映画『九十歳。何がめでたい』(6月21日公開)の公開前日イベントが20日、都内にて行われ、主演の草笛光子らキャスト陣と前田哲監督が登壇。原作者・佐藤愛子が自身を演じた草笛をユーモアたっぷりに労う手紙を送った。
作家・佐藤愛子による同名ベストセラーエッセイ集の映画化。
唐沢寿明にエスコートされながら登壇した草笛。唐沢が草笛を椅子に座らせ、ミュージカルさながらのポーズを決めると会場からも大きな拍手。
昨年10月に90歳を迎えた草笛。唐沢から「90歳で映画主演はこの方が初めてということで」とたたえられると、草笛が「同い年じゃないの?」と冗談めかし笑いをさそう一幕も。
「いろんな奇跡が重なって完成できた」と振り返る前田監督。「90歳の佐藤先生を90歳の草笛さんが演じてくださった。吹き替えなしですから。AIじゃないです。肌修正も無しですから」と胸を張り、会場からも称賛の拍手。
この日は、昨年11月5日に100歳を迎えた原作者・佐藤愛子から草笛に寄せられた手紙も読み上げられた。
佐藤は「肺炎になられたと聞いたときには驚きましたが、たちまち回復されたと聞き、さすが90歳、まだまだお若いとほっと胸をなでおろしました」とユーモアたっぷりに労いつつ「私は90歳の時に“人間はのんびりしようと考えてはだめだと分かった”と書きましたが100歳になったこの頃は、のんびりというのがどういう状態か分からなくなってきました。今から思えばあのころはすごく元気だったんですね。90歳の草笛さんののんびりと100歳の佐藤愛子ののんびりは違うと思います。こんどお目にかかるときお互いののんびりについて語り合いましょう」という“100歳から90歳への手紙”に一同も感慨深げ。
草笛が「しがみつきたいくらいです」と喜ぶ一方、唐沢が「他のキャストへのコメントは無いんですか」と残念そうに言い会場も大笑い。
この日は、主題歌を担当した木村カエラも駆け付け、草笛に花束を贈呈。「もっと素直でいいと教えてくれる映画」と大絶賛。
最後に草笛は「私も90になりました。何がめでたいって、自分じゃよく分かりませんけど…。90歳、これからもどうぞよろしくお願いします!」と元気に手を振り、最後は真矢ミキのエスコートで拍手に包まれ降壇した。
この日の登壇者は草笛光子、唐沢寿明、真矢ミキ、藤間爽子、LiLiCo、宮野真守、木村カエラ、前田哲監督。