松尾スズキの名作『マシーン日記』が来春、大根仁の演出で上演される。主演は、関ジャニ∞の横山裕。
Bunkamuraシアターコクーン芸術監督である松尾スズキが話題のクリエイターたちを指名し、過去の松尾作品を新演出で甦らせるシリーズの第2弾。指名されたのは『モテキ』などを送り出した映画監督で映像ディレクターの大根仁。大根は、ドラマ「演技者。」(03年)で一度『マシーン日記』の演出を手掛けている。
演出にあたって、大根は「長く仕事を続けていて、いまだに肩の凝りが取れない仕事っていうのがあるんですが、『マシーン日記』のドラマ版はその筆頭というか。松尾さんの頭の中に入る作業は本当に過酷なことでした。今回お声がけいただいて、一度解体して再構築した経験のあるこの作品だったらできるんじゃないかと思いました」。
大根が主人公のミチオ役に選んだのが横山。最近のドラマを見て、「芝居がいいな、仕事したい」と引っかかっていたという。
横山は本作について「すごいです。ぶっ飛んでる。松尾さんのこの作品から、人を惹きつけるエネルギーをとても感じています。数々の映像を手掛けられてきた大根さんが、演出家として 舞台でどう攻めるのか楽しみです」。そのうえで「僕は演劇畑の人間ではないですが、積み重ねてきた他の経験を強みにこの作品に挑みたいです。整然としたところに、異物が飛び込んできたとき、パニックのようになるのが面白かったりするじゃゃないですか? そんな予測不可能な感じになれたらと前向きに捉えています」と、やる気だ。
本作は、男女の四角関係を描く、愛憎劇。横山が演じるミチオは電気修理工。小さな町工場を経営する兄のアキトシに、町工場に隣接したプレハブ小屋に、訳あって監禁されている。兄の妻であるサチコはミチオに強姦されたという過去があり、未だ不倫関係にある。そんな中、工場に新しいパート従業員としてサチコの中学時代の担任ケイコがやって来て……。
兄アキトシを大倉孝二、その妻サチコを森川葵、ケイコを秋山菜津子が演じる。
松尾は「演出をお願いした大根くんが「これがいい」と選んだ演目です。キャストが4人だし、わかりやすいからですかね。彼はこの作品をドラマ化してくれたことがあるので、この芝居に流れる狂気みたいなものは、身体に落とし込んであると期待しています。横山さんの色気、大倉さんのギャグセン、秋山さんの説得力!あとは、森川さんが舞台でのたうちまわる姿が楽しみです。出だしの部分は再演するたび変わるので、アレンジを頭を悩ませているところです。ぜひ、演劇を、生の舞台を、楽しんでいただければと思います」とコメントしている。
東京公演は、2021年2月3~27日、Bunkamuraシアターコクーンで。京都公演は同3月5~15日で、ロームシアター京都 メインホールにて上演する。