ロックバンド「ZIGGY」ボーカルの森重樹一が1日、千代田区の神田明神ホールで行われた厚生労働省主催「依存症の理解を深めるための普及啓発イベント」に出席。トークとミニライブを披露した。
「依存症って何ですか?」をテーマにしたトークで、森重は自身のアルコール依存症体験を交え「本来は人一倍罪悪感や相手に申し訳ないという気持ちが強いのに、飲んじゃえば過去の出来事を忘れられる人格になってしまった。お酒を常用、乱用する中で起きた出来事を覆い隠すようにどんどん飲んでしまう。どこかをきっかけに気づけばよかったんですけど」と語り、当初から普通自動車運転免許を取り消されるなどの問題行動を起こしていたことを明かす。
当時の心境を「その時点で一番大事なものが飲酒だった。『酒さえあれば何とかなるじゃん』と思っていた」といい、飲酒が原因で失敗してもその罪悪感から「『死ぬほど反省したから飲んじゃうんだよ』という依存症者独特の考え方」でさらに飲酒を重ね、「同じような飲み方をする人間としかつるめない」悪循環に陥っていった。身近な人から意見されても、病気の自覚がない時点では「『みんな分かってねぇな』と思っていた」と隠れて飲酒したうえに「『何で飲むのが悪いの。酒だろ? 酒くらい問題ないじゃん』という意識が常にあった」。
同じ経験をした音楽仲間からの指摘で初めて自身の問題と向き合い、「その時には確実にアルコール依存症と言われるような状態で、久里浜式(スクリーニングテスト)で『満点じゃん、俺』ってなってました」。アルコール依存症の診断を受け、「ホッとしました。『お前は依存症だ』とお医者様から言ってもらえて安心しました。これで何とかなるかもしれない、と」と振り返る。