中村勘九郎と七之助が21日、文京区の文京シビックセンターで全国巡業公演『錦秋特別公演 2023』(10月5日開幕)について取材会を開いた。勘九郎、七之助を中心に中村屋一門が毎年行う巡業公演。時期によって「春暁」「陽春」「新緑」として展開しており、2023年の「錦秋」は全国14カ所で開催する。勘九郎は「歌舞伎を見たことがないかた、歌舞伎が好きで何回も見てくださるかたにも楽しんでご覧いただけるような作品、復活舞踊劇もございます。みんなで試行錯誤して楽しんで帰ってもらえるような作品作りをしたいと思っています」と意気込んだ。
より多くの人に歌舞伎を見てもらおうと、父である十八代目中村勘三郎とともに親子会で全国を回っていたこともある勘九郎と七之助が、兄弟を中心にスタートした全国巡業の特別公演。毎年いろいろな演目を取り上げ、年によっては和太鼓や三味線とのコラボレーションを行うなど挑戦もしてきた。
勘九郎は、特別公演の特徴について「歌舞伎の本興行でなかなかかからない演目を見ていただきたいというのがあります。でもかからない演目イコール……つまらないということでもあるんですね。初めて歌舞伎を見るお客様も多いので、そのお客様にも楽しんでいただけるものをチョイスして、新しく考えて作る、挑戦の場のひとつでもある」と説明。