安倍総理大臣は14日、記者会見を開き、東京・大阪などの特定警戒都道府県の一部を除く39県について、緊急事態宣言の解除を表明。4月16日に宣言が全国へ拡大してから、初めての解除に踏み切った。
宣言解除の基準として、政府の基本的対処方針の案では、各地域の「感染の状況」、「医療提供体制」、「監視体制」の3つを総合的に判断するとしていた。安倍総理は、2週間前に比べて新規の感染者が減少傾向にあること、直近1週間の新たな感染者が人口10万人あたり0.5人以下であることなどを踏まえ、「39県は、徹底的なクラスター対策で、感染拡大を防止できるレベルまで落ち着いてきた」と説明した。政府は今後、21日をめどに、残る北海道、東京、大阪、神奈川、埼玉、千葉、京都、兵庫の8つの特定警戒都道府県についても、宣言解除の是非を検討する見通し。
宣言解除について安倍総理は「新たな日常を取り戻す、本格的なスタートの日」とし、商店やレストラン、ホテル・宿泊施設の営業、文化施設の開館など、80を超える業界で感染防止のガイドラインを策定したと発表。今後はこうしたガイドラインを基に、事業活動を本格化してほしいと呼び掛けた。
また、解除後の39県へは、お願いとして「少しずつ、段階的に」、「前向きな変化はこれからも」、「日常でのウイルスへの警戒」の3つを挙げた。人との接触は出来る限り減らす、県をまたいだ移動は少なくとも今月は避けるなど、段階的に日常の暮らしを取り戻してほしいとしたほか、テレワークの導入や時差通勤など前向きな行動変容の継続、また、日常のあらゆる場面でもソーシャルディスタンスの徹底や、3つの密を避けるなど、ウイルス対策を徹底するよう呼び掛けた。