菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題で、総務省在職中に正剛氏側から7万円超の会食接待を受けた山田真貴子内閣広報官が2月25日の衆院予算委員会に参考人として出席した。
山田氏は「私の総務省在職中の国家公務員倫理法違反にあたる行為で、公務員の信用を損なったことを深く反省している。申し訳なかった」と陳謝した。判明している以外の事業者との会食については「必要に応じ、ルールにのっとって行うことはあった」と語った。東北新社とは「1回が確認されているのみだ」と説明した。
会食の場に行った時に正剛氏がいたかどうかについては「交流がなかったため、事前に認識していたかというと、そうではなかったのではなかったのではないか」などとあいまいな答弁。その後、会食時には正剛氏がいたかどうかについては
「会食していた時点では、認識していたのかなと思う」。また「会食していた時点では、(菅氏の長男だと)認識はしていたんじゃないかなと思う」とも答えた。
話題となっている2020年に収録された若者に向けたメッセージ動画での「飲み会を絶対に断らない女としてやってきた」などという一連の発言については「若い方々にとって人脈をつくるのは大変重要だと思って申し上げた」と答えた。
そして「女性の目線、みなさまの考えを踏まえながら、改めてよく反省し、自らを改善していきたい」と“女性の目線”という言葉を用い、辞職を否定した。
しかし体調を崩したとして28日から入院し、「職務を続けるのは困難」という理由で3月1日付けで辞職。出席する予定だった1日の衆院予算委員会は入院を理由に欠席した。
山田氏については22日に山田氏が接待を受けていたことが発覚後も菅総理は24日に「真摯に反省しているので、今後とも職務の中で頑張ってほしい」と続投させる意思を示していた。山田氏も自ら給与の一部返納を申し出る形で決着を図った。25日に山田氏が衆院予算委に出席後、26日に政府が新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の6府県での解除を決定したが、首相は正式な記者会見をせず、記者団の要望で同日に下がり会見を行った。これには「山田氏隠し」といった批判も出たが、首相は反論。しかし山田氏が週明けに体調不良を理由に辞任とあっては与党内からも判断の遅れを指摘する声も上がった。