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のん“仕返し”宣言?「性格の悪い役で天下取ります!」

2024.11.20 Vol.web original

 

 映画『私にふさわしいホテル』(12月27日公開)の完成披露イベントが20日、都内にて行われ、俳優ののん、田中圭らキャスト陣と堤幸彦監督、原作の柚木麻子氏が登壇。“仕返し上等”の主人公を演じたのんが「性格の悪い役で天下を取ります」と宣言した。

 ベストセラー作家・柚木麻子の同名話題作を実写化。挽回を狙う新人作家の奮闘を描く痛快逆転サクセスストーリー。
 
 自分を窮地に追い込んだ大御所作家に仕返しをしながら返り咲いていく主人公・加代子を演じたのんは「すごく楽しかったです。不運な状況に置かれても屈せずに、凹まず立ち向かっていくところが面白くもありかっこよくもあり」と振り返り「私がやってきた役の中で一番、性格が悪いと思います。それはすごく気持ちよかった(笑)」と会場の笑いを誘った。

 そんなのんは「実生活で仕返しをすることは?」と聞かれると「あります! 声をファルセットにして言い返したり。おすすめなんです」と告白。一同が首をかしげると「裏声で“うるさいでーす”とか」と実演し、堤監督は「かわいいじゃないですか(笑)」。

 のんと初共演という田中が「普段はおしとやかなのに役になるとグワーって。どこにしまってあるんだろう、と思って」と首をかしげると、共演3回目という滝藤は「『あまちゃん』のときから変わらない、生まれたての赤ちゃんのような目」と感慨深げに語り、のんは「目を大切にしていきます(笑)」と照れ笑い。

 主人公にちなみ「下剋上したことは?」と聞かれると、のんは今回の役どころだと答え「私、性格の悪い役をずっとやりたくて、いろんなインタビューで言いまくっていたんですけどなかなか来なくて。やっと来たか、と」と語り「これから悪い役で天下取っていきます!」と宣言し会場から拍手を贈られていた。

 この日の登壇者はのん、田中圭、滝藤賢一、髙石あかり、堤幸彦監督、柚木麻子(原作)。

獄中から溶け出す女の欲望が、すべてを絡め捕っていく『BUTTER』【著者】柚木麻子

2017.06.28 Vol.693

 ケーキやクッキーの甘い香りがただよってきそうなタイトルだが、だまされてはいけない。同書は、あの首都圏連続不審死事件の容疑者であり、死刑が確定となった木嶋佳苗をモデルにした、フィクションである。もっとも木嶋本人は「木嶋佳苗の拘置所日記」というブログで、自分がモデルであると言われていることに大憤慨しているが。とにかく現在の木嶋と同じく、結婚詐欺と殺人の罪で刑務所にいる“カジマナ”こと梶井真奈子が物語の中心だ。世間がこの事件に注目したのは、事件そのものというより、梶井が若くも美しくもないのに、次々と男性が彼女の虜になっていったということ。そして何より、彼女がそれを当然とばかりに、自信満々に自己肯定をしている様子が、不思議だったからだ。週刊誌の女性記者・里佳は、その理由が知りたくて、手記の執筆を頼むため面会を取り付けた。一筋縄ではいかない“食えない女”だが、その欲望と快楽に貪欲で、人の心を掌握することにたけた彼女の言動に里佳は次第に翻弄されていく。カジマナに取り込まれそうになる里佳は、必死に自分の理性を保とうとするが…。木嶋佳苗がモデルと知って、あの事件のことをなぞった本かと思いきや、まったく違って意表をつかれるだろう。カジマナの口から飛び出すバターを使った料理の数々。濃厚で粘りつくようなその描写は、人間の欲望そのものだ。

 人は何故、欲するのか。そして欲する事は罪なのか。登場する人物たちが抱える欲望と、それをあざ笑い操る殺人鬼の対決を、よだれが出そうな料理の描写で表現。里佳はカジマナの呪縛から逃れることができるのか!?

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