SearchSearch

【長島昭久のリアリズム】民進党代表選挙に向けて

2016.09.12 Vol.674

 国政選挙4連敗(2012年衆議院、13年参議院、14年衆議院、16年参議院)の後を受けた今回の代表選挙こそ、民進党が「選挙対策の政治」から、「政権戦略を実行する政治」へと大きく舵を切る最後のチャンスだと考え、私は自ら立候補するべくこの約一か月、仲間の議員たちと推薦人集めに奔走してまいりました。

 共産党票に依存する「選挙対策の政治」から脱却し、民進党が自らを磨き、輝く理念と政策の旗印を掲げ、失った国民の信頼と期待を取り戻し、再び政権を担える国民政党に生まれ変わらせるために、執行部の人心を一新し、思い切って世代交代して、自他ともに認める新たなスタートを切るべきだと訴えました。

 しかし、自らの力不足はもとよりあまりにも鮮明な主張を貫いたためか、結局は党内において十分に支持を拡大することができず、出馬断念のやむなきに至りました。

 そのような中で、私は、このたびの代表選挙にあたり、前原誠司衆議院議員を推薦し支援することと致しました。

 政治家としての思想信条が最も近く、政権を担うはるか以前から現実的な外交・安全保障政策を共につくり、実践して来たことなどに加えて、今回は、前原代議士が唯一人、民進党の目指すべき国家像や社会像を政策理念のレベルまで高めて具体的かつ詳細に明らかにしており、そのことを以て、推薦人に名を連ねることを決断したものです。

 前原代議士の考え方は、大きく3つの柱から成っています。第一に、「格差是正」から「尊厳保障」へ。お金持ちの足を引っ張って貧しい人々へバラマキを行う従来の「格差是正」に対して、「尊厳保障」の考え方は、あらゆる人々のベーシック・ニーズ(生活における基本的な必要性)を満たすために、すべての国民に応分の負担をお願いする。そのための財源や税負担の議論から逃げない、というものです。

 第二の問題意識は、アベノミクスのように成長(神話)に依存しすぎると、成長の行き詰まりがそのまま生活の行き詰まりに直結してしまう。それよりも、子育てから教育、介護まで生活者に共通したニーズを満たすことによって個々人(延いては国家全体)の(潜在)成長力を引き出す政策が必要であるという考え方です。過度な「成長依存」を改め、生産年齢人口が毎年1%ずつ減少する我が国のような成熟社会にふさわしい成長を喚起・誘導する経済財政政策を明らかにしていきます。

 第三は、地域包括ケアや子育てインフラの充実、ソーシャルワーカーの拡充によって、「公」「共」「私」の三位一体で人々の生活ニーズを保障できる地域の仕組みづくりに全力を挙げるということです。その他、財政規律の回復や規制改革、現実的な外交安保政策、立憲主義に立脚した憲法改正論議を積極的に行うなど「11の挑戦」を掲げて代表選挙に臨んでいます。

 自公政権に代わる現実的な政権の受け皿を準備する上で、政権時代の失敗を深く反省し、選挙目当ての「野党共闘ありき」で進んできた党の方針を根本から転換して、独立自尊の精神に立脚した党の再生に全力で取り組む決意を示してくれた前原誠司さんとともに私は最後まで戦い抜くことをここに宣言いたします。(衆議院議員 長島昭久)

Copyrighted Image