東京2020オリンピック公式映画の製作報告会見が24日、都内にて行われ、総監督を務めた河瀨直美監督が登壇。異例尽くしのオリンピックを2つの視点でつづる公式映画について語った。
歓喜の声に包まれた開催決定から一転、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、史上初めての延期、さらに無観客開催と異例尽くしの大会となった東京2020。その750日、5000時間を、表舞台に立つアスリートを中心としたオリンピック関係者たちを描いた「東京2020 オリンピック SIDE:A」(6月3日公開)と、大会関係者、一般市民、ボランティア、医療従事者などの非アスリートたちを描いた「東京2020 オリンピック SIDE:B」(6月24日公開)の2作品で製作する。
実施種目はオリンピック史上最多となる33競技339種目。延期期間を含め撮影に費やした時間は750日、5000時間。「(編集作業が)まだ終わりません」と苦笑した河瀨監督。今回、2本の映画で製作する理由について「一番はコロナ。1年延期という異例の事態になり、そこから撮影を始めました。オリンピック期間中のアスリートの姿だけでは、今回の事態を記録し未来に伝えていくアーカイヴの意味をなさないのではと思い、2本にしたほうがいいと提案しました」と明かした。
政治問題やジェンダーなど、さまざまな課題に向き合うアスリートたちの姿も丁寧にとらえた。「私は高校時代、奈良県代表でバスケットボールの国体選手だったので、一つひとつのシーンに涙ぐむ思いで撮影していました。すべてのアスリートは美しい」と明かした監督だったが、無観客開催について「最後までくやしいなと思っていました。子供たちに、この素晴らしいアスリートたちの姿を目の当たりにしてほしかった」と残念がった。