香港の西九竜裁判所は11月23日、デモ扇動罪に問われた民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏(23)、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(24)、林朗彦氏(26)ら3人の公判で、保釈の継続を認めず、3人を即日収監した。12月2日には黄氏に13カ月半、周氏に10カ月の禁錮刑が言い渡された。
黄氏と周氏は情状酌量を訴えるための苦渋の決断として、当初否認していた起訴内容を最終的に認めたのだが、実刑判決を免れることはできなかった。
執行猶予が付かない実刑判決は、両氏と国際社会の結びつきを断ちたい中国・香港政府の思惑通りの結果。今後、香港国家安全維持法(国安法)違反でも起訴されれば、収監が長期化する可能性が高く、香港の民主化運動にとって大きな打撃となる。
周氏は香港高等法院(高裁)に上訴を申請したが、9日に却下された。3日に獄中で24歳の誕生日を迎えた周氏には、多くの激励の手紙などが寄せられているという。
高裁の決定に先立ち、周氏は関係者を通じて、保釈が認められれば「自分で皆さんに直接ありがとうと伝えたいです」との日本語のメッセージを出していた。
昨年6月に本格化した香港の反政府デモではこれまでに1万人以上が逮捕され、違法集結や暴動罪などで2000人以上が起訴されている。