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戦後最大の“危機”を、日本再興の“好機”に転換しよう!【長島昭久のリアリズム】

2023.01.05 Vol.web Original

新春のお慶びを申し上げます。

 昨年は、3年目に突入したコロナ禍に加え、2月にはロシアによるウクライナ侵略、ゼロコロナ政策の失敗による中国経済の停滞などにより、戦後の国際秩序が崩壊の淵に立たされ、世界経済の変調と深刻なエネルギー危機に直面する激動の一年となりました。

安全保障環境を無視してきたGDP比1%規制を撤廃

 そのような中、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面した我が国は、安全保障政策の大転換を決断しました。向こう5~10年で我が国の防衛力を全面的に強化するものですが、何より画期的なのは、戦後半世紀以上にわたり防衛力整備を縛り付けてきた「GDP比1%」という防衛費の上限規制を撤廃したことです。

 その上限規制は、昭和51年三木内閣で定められて以来、我が国を取り巻く安全保障環境とは無関係に、歴代政権によって“暗黙の了解”として継承されてきました。それでも、我が国の平和と安全が守られてきたのは、国連を中心とする国際秩序の下で、圧倒的な軍事力を誇るアメリカという同盟国の後ろ盾があったからだといわざるを得ません。

いつまでも“アメリカ頼み“は通用しない

 しかし、そのアメリカも国連も、国連常任理事国のロシアによるウクライナ侵略を抑止することができませんでした。また、昨年9月以来50発以上の弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の蛮行を止めることもできません。さらには、過去30年で40倍以上にも膨れ上がった軍事費に任せて圧倒的な軍拡を推進し、東シナ海や南シナ海、台湾海峡で強硬な軍事活動を行っている中国を明らかに持て余している状況です。

 このような中、我が国のみが安全保障環境の悪化を見て見ぬふりをして防衛努力を怠れば、地域の軍事バランスは益々不安定な方向に傾いてしまいます。そこで、故安倍元総理の後押しもあり、岸田政権が「防衛力の抜本的強化」の旗を掲げ、自民党では一昨年の暮れから1年以上かけて在るべき防衛力の姿を議論し、昨年末に安全保障関連3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)を策定し戦後政策の大転換を行ったのです。

国会で堂々と議論をしよう!

 そして、いよいよ今年の通常国会では、5か年計画の初年度となる防衛予算案とともに、3文書および防衛力整備の中身についての本格的な与野党論戦が行われることになります。とくに、昭和31年に国会で合憲性が確認されていたにもかかわらず、周辺国への配慮やコストかかり過ぎるとの理由から導入を先送りにしてきた「反撃能力」の保有をめぐる議論が白熱するでしょう。

反撃能力は先制攻撃ではなく抑止のため

 私は、複数の隣国が極超音速滑空兵器や弾道ミサイルによる奇襲攻撃能力を有する今日、“受け身”のミサイル防衛網だけで国民の命と平和な暮らしを守り抜くことはほぼ不可能になっている現状に鑑み、ミサイル防衛により飛来するミサイルを防ぎつつも相手からの更なる武力攻撃を防ぐために、我が国から「有効な反撃を相手に加える能力」がどうしても必要な時代になったことを、正面から国民に説明すれば十分納得を得られるものと考えます。こうした有効な反撃能力を持つことにより、武力攻撃そのものを抑止するのであり、相手を挑発するような先制攻撃を企図するものでは全くありません。

防衛力強化の財源、今は増税の時ではない

 問題は、5年間で約43兆円もの防衛費をどのように捻出するかです。財源をめぐっては、昨年末の自民党税制調査会で激しい議論が交わされました。結局、岸田総理は「増税という安定財源なくして未来への責任は果たせない」と言明し、今年度は増税せず歳出改革等によって捻出するものの、令和9年度までのいずれかのタイミングで年間1兆円規模の増税を行う方針を打ち出しました。

 しかし、私を含め、多くの同志議員が、このコロナ禍とウクライナ戦争、円安などにより打撃を受けた経済、企業、家計を下支えするために大規模な経済対策を行っている一方で、増税を声高に叫べば消費や投資意欲を萎えさせ、賃上げ努力に水を差し、景気後退でかえって税収を減らしかねないと強く警鐘を鳴らしました。

増税以外のあらゆる選択肢を追求しよう

 結局、自民党においては、萩生田政調会長が、「年明け早々にも、増税に頼らない財源についての議論を(税制調査会の上位機関である)政務調査会で行う」ことで党内議論の引き取り事態を収拾したのです。今後は、通常国会における与野党の議論と党内論議を連動させながら、持続可能な防衛費増額(GDP比2%程度)を支える安定財源の確保と経済危機突破のための財政・金融政策とをバランスさせる“現実解”を追求していくこととなりますが、私もその議論の先頭に立ってまいります。

【 参考までに、防衛財源についての私の考え方は、・・・・倉山満YouTube(チャンネルくらら)「緊急特番 どうなる防衛増税?」
URL https://www.youtube.com/watch?v=JV4TATcMqOQ

予算倍増で、こども達の未来保障を拡充

 喫緊に財源が必要なのは、防衛力整備だけではありません。私が取り組んできたもう一つの課題である「こども達の未来保障」のための予算も倍増しなければなりません

 現状GDP比1.7%のこども予算をOECD平均の3%に近づけるのです。今年の4月から「こども家庭庁」が始動します。これまで、厚労省、文科省、内閣府に分散していた“こども政策”機能を同庁に統合し、政府、自治体、民間が一体となって、こどもと子育て家庭を全力でサポートする仕組みをつくり上げるのです。

こども予算の財源は「こども国債」で

 不妊治療に加え出産も保険適用とするほか、児童手当の増額、幼児教育・初等教育に続き高校の完全無償化(所得制限の撤廃も!)、大学・大学院・専修学校生に対する給付型奨学金の拡充、既存の奨学金の返済猶予、さらには、児童相談所の増強、ネウボラの整備、多様な働き方のニーズに応える「みんなの保育園」の実現、こども食堂やこども宅食支援などなど、政策・制度総動員で子育て環境を劇的に変えるための財源を捻出しなければなりません。そのためには、10年で50兆円の「こども国債」を発行するのです。現役世代にいま投資することによって、こども達が成長し税収として“お釣り”が来ますから、国債発行に十分な正当性があるはずです。防衛力整備を歳出改革で乗り切りつつ、こども財源は10年間の集中投資でこの危機を突破しようというものです。

 たしかに安全保障も未来保障も戦後最大の危機に直面していますが、この危機を正面から捉え、未来に向かって思い切った投資を行い日本再興のチャンスに変えていく、今年はそんな一年にするべく全力を尽くしてまいります。

衆議院議員 長島昭久 拝

改めて皇位継承問題を考える(その四・完)【長島昭久のリアリズム】

2021.07.12 Vol.743

 前回の最後に述べた皇室典範の改正については、私も国政に参画する一人として真剣に取り組む覚悟です。さらにもう一つ大事なことは、「伏見宮」家はつい70年前まで皇位継承資格を持つ皇室の「藩屏」として確かに由緒正しいお血筋には間違いないけれど、その中からどのようにして皇室にふさわしい方をお迎えするか、という問題です。結論から申せば、その際には、皇室典範の規定に従い、三権の長と皇族で構成される皇室会議の議論に委ねるべきでしょう。

 ここで一つ紹介しておきたいのですが、一九四六年に十一宮家が皇籍離脱する際、当時の加藤進宮内府次長が重臣会議の席上、皇籍を離れる旧宮家の方々を前にして、「(今後)万が一にも皇位を継ぐ時が来るかもしれないとのご自覚のもとで、身をお慎みになってご生活いただきたい」と述べたというのです。実際、そのようにお慎みになっている方は、例えば東久邇家や賀陽家などにいらっしゃるようです。

 このような議論をすると、「当人の意向を確認したのか」と言う人がいます。しかし、皇籍取得の制度もできていないのに、いきなり尋ねて、「じゃあ、私がやります」なんて言う方はいないですよね。だからこそ私たちには体制を整備する責務があるのです。いずれにせよ、私たちが培ってきた二千年の歴史を、今後とも引き継いでいく方策は十分にあるのだということを、ぜひこの機会に皆さんと共有したいものです。

 もちろん皇籍を取得されるか否かは、慎重の上にも慎重な意思確認が必要です。この際、傍系としての宮家の役割は極めて重要です。直系が行き詰まった時、皇統を引き継ぐために特別の宮家として「世襲親王家」が創設され、天皇家の歴史はずっと続いてきました。

 たしかに「皇位継承は、男性であろうが女性であろうが、直系であるべき」と言う直系優先の考え方もあります。「男系男子に拘れば、やがて皇統が途絶えてしまう」と。しかし、じつは直系優先のほうが、お妃様にかかる出産のプレッシャーは甚大でしょう。むしろ、三つ四つの傍系が準備されていれば、いずれかの家に男子が生まれる可能性があるわけですから、その意味で直系のお妃様が追い詰められなくて済みます。これこそが、歴史の知恵だと思います。

 率直に申せば、二千年以上も続いてきた歴史と伝統を、私たちの代で安易に放棄してしまうなどということは、まさに畏れ多いと言わねばなりません。百年後に振り返った時、「なんだ、これは正統性がないではないか」という批判に必ずさらされるでしょう。その時にはもはや取返しがつきません。皇統の正統性は破壊され、日本が日本でなくなってしまうのです。

 歴史の関頭に立つ私たちには、国家の大本たる皇統二千年余の歴史を踏まえた謙虚な姿勢こそが求められると考えます。

(衆議院議員 長島昭久)

「コロナ禍だからこそできる外交」鈴木隼人さん(衆議院議員)

2020.11.07 Vol.735

『JAPAN MOVE UP supported by TOKYO HEADLINE』
「日本を元気に」を合言葉に毎週土曜日午後9時30分からTOKYO FMで放送中。
「JAPAN MOVE UP!」では、コロナウイルスとどう向き合い、乗り越えていくかを考える「BEYONDコロナ」プロジェクトを推進中!
毎回ゲストの皆さんに「BEYONDコロナ/アクション宣言」を聞いていきます。
(ナビゲーター:一木広治/Chigusa)

政治は「見えないガラスの床」中山泰秀氏 (衆議院議員)

2020.07.25 Vol.731

ラジオで日本を元気にする
『JAPAN MOVE UP supported by TOKYO HEADLINE』

「日本を元気に」を合言葉に毎週土曜日午後9時30分からTOKYO FMで放送中。
「JAPAN MOVE UP!」では、コロナウイルスとどう向き合い、乗り越えていくかを考える「BEYONDコロナ」プロジェクトを推進中!
毎回ゲストの皆さんに「BEYONDコロナ/アクション宣言」を聞いていきます。

【今月の“人”】細野豪志衆議院議員(二階派特別会員)

2019.02.07 Vol.715

 旧民主党で幹事長を務め、2017年9月に希望の党の結党メンバーとなったものの、2018年4月の民進党と希望の党が合流した国民民主党の結党には参加せず、無所属で活動していた細野豪志元環境相。1月31日に自民党二階派(志帥会)に特別会員として入会した。

 細野氏は二階派の会合後、「(目指してきた)二大政党というやり方ではなく、まずは志帥会に入って(政策を)実現していくべきではないかと判断した」などと今回の判断を説明した。2月4日に東京都内で開いた政治資金パーティーでは「自民党の中で自分の政策の実現を目指す」と改めて自民党入党の意欲を見せた。しかし選挙区の衆院静岡5区には岸田文雄政調会長率いる岸田派の元職・吉川赳氏がいる。細野氏が選挙区を変えなければ、次の衆院選では吉川氏と党公認を争うこととなるが、細野氏は「選挙区を出る時は政治家を辞める時」と明言しており、後々火種となりそう。

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