第25回参院選が7月4日、公示された。21日の投開票に向け選挙戦に突入した。
各党は4日午前から街頭に立ち、早速支持を訴えた。
自民党の安倍晋三首相は福島市内の果樹園で第一声を挙げた。安倍首相は参院選の争点とする憲法改正を意識し「議論する政党を選ぶのか。議員としての責任を果たさず、審議を全くしない政党を選ぶのか。それを決める選挙だ」と訴えた。
野党第一党の立憲民主党の枝野幸男代表は東京・新宿駅東南口で第一声。「暮らしの安心を取り戻さないとならない。政治が変われば暮らしはもっと良くなる」などと訴えた。
前日の3日には、与野党7党首らが日本記者クラブ主催の討論会に臨み、年金や外交安全保障、憲法改正をめぐり論戦を交わした。
安倍首相は10月に税率10%に引き上げる消費税について「安倍政権でこれ以上引き上げることはまったく考えていない」と明言。「今後10年ぐらいの間、上げる必要はないと思っている」とも述べた。
立憲民主党の枝野幸男代表は、平成24年の旧民主党政権下で、自民、公明、民主の3党が消費税率10%までの増税と社会保障の一体改革で合意したことに言及し、「間違っていた。消費不況が続いている間は上げられない」と訴えた。
討論会では共産党の志位和夫委員長と日本維新の会の松井一郎代表が情報公開の姿勢を批判し合う場面も。
松井氏は、国会議員に毎月100万円支給されている「文書通信交通滞在費」をめぐり、2012年の党首討論で志位氏が使途を明確にするため領収書の公開を約束したと指摘し「今のところ知らぬ存ぜぬで全く実行されていない。志位さんの公約はそんなに軽いものなのか」と批判。
これに対し志位氏は「共産党ウオッチャーで有名な松井さんがご存じないというのは驚き。私たちはすでにホームページで公開している」と説明したうえで「領収書とおっしゃいますが」とおもむろに維新に所属する杉本和巳衆院議員=比例東海=の使途報告書に触れながら「100万円の文通費の全額を、杉本氏自身が支部長を務める政党支部に入れている。領収書を発行したのも杉本議員、領収書を受け取ったのも杉本議員。何に使われたのかは全くのブラックボックス。使途が大事であって、使途を公表して初めて公表したと言えるのでは」と指摘。そして「身を切るのがお好きなら政党助成金を返上したらいかがかと思う」などと続けた。