そのような状況のもとで生み出された作品の中には、退廃的、妖艶、グロテスク、エロティックといった「単なる美しいもの」とは異なる表現を持つものもあり、それは激動の時代に生きる人々の心をとらえ、大衆にも広まっていった。

 展覧会では、幕末から昭和初期に制作された絵画、版画、雑誌や書籍の挿図などからこうした表現を紹介。上村松園の《焰》や《花がたみ》、鏑木清方《妖魚》など、あやしくも美しい魅力にあふれた名画をはじめ、甲斐庄楠音《横櫛》、橘小夢《安珍と清姫》、秦テルヲ《血の池》などインパクト満点のあやしさを放つ作品など、近代日本美術の名作の数々に加え、アルフォンス・ミュシャ、ダンテ・ガブリエル・ロセッティ、オーブリー・ビアズリー、エドワード・バーン=ジョーンズといった、日本美術にも大きな影響を与えた西洋美術の作品も展示。

 現実を超えたあやしさ、おどろおどろしいあやしさ、官能的なあやしさ…その時代の画家たちをとりこにしたあやしさを見つめてみては。

コロナで中止・延期の展覧会グッズがオンラインで販売スタート!ロンドン・ナショナル・ギャラリー展など約60点ずらり

2020.04.28 Vol.Web original

 新型コロナウイルスの影響で中止・延期になった展覧会やイベントのグッズ販売が28日、「ほぼ日カルチャんWEBショップ」で始まった。

 販売されるのは、国立西洋美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」、 国立新美術館「古典×現代 2020」、 東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ展」、 国立科学博物館の特別展「和食」、 映画「音楽」の、計5つの展覧会や作品。図録やクリアファイル、マグカップ、Tシャツなどオリジナルグッズが約60点並ぶ。配送手数料は別。

 取り扱いの展覧会やグッズについては、 今後も追加していく予定で、グッズの中には各展覧会からポストカードやステッカーなど、ささやかなおまけがつく商品も。楽しみにしていた展覧会の公式図録や会場限定アイテムが購入でき、展覧会気分が味わえそう。

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