4年に一度のフルコンタクト空手世界最高峰の大会『第11回オープントーナメント 全世界空手道選手権大会』(新極真会主催)が10月31日〜11月1日、東京・千駄ヶ谷の東京体育館で開催された。
男子は第2シードの島本雄二が決勝で入来建武を2度の延長の末、3−2の小差で破り初優勝。史上最年少優勝を目指した入来の快挙はならなかった。日本からの王座流出の危機が囁かれていた今大会。優勝候補と目されていたヴァレリー・ディミトロフは5回戦で日本の前田勝汰に敗れた。前田は軽量級ながら大きな選手をなぎ倒し、準決勝まで進出。力尽き結局4位に終わったが、敢闘賞を受賞した。
女子の決勝は優勝候補のチェンゲ・ジェペシと日本の16歳・南原朱里が対戦。こちらも2度の延長にもつれこんだものの、実力と経験に勝るジェペシが5−0の判定で勝利を収め初優勝。日本の王座死守はならなかった。しかし初日の初戦でシードの加藤小也香がまさかの敗戦。前回王者の将口恵美も最終日の3回戦で早々に姿を消すという緊急事態だったが、16歳の南原、17歳の菊川結衣という若い力が台頭。4年後へ大きな期待を持たせた。
大会後、緑健児新極真会代表は「過去10回、日本が王座を守ってきた。今回も島本選手がチャンピオンになることができてほっとしている。彼一人の力ではなく、日本選手団が“伝統継承”の言葉のもと、選手一丸となったことが島本選手と入来選手の決勝になったのだと思う。女子は将口、加藤両選手はいい結果が残せなかったが、男女ともに苦しい稽古を乗り越えて頑張ってくれた。選手のみんなを誇りに思う」と語った。
島本については「島本は安定していた。突き、蹴りが全日本より強くなっていた。空手一筋の生活を送っていたとのこと。練習量においても世界で一番稽古をしたのではないかと思う。やはりそういう苦しい稽古を乗り越えた人が、精神的に一番強い。最後まであきらめないという気持ちが島本選手から伝わってきました」と語った。また弟子の南原については「南原選手は手を抜かない稽古をやっている子。頑張ってくれたらいいなとは思っていたが、決勝まで行ったのはびっくり。こんなに短期間に強くなるものなんだな、と感じた。準優勝は立派。帰ったらほめてあげたい。まだ16歳なのでこれからまたまた強くなるのではないでしょうか」と語った。