東宝ミュージカル『レ・ミゼラブル』でコゼット役を演じ注目を集めた若井久美子が初主演した映画『森のカフェ』が公開中。本格的な映像作品に出演するのも初めてという若井だが、ちょっと不思議な女の子を軽やかに演じている。
「最初に紹介していただいた時、監督の中では私の実年齢よりちょっと若い女の子を主人公にしようと考えていたそうなんです。でもお会いした時に、まあ大丈夫かなということで、留年している24歳の大学生という設定で、出演することが決まりました。その時点で構想はあったようですが、脚本は全然書いていなくて、私をあて書きで書いてくれたそうです。それがすごく天真爛漫で、あっけらかんとして、ぶっ飛んだた女の子だったので、監督から見たら、私はこういうイメージだったんだなと(笑)」
作品の中では、得意の歌も披露。
「最初は歌を入れるつもりはなかったようですが、たまたま私が歌もやっていたので“せっかくだから歌う?”って(笑)。でも結果的には歌がストーリーを物語るような哲学的な歌詞になっていて、それもひとつポイントになっているので、すごく大事な曲を歌わせていただいていると感じましたし、すごくうれしかったです」
哲学者の苦悩を題材にしているから難しいのかなと思いきや、楽しく癒される要素も。若井の渾身の変顔もそのひとつ。
「あれは監督からの熱望で、あそこで絶対に変顔をしてほしいと(笑)。私自身はそこで変顔をする理由が分からなかったんですが監督から“君がここでその表情を見せることで、この作品がグッと引き立つから僕を信じてやってくれ”と説得されて。それでやったんですけど、試写を見たときに、その意味が分かりもっとやればよかったと思いました。(笑)。面白みもいっぱい詰まっていて、見終わった後にほっこりと温かい気持ちになれる作品ですし、哲学に興味がなくても見やすくて楽しめますので、ぜひ足をお運び下さい」