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『まいっちんぐマチコ先生』作者のえびはら武司氏の半生を描いた舞台の完結編が9日から上演開始。「一つもウソが入っていない」

2024.10.09 Vol.Web Original

 漫画家のえびはら武司氏の4コマ漫画「まいっちんぐマンガ道」を原作とする舞台「まいっちんぐマンガ道~明日への扉~」の公開リハーサルが10月9日、東京・新宿のサンモールスタジオで行われた。

 えびはら氏はファンから初めてアシスタントになったことで「藤子不二雄の最初の弟子」といわれる漫画家。独立後、1980年に連載がスタートした「まいっちんぐマチコ先生」は単行本累計800万部、アニメ化、実写映画化もされ大ヒットした。

 舞台の原作となったえびはら氏の原作は藤子不二雄のアシスタントとして、藤子スタジオに勤務していた時期(1973~1975年頃)のエピソードを集めたもの。これまで2020年7月、2021年2月と9月の計3回舞台化され、今回が4回目。

森田剛「荷物を一生懸命運びます」間宮祥太朗とW主演の舞台『台風23号』開幕

2024.10.05 Vol.Web Original

 

 森田剛と間宮祥太朗が主演する舞台『台風23号』が10月5日、新宿区のTHEATER MILANO-Za(シアターミラノ座)で開幕した。

 初日公演を控え、取材会と通し稽古が公開され、主演の森田と間宮を筆頭に出演キャストが出席、作・演出そして出演もする赤堀雅秋による最新作への意気込みを語った。

 森田と間宮は初共演。

 互いの印象について聞かれると、森田は「すごく楽しみにしていたんです。会ってみて稽古を重ねてみて、稽古に取り組む姿勢だったり、すぐ出来ちゃう感じとか、このやろう!と思って、いいなあって。男っぽくて優しくて、センスがあって楽しいです、一緒に芝居をしてて」

舞台『そのいのち』で主演を務める宮沢りえ「健常者と障がい者ってなんなのか。その言葉自体に疑問がわいている」

2024.08.29 Vol.Web Original

佐藤二朗が12年ぶりに新作戯曲を書き下ろし

 宮沢りえが主演を務める舞台『そのいのち』の制作発表会見が8月29日、都内で開催された。
 
 本作はドラマ、映画、バラエティーとさまざまなシーンで活躍する個性派俳優の佐藤二朗が12年ぶりに書き下ろした作品。ミュージシャンの中村佳穂の楽曲「そのいのち」にインスパイアされたもの。
 
 物語は介護ヘルパーとして働く山田里見と里見の雇い主である障がいを持った相馬花とその夫の和清の穏やかな日々と、あることをきっかけにその穏やかな関係が徐々に狂い始めていくさまを通じて、「持つ者」と「持たざる者」の間にある埋めようのない「溝」を描くという。
 
 宮沢は主人公の山田里見を演じ、佐藤は相馬花の夫の和清を演じる。
 
 佐藤は「針がなぜ腰痛とか肩こりに効くかというと、針で傷をつけるから。その傷を補おうとして血の巡りがよくなって、結果として肩こりとか腰痛が治る。この話が好きで、ちょっと大げさかもしれないが、それが“生きる”っていうことなんじゃないかという思いがあって、それで今回の本を書きました」とこの脚本を書くに至った思いを語った。

『オッペンハイマー』と合わせて見たい舞台が3月16日から上演。原爆の開発に従事した米国の科学者を題材とした舞台『イノセント・ピープル』

2024.03.14 Vol.Web Original

 演劇ポータルサイトとして長く演劇ファンに親しまれている「CoRich舞台芸術!」が初めて舞台公演のプロデュースを手掛けた『イノセント・ピープル 〜原爆を作った男たちの65年〜』が3月16日から東京・池袋の東京芸術劇場シアターウエストで上演される。

 同作は2010年に劇団昴で上演され、2013年にも再演されている作品。今回はCoRich舞台芸術!が「名作リメイク」として再上演するという試み。

 物語は原子爆弾の開発に従事した米国の科学者ブライアン・ウッドら5人の若者の生涯と第二次世界大戦後も朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラン・イラク戦争と戦争を続けたアメリカの姿が重ね合わされ進んでいく。アメリカの戦後65年を日本人の脚本家、畑澤聖悟が描いた異色作。

 上演は3月16~24日。くしくも先日行われた「第96回アカデミー賞」では「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材に描いた映画『オッペンハイマー』が作品賞を含む7冠に輝いた。こちらは3月29日から日本での上映が始まるのだが、合わせて見てみることで、原爆、紛争、それに伴う人々の機微といったものをさまざまな角度から考えるいい機会となるかもしれない。

Hey! Say! JUMPの髙木雄也と清水くるみで10の情事「どう感じるかを大事にして」舞台『東京輪舞』10日開幕

2024.03.10 Vol.Web Original

 

 Hey! Say! JUMPの髙木雄也と清水くるみで10の情事を描いていく舞台『東京輪舞』が3月10日、渋谷区のPARCO劇場で開幕する。


 初日を控えた9日、プレスコールが行われ、劇中の一部が公開された。東京、トーキョー、とうきょうといろいろな東京で埋め尽くされた舞台上で、髙木と清水がドキドキする会話と、ドキッとするフレーズ、一抹の切なさと嫌な感じも、さまざまな感情を呼び起こした。

 緊迫したシーンでプレスコールを終えると、髙木はすくっと立ち上がって「すごいところで終わりました」と笑って舞台裏に消え、清水、脚本の山本卓卓、演出と美術を担当した杉原邦生とともに登場し、取材に対応した。

 翌日10日に初日を控え、髙木は「キャスト、スタッフの皆さんで一丸となって作り上げてきたので、ようやく皆さんにお披露目できるのかというのと、早かったなーっていう、ドキドキとワクワクのフィフティフィフティ状態。自分ができることは100%やってきたつもりなので、早くみなさんに見ていただけるとうれしいです」と、意気込みのコメント。

 清水も1カ月強の稽古期間はあっという間だったとしたうえで、「見ごたえがあるんじゃないかなって思って。このセットにワクワクしますし、(髙木と)2人で8役、6役やらせていただいて、きっと面白いものになってるんじゃないかなと思って。皆さんの反応が気になるんですけど、精一杯頑張りたいと思います」と、笑顔を見せた。

舞台「天才バカボンのパパなのだ」出演の俳優陣が稽古場の真面目な芸人たちの様子を暴露「演出家の言うことを100聞いている」「どんな時でも100%」

2024.02.21 Vol.Web Original

「僕らは100聞いてないですから(笑)」

 舞台「天才バカボンのパパなのだ」が2月21日から東京・下北沢の本多劇場で開幕した。今回は芸人と俳優という普段は違うフィールドで活躍する者同士が集まっての座組での公演。お笑いコンビ「男性ブランコ」の浦井のりゆき、「うるとらブギーズ」の佐々木崇博、「ジェラードン」のかみちぃ、「エルフ」のはるの芸人4人が演劇初挑戦にして日本を代表する劇作家・別役実の戯曲に挑んでいる。

 同作は1978年に初演された作品。赤塚不二夫の漫画「天才バカボン」と別役の不条理な世界観が絡まり「脱線に次ぐ脱線で物語としての意味を成さず、気がついたら終わっているという内容」(演出の玉田真也)という難解なもの。

 公演に先駆け公開ゲネプロが行われ、その後の取材会ではバカボンのパパとママを演じる市川しんぺー、浅野千鶴といった小劇場出身の芸達者たちが稽古場での芸人たちの様子を明かした。

 浅野や市川はこれまで多くの舞台への出演経験があるのだが、ここまでがっつりと多くの芸人と絡むのは初めて。浅野は「役者より真面目に稽古をする方々ばかり。それに本当に驚いた。ちょっとした返し稽古で短いシーンをやるときも佐々木さんなんて大声でやって声がガラガラになるくらい真面目に100%でやる。なので自分は“普段、もっと頑張らなきゃ”と思わされました」と芸人たちとの稽古の様子を明かす。

舞台「天才バカボンのパパなのだ」が開幕。ゲネを終えた男性ブランコ浦井が「ようやくどういう芝居なのか理解できた」

2024.02.21 Vol.Web Original

 舞台「天才バカボンのパパなのだ」が2月21日から東京・下北沢の本多劇場で開幕した。今回の公演ではお笑いコンビ「男性ブランコ」の浦浦井のりひろ、「うるとらブギーズ」の佐々木崇博、「ジェラードン」のかみちぃ、「エルフ」のはるの芸人4人が演劇初挑戦にして日本を代表する劇作家・別役実の戯曲に挑んだ。

 同作は1978年に初演された作品。赤塚不二夫の漫画「天才バカボン」と別役の不条理な世界観が絡まり「脱線に次ぐ脱線で物語としての意味を成さず、気がついたら終わっているという内容」(演出の玉田真也)という難解なもの。

 公演に先駆け公開ゲネプロが行われ、その後の取材会では署長役の浦井が「少しだけですが初めてこの芝居を見る方にお客さんとして座っていただいて、ようやくこの舞台がどういう性質のものなのかというのが分かったというか“こういう芝居なんだ”ということが理解できたというか。早くお客さんの前でやってみたいなという気持ちでいる」と語るように観客や取材陣の反応にやっと手応えを感じたよう。

小森隼と陣の全力の感情ぶつけ合いに客席落涙 舞台『芸人交換日記』開幕

2024.02.20 Vol.Web Original


 小森隼(GENERATIONS)と陣(THE RAMPAGE)がお笑いコンビを演じる舞台『芸人交換日記』が2月20日、麹町のTOKYO FMホールで初日を迎えた。

 放送作家の鈴木おさむによる小説『芸人交換日記~イエローハーツの物語~』を舞台化したもの。お笑いコンビのイエローハーツの田中と甲本を軸にしたストーリーで、お笑いの世界に飛び込んで11年が経とうとするもまったくブレイクできずにいるなかで、甲本の発案で、お互いの思いを言い合おうと交換日記をなし崩し的に開始。後輩たちに追い抜かれて行く状況について思うこと、自分たちのネタ、お金、互いへの不満など2人が抱えている問題が噴き出す。岐路に立った2人は一念発起、自分たちの良さを発揮できるネタでコンテストに挑むが……。

 初日公演を控え、同日、公開ゲネプロが行われた。横に広い舞台の中心に置かれたポストを通じて、読んでは書いて渡し、受け取って読んで返事を書くという行動を繰り返して交換日記を続けて、お互いの思いを伝えていく。熱い甲本と低音の田中のやり取りは最初こそ淡泊だったが、徐々にエモーショナルに、観客の心を揺さぶる。

 中盤をすぎると、甲本と田中の長い独白のシーンも。届くか届かないのか互いに分からないままに吐露する思いに、そっと目元を拭う観客の姿も多く見られた。

柳家喬太郎と千葉雅子による二人会「きょんとちば」シリーズの第4回が12月4日に開催

2023.10.08 Vol.Web Original

 落語界屈指の人気を誇る実力派・柳家喬太郎と女優・劇作家・演出家として活躍中の千葉雅子による二人会「きょんとちば」シリーズの第4回が12月4日に東京・新宿の紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで上演されることが10月8日、発表された。

 今回は「きょんとちば Vol.4-マイノリ60sへの道-」というタイトルで行われるのだが、『マイノリ』は2011年に千葉が喬太郎に描き下ろした新作落語で、来年2024年秋に『マイノリ60s』と題し『マイノリ』のその後を新作落語として上演の予定。今回の二人会は来年の『マイノリ60s』につなげる会として企画されたもの。

 千葉雅子による新作朗読劇と、今年還暦を迎える喬太郎へ千葉が出したリクエスト「60代になった喬太郎師匠による、青春や純粋さや恋などが題材となった噺」、そして「マイノリ60sへの道」というテーマでの喬太郎と千葉のトークも行われる。

「ムシラセ」保坂萌の新作『眩く眩む』は集団創作におけるパワハラ問題を題材とした作品

2023.09.04 Vol.Web Original

 演出家・劇作家・舞台写真家の保坂萌が主宰する演劇ユニット「ムシラセ」の新作『眩く眩む』(まばゆくくらむ)が9月6日から東京・中野の劇場MOMOで上演される。

 ムシラセは保坂の創作する演劇を上演するためのユニットで、2008年に設立。年に1~2回の主催公演と招聘公演等に参加している。

 保坂の作品は自分以外の誰かの目にはそれが絶望に写っても、自分自身にとっては愛すべき人生で、その逆もまた然り。人間と人間とのやりとりを笑いを交えて描き、エンターテインメントでありながらも社会を斜めから切り取るといったもの。

 今回の新作は昨今、にわかに明るみになることが多くなってきたエンターテインメント業界や集団創作の場における「パワハラ問題」を題材にしたもの。

 このパワハラやセクハラから派生する出来事はしばしばメディアを騒がせる。そういったニュースを目にする中で保坂自身「今、このテーマと向き合っておかねばならない」と考え、今回の作品の制作に取り掛かったという。

 作品自体は「ハラスメントが起きてしまうことは人間が2人以上いればどこにでもあり、それを解決する姿勢をみせないことは絶対悪である」というテーマを持ちつつも、正義vs悪という二項対立や解決策を提示するものではなく、どちらかというと被害者や加害者周辺の人間たちの行動を描く中で、それぞれの立場から見ている世界をぶつけあうようなものになっている。

 この周辺の人たちの行動というのは自己保身に走る加害者側の姿であったり、全く別のハラスメント被害者側の人たちが別のハラスメント被害が起こった際に「そら見たことか」といった具合に見ず知らずの新たな被害者を祭り上げておきながら、時間が経つと何事もなかったかのごとく忘れ去っていってしまうような行動のこと。

 エンタメ業界におけるパワハラやセクハラ問題は今に始まったことではなく、これまでにも多くあり表面化しなかっただけといわれている。集団創作である以上はどの局面においても常に起こりうることで、どういった対策を取れば問題が起こらない、または解決するかという答えを持っている人は多分、誰もいないという現状。その中であえてこの題材を扱うのは相当な覚悟がいる。なぜなら大半の人がうなずいても一部の声の大きいしたり顔の人たちや自覚のない人たちに正論がかき消されかねない問題だから。いや、今使った「正論」という言葉もその人の立ち位置によってさまざまなものがあるからだ。
 
 ちなみにムシラセの前回公演はこれまでの作品の中で特に支持が大きかった『つやつやのやつ』と『ファンファンファンファーレ!』の2本立ての公演で、コミカルとちょっと泣かせるような2作品を並べた。保坂は今作については「絶望の果てに希望のある物語になる」と言うが、前回公演とはやや異なったトーンのものになりそう。そのなかでどんな絶望と希望を見せてくれるのか。

 公演は9月10日まで。

劇団鹿殺しの世界最小衣装のお芝居「ザ・ショルダーパッズ」が上演スタート。「本多劇場でやることに意味がある」

2023.07.14 Vol.Web Original

 劇団鹿殺しの2023本公演「ザ・ショルダーパッズ この身ひとつで」が7月13日に東京・下北沢の本多劇場で開幕した。

 この「ショルダーパッズ」というのは市販の肩パッド2枚を縫い合わせた世界最小の舞台衣装のこと。座長の菜月チョビによると「ザ・ショルダーパッズはこの最小限の果てに、演劇の創造性と観客の想像力を最大限に高めようとする夢のような試み。男性の衣装は2枚の肩パットのみで、シンプルな肉体と、想像力の翼のみを武器に、演者と観客、双方の世界を無限に解放することに挑戦します」とのこと。

 鹿殺しは2000年に大阪で結成され、2005年には劇団員全員で上京。東久留米の一軒家にメンバー全員で共同生活をしながら、演劇活動を行っていた。劇場での公演はもちろん、ライブハウスでのパフォーマンスや路上パフォーマンスで徐々に認知度を高め、2012年に紀伊國屋ホールに初進出を果たすなど劇団としても大きく成長。昨年、活動20周年を迎えたのだが、この20年というのは現在活動中の劇団の中では相当長い部類に入る。

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