落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。
落語 タグーの記事一覧
【お笑い】滑稽噺から人情噺までたっぷり魅せます!
柳家さん喬独演会
ニコニコとした笑顔が福々しい柳家さん喬。時にエキセントリックな芸を見せる柳家喬太郎の師匠とは思えない、正統派古典落語の語り手である。軽い滑稽話から、古典の大作まで演じ分ける力量はさすがの貫禄。さん喬の落語には情があり、華があり、品がある。そこに江戸の風景と登場人物の感情が織り込まれ、観客はその世界にグイグイと引き込まれる。気が付くとかなりの時間が経っていたことに驚かされることもしばしば。情緒たっぷりのさん喬劇場へようこそ。
【出演】柳家さん喬ほか、ゲスト=宝井琴梅
【日時】6月23日(土)14時〜、18時〜
【会場】三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹)
【料金】全席指定一般3000円、学生2000円、高校生以下1000円
【問い合わせ】三鷹市芸術文化センター(TEL:0422-47-5122)
【江戸瓦版的落語案内】中村仲蔵(なかむらなかぞう)
落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。
【インタビュー】イケメン落語家のスーパーユニット RAKUGOKA★5 「目標は紅白出場」
空前の落語ブームが到来し、都内で開催される落語会は毎月1000を超えるという。そのブームの一端を担っているのが、いわゆる“イケメン”落語家たち。中でも人気の5人の若手落語家がユニットを結成、CDを発売した。今までにない新しい試みだという落語と音楽の融合とは? メンバー3人とプロデューサー・新田一郎氏に聞いた。
テレビの“ガッテンおじさん”の名人芸をとくとご覧あれ!
赤坂ACTシアタープロデュース“志の輔らくご”
今、日本で一番チケットの取れない落語家と言っても過言ではない立川志の輔。お茶の間では“ガッテンおじさん”と親しまれているが、黒の紋付き袴で古典を語る姿はまるで別人。いったん噺に入ると、そこには江戸の風景が広がり、名人芸に鳥肌が立つほど。赤坂ACTシアターの独演会「志の輔らくご」は、今年で10周年。今回の「大忠臣蔵〜仮名手本忠臣蔵のすべて〜」「中村仲蔵」は古典で、しかも超大作。新作も素晴らしいが、古典も緩急自在に演じるのが志の輔の最大の魅力だ。どんなに軽やかな新作も重厚な古典も、その話芸で会場にいる人をたちまち魅了してしまう。そんな志の輔の真髄にぜひ触れてみて!
【出演】立川志の輔【日時】5月24日(木)〜27日(日)(24、25日:18時30分〜/26、27日:14時30分〜【会場】赤阪ACTシアター(赤坂)【料金】5500円【問い合わせ】サンライズプロモーション東京(TEL:0570-00-3337)
【江戸瓦版的落語案内】鼠穴(ねずみあな)
落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。
【江戸瓦版的落語案内】ぞろぞろ(ぞろぞろ)
落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。
いぶし銀の2人が聞かせる粋な江戸前落語に桜も満開!「三遊亭小遊三・春風亭小朝 二人会」
笑点で人気の三遊亭小遊三と古典・新作・創作落語を巧みに操る技巧派春風亭小朝の二人会。泥棒、下ネタ、ハンサムキャラの小遊三だが、意外にも(?)落語は正統派。あのままの明るいキャラで、粋な江戸っ子を軽やかに演じる。対する小朝は、少年時代から“天才”と呼ばれていた落語の申し子。二つ目昇進からわずか4年、36人抜きで真打に昇進し、その実力を世間に知らしめた。また高座を精力的に務めるほか、プロデューサー的な役割を果たし、落語界全体を盛り上げている。そんな人気者2人の競演は、満開の桜のような華やかな高座になる事間違いなし!
【出演】三遊亭小遊三、春風亭小朝ほか
【日時】3月24日(土)13時30分〜
【会場】よみうりホール(有楽町)
【料金】全席指定 4500円【
問い合わせ】夢空間(TEL:03-5785-0380 ※平日10〜18時)
【江戸瓦版的落語案内 】たがや(たがや)
旧暦五月二十八日は両国の川開き。当日は両国橋付近で盛大に花火が上がり、橋の上は見物人でごった返し。花火が打ちあがると、あちらこちらから、「上がった、上がった。玉やぁ〜〜っ!」の掛け声がかかる。そんな中、本所のほうから、お供の侍2名と槍持ち1名を従えた身分の高そうな武士が馬に乗って通りかかった。
見物人であふれる橋を馬で通ろうなどとは、横暴の極み。すると、ちょうど反対側の広小路から道具箱と、割いた青竹のたがを丸めて輪にしたものを抱えたたが屋がやってきた。武士とたが屋が橋の中央ですれ違おうとしたまさにその時、見物人に押された拍子にたがを落としてしまった。落ちた拍子にたがを止めていた糸が切れ、青竹がシュルっと伸びると、馬上の武士の笠に当たりそれを跳ね上げた。笠は吹っ飛び、川の中へ。武士の頭には土瓶敷きの様な笠台だけが残り、鼻からは鼻血がツーッと…。武士はカンカンに怒り「この無礼者! 屋敷へ同道せよ!」。
屋敷に行ったら首がなくなるとあせったたが屋。どうかお許しを。病気の両親が腹をすかせて待っているので、何卒ご容赦下さい」と必死のお願い。しかし、何度誤っても「ならん!」の一言。あまりの物分かりの悪さにたが屋も堪忍袋の緒が切れた。「血も涙もねえ、目も鼻も口もねえ、のっぺらぼうの丸太ん棒め。二本差しが怖くて飯が食えるかってんだ、こんちくしょうめ」「なにッ」「斬るなら斬りやがれっ!」と啖呵を切った。これを聞いた武士はたまらずお供に「切り捨てろ!」。
刀を抜くお供だが、それがガサガサの錆び刀。稽古をさぼっていたため、刀を振り回すもへなちょこで、喧嘩慣れしているたが屋に、あっという間に刀を奪われた。次のお供は頭上から刀を振り下ろしたが欄干に刀が食い込んで抜けない。抜こうと焦っているところをさっき奪った刀でバッサリ。見物人からは、やんややんやの大喝采。いよいよ頭に血ののぼった武士が、馬から降り槍を構える。やぶれかぶれで振り回した刀で、突いてくる槍の首を切り落としたたが屋。武士が槍を捨て、刀に手をかけた一瞬のスキをつき、たが屋が一歩踏み込み、刀を横に払うと武士の首が宙天高くハネ上がった。
まわりにいた見物人は声をそろえ「上がった、上がった。たがやぁ〜〜っ!」
4つの個性が乱れ咲き。演芸まつりで寒さを吹き飛ばせ!
座・高円寺寄席「百花繚乱!四派そろい咲き」
この時期、高円寺で行われる「高円寺園芸まつり」。今年も高円寺駅を中心に、ホールやお店、お寺など約60カ所の会場で2月9日(金)から18日(日)まで開催されている。最後の2日は「座・高円寺寄席」と題し、「疾風怒濤 浪曲。講談新時代」(18日)、「古今東西の旅どうぞ、ごゆるりと。」(18日)、「百花繚乱!四派そろい咲き」(17日)が上演される。四派とは桂文治、林家彦いち、立川談笑、三遊亭兼好と一門の違うメンバーで、芸風もバラバラ。街全体も演芸色にそまった楽しい雰囲気の中、4人の個性が不思議な化学反応を起こす落語会へぜひ!
【出演】桂文治、林家彦いち、立川談笑、三遊亭兼好
【日時】2月17日(土)18時〜
【会場】座・高円寺2(高円寺)
【料金】全席指定 3000円、中学生以下1000円
【問い合わせ】座・高円寺チケットボックス(TEL:03-3223-7300 ※10〜18時、月曜定休)
【江戸瓦版的落語案内 】看板のピン(かんばんのぴん)
鉄火場で若い連中がサイコロのチョボイチを開帳。しかし、もうけた奴が先に帰ってしまい、さっぱり場が盛り上がらない。そこへ現れたのが土地の親分。「お前たち、まだこんなことをやっているのか。博打なんかやるもんじゃないぞ」と戒めた。しかし若い衆「親分だって若い時はやっていたじゃないですか。それより、しらけた場の流れを変えたいので、景気づけにひとつ胴をとってもらえませんか」と頼む始末。親分少しの間考え「訳あって42の時から博打はやめているが…俺ももう61。子どもに返ったつもりで、お前たちの相手をしてやるのもいいだろう」と承諾。昔取った杵柄で、壺皿を振ると、畳の上に鮮やかに伏せた。
「勝負は壺皿の中。さあ、張んな」。しかし見ると壺皿のわきにサイコロが飛び出しピン(1)の目が出ている。親分がボケてきたと思ったそこにいた全員がピンの目に張った。「おや、みんなピンなのか。勝負は壺皿の中だぞ。では、この看板のピンはこっちにしまっておいて、俺の見立てでは5だな」。そういって壺皿を開くと、親分の言った通り5の目が出た。「博打などというものは、こういう汚いものだ。これに懲りたら、お前らも博打なんてするんじゃないぞ。それに誰か一人でも俺にサイコロが外に出ていることを教えようってやつはいたか?
そういう料簡になっちまうのもいけねえ。金は全部返してやるから、さっさと帰りな」と言い残し賭場を去った。これに懲りて博打をやめるのが賢い奴だが、この方法で一儲けしてやろうという男がいた。早速、別の賭場に行き「おい、お前ら博打はやめろ」と親分の真似。「なんだい、いきなり。お前だって博打をやっているじゃないか」「俺は42の時にやめた」「てめえはまだ26じゃないか!」「俺に胴をとってほしいというなら仕方がない。子どもに返ったつもりでお前たちの相手をしてやるのもいいだろう」「誰も頼んでねえよ」。しかし、無理やり胴をとると怪しげな手つきで壺皿を振り畳に伏せた。「勝負は壺皿の中。さあ、張んな」。見ると脇へサイコロが転がり出て、ピンの目が見えている。それを見た男たち、もちろん全員がピンに張る。「おや、みんなピンなのか。勝負は壺皿の中だぞ。では、この看板のピンはこっちにしまっておいて、俺の見立てでは5だな」。そういって壺皿を開くと「…ああ、中もピンだ」