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佐々木蔵之介の演劇ユニットが本公演 働きすぎな清の雍正帝を描く

2021.05.16 Vol.Web Original

 

 俳優の佐々木蔵之介が主宰する演劇ユニットのTeam申が、11年ぶりの本公演『君子無朋(くんしにともなし)~中国史上最も孤独な「暴君」雍正帝~』を7月から上演する。

 佐々木が、2020年に放送されたテレビドキュメンタリー番組「中国王朝 英雄たちの伝説」の第三章“過労に倒れた専制君主・雍正帝”で中国ロケをしたことがきっかけとなっている作品。皇帝として規格外れな雍正帝の生涯を掘り起こし物語を紡いでいきたいと、本公演へとつながった。雍正帝は清の第五代皇帝。執務室で毎日20時間働くほど勤勉で、最期は過労死との仮説が有力視されている。

 佐々木は、「座右の銘に『君子無朋』と記した雍正帝。己ひとり、覚悟と責任を背負い、国の未来を導いたユニークすぎる孤独なリーダーのお話です。11年ぶりの自主企画本公演、無事に安全に愉快な公演であることを願うばかりです」

 共演の中村蒼は「雍正帝の人生が舞台化される事で、このとても人間的な皇帝の名が少しでも世に広まれば良いなと思います。暴君雍正帝と言われますがその人が本当は何を思い生きていたのか。ぜひ劇場でご覧下さい」とコメントしている。

 脚本は同ドキュメンタリー番組を制作した阿部修英、演出は劇団桟敷童子の主宰で、テレビドラマ『めんたいぴりり』の脚本でも注目された東憲司が担当する。

 他出演に、奥田達士、石原由宇、河内大和ら。

 東京公演は、7月17~25日で、東京芸術劇場シアターウェストで。仙台、広島、福岡、京都、金沢、長野、新潟で公演がある。

劇団初の平成が舞台の現代劇 劇団桟敷童子『夏に死す』

2016.07.25 Vol.671

 これまで社会の底辺で生きるような人々を描いた群像劇を多く発表してきた劇団桟敷童子。舞台は演出の東憲司自身が生まれ育った炭鉱町や山間の集落、荒々しくもちょっと気の弱い男たちに、耐え忍びながらも芯の強い女たちといった登場人物が織りなす物語は、昭和の日本の原風景を見るようなノスタルジックさを漂わせながらも、時代が変わっても変わらない人間の本質を映し出す。

 そんな彼らの世界観はそのままに、今回は劇団公演初めての平成が舞台の現代劇に挑む。テーマは家族。

 病院から失踪していた痴呆症の父親が自宅から20分ほどの山の中で2年ぶりに見つかった。父親は自然農園で保護されており、そこに向かった三兄妹は物乞いのように別人となっていた父親と出会う。しかし三兄妹には、痴呆を患っているのになぜ2年間も山の中で生活できたのか? なぜ家に帰ろうとしなかったのか? 本当に痴呆症だったのか?といったさまざまな疑問が浮かぶ。そしてやがて兄妹たちが知らなかった父親の別の一面が見えてくるのだった。

 人はその終焉をどのように迎えるのか。そしてその時の家族の振る舞いは…。演出の東憲司の実体験を基にした、どこの家庭にでも起こりうる身近で切実な家族の物語。

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