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イスラエルとイランの受賞監督が東京国際映画祭でメッセージ「日本の“柔道”が意味する道こそ私たちが進みたい道」

2023.11.01 Vol.web original

 

 第36回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが11月1日、日比谷にて行われ、コンペティション部門のグランプリ作品ほかが決定。チベットやイスラエルなど、アジアの多様性を感じる受賞作品の顔ぶれとなった。

 コンペティション部門・東京グランプリ/東京都知事賞を受賞したのはチベット出身監督ペマ・ツェテンによる『雪豹』。ツェテン監督は今年5月に急逝しており、この日はキャスト4人が登壇。監督の代わりにトロフィーを受け取り「この賞は監督が私たちに与えてくれた賞」、「監督の精神を継いでこれからも映画を作っていきたい」「ペマ先生はもうここにはいませんがいつも一緒にいるように思います」と口々に感動のスピーチを行った。

 審査委員特別賞と最優秀女優賞(ザル・アミール)を受賞したのはジョージア/アメリカ合作映画『タタミ』。女子柔道イラン代表選手である主人国が、イスラエル代表選手と対戦しないようにイラン政府から棄権を命じられ葛藤する姿を描く。

 長く対立姿勢が続くイランとイスラエルゆかりの2人による共同監督作品。最優秀女優賞も受賞したイラン系フランス人のザル・アミール監督は「今、世界は燃えています。イランが、パレスチナが、イスラエルが燃えて、いたるところで無実の人々が血を流しています」と憂いながら「日本では“柔道”は柔和な道を意味すると聞きました。それこそが私たちが進みたい道なのです」とビデオメッセージを寄せ、イスラエル出身のガイ・ナッティヴ監督も「本作はイスラエルとイランの監督による初めての共同監督作。日本の伝統へのオマージュであり、相手を敬うということを描いた作品です。次の作品も日本へ持って行きたい」と喜びのコメントを寄せた。

 また今年、コンペティション部門に出品した日本の作品3作のうちの1作、岸善幸監督作『正欲』が、最優秀監督賞と観客賞を受賞。岸監督はW受賞に感激しつつ「多様性の意味を問いかけた作品。この映画を見て皆さんにも考えていただけたら」と語った。

 コンペティション審査委員長を務めたヴィム・ヴェンダース監督は総評として「東京で審査委員長を務めることができて大変光栄でした。たくさんのすばらしい映画と出会うことができました。また、私たちの映画『PERFECT DAYS』をオープニングで紹介できたことも感謝しています」と充実の表情で映画祭を振り返った。

 最後に映画祭の安藤裕康チェアマンは「今年は作品チケットの購入者が5万人近くで、昨年から36%増加。関連イベントを含めると7万人以上の方が参加され、これも作品から25%増加しました」と盛況ぶりを振り返りつつ観客、スタッフに感謝。最後はボランティアスタッフたちとともに閉幕を宣言した。

 

【第36回東京国際映画祭・主な受賞一覧】
コンペティション部門・東京グランプリ/東京都知事賞:『雪豹』(ペマ・ツェテン監督)
審査委員特別賞:『タタミ』’(ザル・アミール監督、ガイ・ナッティヴ監督)
最優秀監督賞:岸善幸監督(『正欲』)
最優秀女優賞:ザル・アミール(『タタミ』)
最優秀男優賞:ヤスナ・ミルターマスブ(『ロクサナ』)
最優秀芸術貢献賞:『ロングショット』(ガオ・ポン監督)
観客賞:『正欲』(岸善幸監督)
アジアの未来 作品賞:『マリア』(メヘディ・アスガリ・アズガディ監督)
Amazon Prime Videoテイクワン賞:『Gone with the Wind』(ヤン・リーピン監督)/審査員特別賞『ビー・プリペアード』(安村栄美監督)

吉岡里帆「さるぐつわで1人で棒立ちしてました」撮影初日から「ドキドキしました(笑)」

2023.10.31 Vol.web original

 映画『怪物の木こり』(12月1日公開)の舞台挨拶が31日、都内で開催中の第36回東京国際映画祭にて行われ、主演・亀梨和也らキャスト陣と三池崇史監督が登壇。吉岡里帆が“さるぐつわ”姿での撮影を振り返った。

 2019年に『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した倉井眉介の同名小説を映画化。連続猟奇殺人鬼と、そのターゲットにされたサイコパスの弁護士の戦いを描く。

 婚約者役の吉岡里帆とは初共演という亀梨。印象を聞かれると「テレビなどで、フワッとした柔らかい雰囲気の、男性の心をきゅっとわしづかみにしてくれる印象でした。周りの男性たちからも“いいな~共演するんでしょ”みたいな」と振り返りつつ「でも現場ではテレビなどで見ていた印象と違って、芯があって力強く作品と向き合う職人、プロというか覚悟を感じました」と感嘆。

 そんな吉岡は、撮影エピソードを聞かれると「現場に入った瞬間に、さるぐつわが用意されていて。そこから私、さるぐつわをして棒立ちで、1人でずっと皆さんのことを待っていて。やっと三池監督がいらっしゃって“ごめんね、うちこんな感じなんだよね~”って」と苦笑。さらに「この日は原作者の方もいらっしゃっていて、私はずっとさるぐつわを付けたままで…。原作者の方にもさるぐつわ姿を見られて恥ずかしくて、ドキドキしました」と思わず吹き出しながら、撮影エピソードを振り返り、会場の笑いをさそっていた。

 この日の登壇者は亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、染谷将太、中村獅童、三池崇史監督。

菜々緒「ハロウィーンの日は六本木と渋谷に近づかない」、獅童「昔はクリスマスのほうが盛り上がった」

2023.10.31 Vol.web original

 

 ハロウィーンの思い出を聞かれると亀梨は「僕は毎年カボチャに顔を描いてます。ある年はちゃんとくり抜いてロウソクを入れたり」と毎年デコレーションを行っていることを明かすと、観客からも意外そうな声。そんな亀梨に、吉岡里帆が「自分の顔に(カボチャを描く)?」と尋ね、亀梨が「オレ、カボチャじゃないから。どっちかというと“梨”だから」と笑いをさそう一幕も。

 そんな吉岡が「普段は何もしないんですが、本場NYのハロウィンに遊びに行ったことがあります。仮装のクオリティーがめちゃくちゃすごくて」と振り返ると、すかさず亀梨が「“きつね”とかやらなかったんですか」と吉岡の人気CMを引き合いにし、会場も大笑い。

 一方、菜々緒は「私はとにかくハロウィーンの日は六本木と渋谷に近づかないという過ごし方をしています」と言い「私たちの職業は毎日ハロウィーンのようなもの」。すると染谷将太も「自分もすごい格好や特殊造形になった自分を目の前にしてきて、仮装意欲がなくなっちゃった。さみしいですね」。

 最後に中村獅童が「ハロウィーンは大好きなんだけどね」と渋谷のハロウィーンの人だかりで渋滞に巻き込まれたと振り返り「迷惑だから早く帰ってもらいたい。…だけどハロウィーンは好きだぜ」。

 さらに中村は「50歳以上の方がいたら分かると思うけど、昔はクリスマスのほうが盛り上がった。半年前からホテルを予約したりね。今はハロウィーンのほうが盛り上がってるからね」と嘆息していた。

 この日の登壇者は亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、染谷将太、中村獅童、三池崇史監督。

稲垣吾郎、初共演の新垣結衣に「今までのイメージを覆された」新境地を絶賛

2023.10.25 Vol.web original

 

 映画『正欲』のワールドプレミア舞台挨拶が25日、都内で開催中の第36回東京国際映画祭にて行われ、俳優の稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香と岸善幸監督が登壇。稲垣と新垣が初共演を振り返った。

 作家・朝井リョウによる第34回柴田錬三郎賞受賞作を原作に、さまざまに異なる背景を持つ人々を通して人が生きるための推進力とは何かを問う衝撃作。

 今年の東京国際映画祭コンペティション出品の注目作。同映画祭では主演作が2度、観客賞を受賞している稲垣は「またこの場所に帰って来れて光栄。東京国際映画祭は映画を愛する者みんなにとっての特別な場所なので」と映画祭でのプレミアを喜んだ。

「皆さん、とにかく大きな覚悟を必要とする役どころ」と言う稲垣は初共演となった共演陣を絶賛。中でも新垣について「新垣さんの今までの作品やコマーシャルを見て、それぞれ描くイメージがあるじゃないですか。僕もそれを覆されました。最初に現場で会ったときは、イメージする新垣さんと全く違っていて僕もビックリしました」と目を丸くした。

 一方、新垣も「稲垣さんとご一緒できたシーンは濃密なシーンだったので濃い時間をともに過ごして、一緒に力を作ることができて光栄でした」。

 磯村は「稲垣さんとのシーンはわずかだったんですけど忘れられないくらいの緊張感でした。稲垣さんが演じる寺井が本当に僕は怖かった(笑)」と稲垣の迫真の演技に感謝。

 原作をもともと読んでおり、オーディションで役を得たという佐藤も「原作の衝撃もあっていろいろ考えたんですが、いろいろやることがあって緊張している時間がなかった」と役を楽しんだ様子。

 最後に新垣は「何か皆さんの心に届くものであればうれしい」、稲垣は「人それぞれの個性を認め合うことの大切さ、それを発見することの喜びを感じていただける作品」とアピールした。

 映画『正欲』は11月10日公開。

三吉彩花、大胆“美背中”と流ちょう韓国語に観客から拍手喝さい

2023.10.25 Vol.web original

 

 映画『ナックルガール』舞台挨拶のワールドプレミアが25日、都内で開催中の第36回東京国際映画祭にて行われ、主演の三吉彩花、共演の窪塚洋介、前田公輝とチャン監督が登壇。三吉が華やかドレスと韓国語挨拶で場を盛り上げた。

 韓国の同名人気ウェブコミックを原作に、女性ボクサーの戦いを描く日韓共同制作。

 冒頭、三吉は流ちょうな韓国語で長めの挨拶を披露し、チャン監督も「素晴らしいです!」とグッジョブポーズ。場内からも大きな拍手が沸き起こった。

 日本語、英語、韓国語が飛び交う国際映画祭ならではの舞台挨拶に、三吉は「あまりにも多言語が飛び交いすぎて(笑)」と苦笑しつつ「緊張もありながらも気合の入った気持ち。とてもうれしかったです」と笑顔。

 窪塚に出演してほしいという監督たっての希望でオリジナルキャラを演じた窪塚はオファーを喜びつつ「日韓合作でどういうものができるのかというワクワク感も大きかった。チャン監督は現場ではビシッとしているけどご飯を食べに行くと言葉の壁を超えるチャーミングさを見せてくれる」と明かし、チャン監督も照れ笑い。

 主人公の女性ボクサー橘蘭を演じるため、半年間ものトレーニングに挑んだ三吉は「今思い返しても、皆で力を合わせてよく乗り切ったと思う。私はこの作品で初めてボクシングに触れたので、基礎練習から始め、他のキャストの皆さんと体育館で1日5~6時間、毎日練習を重ねたことでチームワークも良くなっていきました。日韓のアクションチームが教えてくださった」と日韓のチームに感謝。

 司会が、大胆に背中が空いた三吉のドレスに言及し、三吉が観客に美しい後姿を披露し照れ笑いする一幕もあった。

『ナックルガール』はPrime Videoにて11月2日より配信。

映画スターに大歓声 日比谷に165mのレッドカーペット!東京国際映画祭開幕

2023.10.23 Vol.web original

 第36回東京国際映画祭のレッドカーペットイベントが23日、日比谷にて行われ、コンペティション審査委員を務める世界的監督ヴィム・ヴェンダースをはじめとする来日映画人や役所広司、稲垣吾郎や新垣結衣ら豪華俳優たちが華やかに映画祭の幕開けを飾った。

 最初に歓声を受けて登場したのはクロージング作品 『ゴジラ-1.0』 の山崎貴監督と俳優の神木隆之介、浜辺美波。主演・神木は「見どころは日本が世界に誇るコンテンツ、ゴジラの顔が画面いっぱいに出てくる本当に迫力ある楽しい作品」と東京から世界へ向けてアピール。

 韓国人のチャン監督による日本映画『ナックルガール』 (特別招待作品)に主演した三吉彩花はテールがゴージャスな肩出しブラックドレス姿。「韓国と日本の素晴らしいチームが共同で作り上げた作品」と胸を張った。

 コンペティション部門の注目作品『正欲』 からは稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香のキャストが集結。意欲作に稲垣は「今回は堅物な役でずっと眉間にシワを寄せています。ちょっと嫌なヤツに思われるかも(笑)」と笑いをさそいつつ、豪華共演陣について「この作品で初めての表情を見せてくれているのでお楽しみに」とアピールした。

 ガラ・セレクション作品『MY (K)NIGHT』から、トリプル主演を務めた人気グループTHE RAMPAGEの川村壱馬、RIKU、吉野北人が登場すると観客からも大歓声。

 同じくガラ部門『怪物の木こり』 からは亀梨和也、菜々緒、三池崇史監督が登場。亀梨が、一緒に登壇した不気味な“怪物”に「撮影をしていたときより若干小さくなった?(笑)視界が悪いでしょうからエスコートします」と気を配り会場の笑いをさそう一幕も。

 他、Nippon Cinema Now部門からは『市⼦』 の主演・杉咲花ら、『かぞく』の吉沢亮、特別上映作品『TOKYO POP 4K デジタルリマスター版』に出演するダイヤモンド☆ユカイ、Amazon Prime Video テイクワン賞審査委員を務めた玉城ティナらもサイン攻めに。

 今年は、特別功労賞を受賞した巨匠チャン・イーモウ監督や、ガラ・セレクション作品『ポトフ(原題)』 のトラン・アン・ユン監督やフランスの人気俳優ブノワ・マジメルら海外セレブの姿も。

 ヴィム・ヴェンダース監督によるオープニング作品 『PERFECT DAYS』 チームが登場すると、レッドカーペットの盛り上がりは最高潮に。主演・役所広司をはじめ柄本時生、石川さゆり、田中泯、三浦友和ら豪華キャスト、スタッフに大声援が贈られた。

 フェスティバル・ナビゲーターを務めた映画監督・安藤桃⼦も「未来につながる10日間になったら」と期待。

 今年、国内外から参加したレッドカーペットアライバルゲストは昨年の137人をはるかに超える226人。コロナの時期は見ることができなかった声がけやサインなどのファンサービスも復活。来日ゲストも多数登場し、165メートルのレッドカーペットが国際映画祭ならではの華やかさに包まれていた。

 第36回東京国際映画祭は10月23日から11月1日まで日比谷他にて開催。

フェスティバル・ナビゲーターを務めた映画監督・安藤桃⼦とその父で俳優の奥田瑛二、コシノジュンコ

 

コンペティション部門の注目作品『正欲』 からは稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香

 

『ナックルガール』のチャン監督、三吉彩花、窪塚洋介、前田公輝

 

MY (K)NIGHTからトリプル主演を務めた人気グループTHE RAMPAGEの川村壱馬、RIKU、吉野北人

 

『怪物の木こり』から亀梨和也、菜々緒、三池崇史監督と“怪物”

 

クロージング作品 『ゴジラ-1.0』 の山崎貴監督と俳優の神木隆之介、浜辺美波

 

Amazon Prime Video テイクワン賞審査委員を務めた玉城ティナ

 

『ポトフ(原題)』 のトラン・アン・ユン監督やフランスの人気俳優ブノワ・マジメルら

 

巨匠チャン・イーモウ、ヴェンダースが東京国際映画祭で感動のスピーチ

2023.10.23 Vol.web original

 

 第36回東京国際映画祭のオープニングセレモニーが23日、日比谷にて行われ、チャン・イーモウ、ヴィム・ヴェンダースといった世界の巨匠監督が同映画祭への思いを語った。

 ヴァイオリニスト川井郁⼦による映画音楽演奏で幕を開けたオープニングセレモニー。

 この日はベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したデビュー作『紅いコーリャン』や高倉健主演作『単騎、千里を走る。』などを手がけた中国映画の巨匠チャン・イーモウ監督に、特別功労賞を授与。イーモウ監督は「思い返すと36年前、東京国際映画祭が始まったばかりのときに主演男優賞を受賞しました。そのときは私はまだ映画監督ではありませんでした。その後18年経って再び映画祭に来たときは審査委員長を務めました。それからまた18年がたち、今日ここに立ってこの賞を受賞しました」と東京国際映画祭との深い絆を振り返り「これからもいい作品を携えて、また皆さんとお会いしたい」と意気込みを新たにした。

 今年、審査委員長を務める世界的巨匠ヴィム・ヴェンダース監督は「オープンな心でコンペの15本を審査させていただきます。審査員たちともめるのは、クロージングセレモニーの後にするとお約束します」と茶目っ気たっぷりに挨拶。

 さらにヴェンダース監督の最新作となるオープニング作品と『PERFECT DAYS』の主演・役所広司をはじめキャスト、スタッフも登壇。ヴェンダース監督はうつむきがちに「私は日本で映画を撮りたいという夢を見ました。主演には役所広司さんを迎えたいという夢を見ました。カンヌ国際映画祭に出たいという夢を見ました。この映画で主演男優賞を取りたいという夢を見ました。米アカデミー賞への出品は夢見てませんでしたが。東京国際映画祭のオープニングとしてこの作品を日本の皆さんに最初に見てほしいという夢を見ました」と語っていたが、最後に顔を上げ「そして今、目が覚めてここにおります」。数々の願いを叶えた奇跡を感動的なスピーチで振り返った監督に会場からも大きな拍手。

 役所も監督のスピーチをたたえつつ「監督の温かいまなざして、命ある人間たち、たくさんの樹木、東京の風景をカメラに収めたドキュメンタリーのような作品。次に何が起きるか分からない、ドキドキする映画を楽しんでいただきたい」とアピールした。

 この日は、西村康稔経済産業大臣が登壇した他、岸田文雄首相がビデオメッセージで「世界的映画人を東京にお迎えし、世界の皆さんに日本の文化芸術を紹介できること大変に光栄」と、今年6月にイタリアとの間に締結された日伊映画製作合同協定にもふれ、日本映画の発展にさらなる期待を寄せた。

 第36回東京国際映画祭は10月23日から11月1日まで日比谷他にて開催。

チャン・イーモウ、トニー・レオン来日決定 東京国際映画祭「今後はアジアの映画祭としての特色を」

2023.09.27 Vol.web original

 第36回東京国際映画祭(TIFF)のラインナップ発表記者会見が27日、都内にて行われ、全上映作品219本が発表された。
 
 安藤裕康チェアマンは「作品数は昨年の174本よりから今年は219本に増え、約25%増。現時点で来日するお客様は映画人、関係者、メディアなど600人以上を予定。スポンサーも昨年より11社増えた」と、量的拡大をアピール。さらに「TIFFはアジアの映画祭であるので、今後の方向性としてアジアの国々との連携を強化してアジアの映画祭としての特色を出したい」と語り、今年は6割以上がアジア作品、来日する映画人・関係者も半数以上がアジアからとなると語った。

 海外映画人では、今年の審査委員長を務めるヴィム・ヴェンダース監督をはじめ、チャン・イーモウ監督、俳優のトニー・レオン、ジャ・ジャンクー監督らが来日予定。

 フェスティバル・ナビゲーターを務める映画監督・安藤桃子は、ポスタービジュアルでも着用したコシノ・ジュンコによる衣装で登壇。「今年から“アンバサダー”から“ナビゲーター”という言い方に変わりましたが、コロナを経て私たちがこれからどこを目指していくか、そのナビゲートすることを意識されているのかと、光栄に思いました」と意気込みを語りつつ、父・奥田瑛二と撮影したポスタービジュアルについて「父から受け継いでいくことを、父も意識する年齢になり…、ポスターを撮影するなか、そういった見えないものがつながっていく気持ちでした」と振り返った。

 オープニング作品は役所広司が今年のカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞に輝いたヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』。アジアプレミアとなる。クロージング作品には、神木隆之介、浜辺美波が出演する山崎貴監督作『ゴジラー1.0』。公開前の一般向け上映では唯一の機会となる。

 他にもガラ・セレクションでは、今年のヴェネツィア映画祭で金獅子賞を受賞した『哀れなるものたち』や、北野武監督作『首』など国内外で注目必至の話題作が集結。

 小津安二郎生誕120年記念として、デジタル修復版18作品の他、国立映画アーカイブとの共催で、ほぼすべての小津作品を上映する。小津ファンを公言するヴェンダース監督も参加するイベントなども予定。

 アニメーション部門では、『アートカレッジ 1994』や『深海レストラン』といった中国の注目監督の作品や、アヌシー国際アニメーション映画祭受賞作『リンダはチキンがたべたい!』(フランス)など海外作品のほか、日本の人気コミックのアニメ映画化『BLUE GIANT』など国内外の長編アニメを上映。藤津亮太プログラミング・アドバイザーは、今年から海外作品も上映する方向性に変えた背景について「この10年あまりで、世界でさまざまな長編アニメーションがつくられるようになった。世界の潮流の一方、国境を超えた共通点なども感じてもらえれば」と解説。

 この日はコンペティション部門に出品する日本人監督3名のうち『曖昧な楽園』の小辻陽平監督、『わたくしどもは。』の富名哲也監督も登壇し意気込みを語った。

 第36回東京国際映画祭は10月23日より11月1日まで日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区にて開催。10月23日のオープニングには日比谷にてレッドカーペットセレモニーが行われる。

安藤裕康(東京国際映画祭チェアマン)

 

川村壱馬、RIKU、吉野北人が東京国際映画祭レッドカーペットに参加決定

2023.09.22 Vol.web original

 映画『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』(12月1日公開)が第36回東京国際映画祭(10月23日開幕)のガラ・セレクション部門に正式招待されることが決定した。

 同作は、『わたしは光をにぎっている』『やがて海へと届く』の新鋭・中川龍太郎監督がメガホンをとり、ある夜、3組の孤独な男女に訪れた、たった一晩の小さな冒険を描く完全オリジナルストーリー。川村壱馬、RIKU、吉野北人(共に、THE RAMPAGE)がプロのデートセラピストを演じる。

 今回のガラ・セレクション部門正式招待を受け、川村壱馬、RIKU、吉野北人は、10月23日に行われる映画祭のレッドカーペットセレモニーにも参加予定。

 また今回の発表と合わせて、3人のKNIGHTたちのエスコート写真も解禁された。

 刻(吉野北人)と夫の浮気に悩む主婦の沙都子(安達祐実)、入院中の母親に“婚約者”を紹介したい高校教師の灯(穂志もえか)とイチヤ役(RIKU)、そして人気インスタグラマー・miyupo(夏子)と刹那、3組がそれぞれ過ごす特別な一夜を切り取った場面写真となっている。

 

親日家ヴィム・ヴェンダース監督が東京国際映画祭審査員長に決定 今年は役所広司主演作でカンヌ受賞

2023.06.12 Vol.web original

 

 今秋開催の第36回東京国際映画祭にて、コンペティション部門の審査員長をドイツの映画監督のヴィム・ヴェンダースが務めることが発表された。

 ヴィム・ヴェンダース監督は、『ことの次第』 (1982)でヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞、 『パリ、テキサス』(1984)でカンヌ国際映画祭でパルムドール、『ベルリン・天使の詩』(1987)で同カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞。また、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999)などで米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門へのノミネートを果たしている。

 親日家としても知られ、特に『東京物語』(1953)を観て見て魅せられたという小津安二郎監督への傾倒は深く、小津安二郎へのオマージュとしてドキュメンタリー映画『東京画』(1985年)を制作。

 また、東京・渋谷の公衆トイレのリノベーションを紹介したアートプロジェクト「The Tokyo Toilet」の一環として製作された最新作『パーフェクト・デイズ』(2023)は、主演に迎えた日本の俳優・役所広司が今年のカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞に輝いている。

 ヴェンダース監督が東京国際映画祭に参加するのは1991年のクロージング作品『夢の涯てまでも』、1993年のヤングシネマコンペティション部門の審査委員長、2011年の『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』以来4回目となる。

 ヴェンダース監督は「東京国際映画祭にまた戻ってこられることを嬉しく思います。以前の私の初めての審査委員長体験は本当に良い思い出しかなく、今でも当時の審査委員の人たちとは交流があり、お互いに“クローディーさん(プロデューサーの Claudie Ossard)”、“ポールさん(作家の Paul Auster)”、“ヴィムさん(監督本人)”と“さん”を付けて日本風に呼び合っています」と明かし「今年の東京国際映画祭は私が敬愛する巨匠・小津安二郎監督の死後60年、生誕120年の記念すべき年に開催されるもので、そんな機会に参加できることは私にとっては特別なことです」と意気込みのコメントを寄せている。

 今年の映画祭では生誕120年となる小津安二郎監督の特集も決定しており、小津ファンでもあるヴェンダース監督を迎えることで、さらなる盛り上がりを見せそうだ。

 第36回東京国際映画祭は10月23日から11月1日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催。

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