3歳から始め、世界ジュニア大会では金メダル1枚、銀メダル2枚に輝いたという中国武術を特技に持つ女優の山本千尋。その特技を生かし、アクション女優としても活躍している。空手出身のアクション女優は多いが、中国武術は珍しい。
「私の母が香港映画が大好きで、ジャッキー・チェンとジェット・リーの大ファンだったので、近所の道場に連れて行かれたのが中国武術を始めたきっかけです。3歳でしたし、姉のおまけでくっついて行ったのですが、小さい時から動くことは好きだったので、早く練習に行きたいというタイプの子でしたね。現役の選手は2012年に引退しましたが、まだ稽古とかは続けているので、武術歴は今年で17年になります」
女優になったのも中国武術がきっかけ。
「選手の時に、世界大会出場の取材を受けたんです。そして大会が終わった後に、予想外の反響があり、マイナーだと思っていたこのスポーツが、みんなに褒めてもらえるスポーツだと感じ、私の中で中国武術に対する思いが変わっていきました。と同時にもっともっと広めたいという思いになった時に、いろいろな人から、アクションとかに生かせるんじゃない?って言われて。それで女優になりました。今はその思いがさらに強くなり、ハリウッドとかで、武術とお芝居の両方を見てもらえる女優になりたいと思っています」
1月には舞台『海賊と山賊』でヒロインを務める。
「殺陣がかなり多いので、アクションシーンは見せ場のひとつです。他のキャストの方もみなさんアクションができますし、しかも男性なので、その中で自分の個性をしっかり出し、負けずに頑張りたい。また、舞台は経験が浅く課題は多いですが、最初に台本を読んだ時に、ぜひやりたいと思った役なのでお芝居もしっかり見ていただければ。時には親に反抗する事もあるけど、家族思いで、正義感が強く負けず嫌いという女の子は、自分と重なる部分もあるし、多くの方に共感してもらえると思います。カンフーの女の子というイメージが強いかも知れませんが、ぜひ、お芝居にも注目して下さい」
香港映画好きのお母さんは喜んでいる?
「ジャッキー・チェンと共演して、ジャッキーとジェット・リーに奪われる女の子の役をやってよって言ってます(笑)」